90年代のアメリカのオルタナティブ・ロック・シーンに強烈なインパクトを放ったペイヴメントが、期間限定で再結成。スティーヴン・マルクマス、マーク・イボルド、スコット“スパイラル・スティアーズ”カンバーグ、ボブ・ナスタノビッチ、スティーブ・ウエストによる編成で、彼らならではのローファイ・サウンドを披露してくれる。
スティーヴン・マルクマスをフロントとするペイヴメントは、アメリカのロック・シーンが大きく変貌した90年代の歴史上で見逃すことのできない存在だ。とはいうものの、彼らは決してメイン・ストリームを代表するような活動を行っていたわけではない。どこか投げやりな気配を感じさせるギターとボーカル、そしてねじくれた歌詞のセンスで繰り出すサウンドは、まるでデモ・テープのようなスカスカなもので、いわゆる商品としてのクオリティを競い合うのが当たり前となっていたアメリカのシーンでは、かなり異端的な存在だった。しかし他のアーティストが思いつかないようなこうしたアプローチを思い切り繰り広げることにより、シーンに与えた衝撃は、非常に大きなもので、当時の流行語となった“ローファイ”という言葉を象徴するほどの注目を集めることとなった。
こぎれいな装いを施したゴージャスなサウンドなど、自分たちには無関係と言わんばかりの音色は、かつてのヴェルベット・アンダーグラウンドなどにも似た部分があるが、彼らの場合はカリスマ性というよりも、生活感を反映したリアリティを生んでおり、むき出しのキャラクター性で、カルト的な支持層を獲得した。特にイギリスからは、彼らに影響を受けたアーティストも多数登場するほどの人気となっている。
バンドとしてのペイヴメントの活動は1999年に終えており、その後のスティーヴンは、ソロ名義などで活動してきた。しかしそれから10年以上も経たタイミングで、2010年に再結成が決定。その一環として来日公演も実現することになった。しかも公式な声明によると今回のリユニオンは「継続的な再結成ではない」とのことなので、今回チケット発売となる来日公演は、彼らのライブを見るための貴重な機会となるのは間違いない。心して足を運びたい。(2009/11/20)