前作『ロスト・ハイウェイ』に続いて全米ナンバー1に輝いた最新アルバム『ザ・サークル』を携え、ボン・ジョヴィが全135公演というスケールのワールド・ツアーを展開。その一環となる来日公演は、東京ドーム2Days。1984年にデビューし、世界最高峰のロック・グループとして君臨するベテランの真価をしっかりと見届けよう。
1984年にデビューしたボン・ジョヴィは、すでに四半世紀を越える歴史を持つベテラン・グループだ。これほどのキャリアを持つ大物ともなれば、確固たる作風を築き上げているため、作品のテイストは固定的になりがちだ。だが彼らはそうした風潮に逆らうかのように、新たな活路を切り開いてきた。
前作『ロスト・ハイウェイ』は、ナッシュビルでレコーディングされ、カントリーのエッセンスを取り入れた冒険的な作品だったが、見事に全米ナンバー1を獲得し、新たな黄金時代に突入。当初はそれに続いてベスト・アルバムの発表を計画し、曲作りにも着手していた。しかしそうした最中にアメリカは、リーマン・ショックでかつてない経済的な困難に直面することになってしまう。中心人物であるジョン・ボン・ジョヴィは、これを受けて苦境に立たされた人々に向けて送るメッセージ色の強い楽曲のアイデアが次々と湧くようになり、結局オリジナル・アルバムの制作に取りかかった。
こうして完成したのが、昨年にリリースされた最新アルバム『ザ・サークル』だ。事前の予定を覆し、激動する社会状況に対する気持ちから生まれた瑞々しいエモーションを糧にして制作された本作も、見事に全米ナンバー1に輝き、現在のボン・ジョヴィはまさにキャリアのピークというに相応しい勢いとクリエイティビティに満ちている。
そうしたバンドのコンディションを反映して、ワールド・ツアーも全135公演というスケールの大きさで展開され、その一環となる来日公演が、東京ドーム2Daysという形で開催されることになった。ビッグネームならではの風格を持ちつつピュアなメッセージを突きつける今回のステージは、不況に喘ぐ日本にも極めてリアルに響くに違いない。(2010/07/16)