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@ぴあコラム

フランツ・フェルディナンド

 ブリティッシュ・ロックの人気者が、フジロックでのステージに続く単独来日が早くも決定した。デビューから5年目を迎えて、約4年ぶりのサード・アルバム『トゥナイト』を携え、もはや勢いだけの新人ではなく、自分たちの作風を確実に深めつつある貫禄と自信に満ちたパフォーマンスで、多くのファンを魅了してくれるに違いない。

 2004年にイギリスのグラスゴーから登場した4人組、フランツ・フェルディナンドは、ニューウェイブの影響を受けたダンサブルなサウンドで、圧倒的な人気を獲得した。デビュー・アルバム『フランツ・フェルディナンド』は、英本国のみならずヨーロッパ諸国やアメリカでも評判となり、同年夏にはフジロックへの出演で初来日を実現させている。翌2005年にリリースされたセカンド・アルバム『ユー・クッド・ハヴ・イット・ソー・マッチ・ベター』も、初登場で全英1位を獲得するなど、その人気は勢いを増し、バンドは精力的にライブ活動を重ねていった。

 彼らのように急激に人気を獲得したアーティストの場合は、その環境の変化やハードワークがプレッシャーとなることも珍しくない。しかしフランツ・フェルディナンドのケースは、2007年に休業期間を取り、ボーカルのアレックスがザ・クリブスをプロデュースしたり、ドラムスのポールが別プロジェクトのコレクトでアルバムを制作するなど、メンバーが個々に時間を過ごして心機一転。しかもサード・アルバムのレコーディングにあたっては、グラスゴーの市営ビルに膨大な機材を持ち込んで、これまでになかった実験をじっくりと行っている。そのかいあって、今年1月に届けられたサード『トゥナイト』は、ダブのアプローチなども新鮮な内容となっている。アルバムの幕開けを飾る『ユリシーズ』で“新しい道を見つけた”と歌っているのも、そんな新境地への自信を示しているように受け取ることもできるだろう。

 今年に入ってからはフジロックでの熱演も記憶に新しいところだが、今回早くもそれに続く単独の来日公演が決定した。デビュー時の勢いで突っ走った後、休業期間を挟んでさらに成長した彼らだけに、ステージでは一段と音楽的な深みを増した者ならではの貫禄を発揮してくれるはず。(2009/8/14)