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@ぴあコラム

佐野元春&THE COYOTE BAND

 佐野元春が昨年6月にリリースした最新アルバム『COYOTE』を携えての全国ツアーを開始する。今回は彼としては珍しいライブハウス・ツアー。しかも『COYOTE』のレコーディングで活躍した深沼元昭、高桑圭、小松シゲルからなるTHE COYOTE BANDを率いての登場ということで、これまでとは異なる挑戦的なステージを見せてくれそうだ。

 キャリアが長ければ長いほど、アーティストのパブリック・イメージは強固なものになっていく。佐野元春も間違いなくそうしたベテランのひとりだ。しかし彼はエンターテイナーとしてファンを楽しませるだけでなく、しばしば驚くべき大胆さでアーティストとしての新境地を切り拓いてきた。7月に彼が展開する全国ツアー“COYOTE”も、間違いなく佐野元春というアーティストの新たな側面をアピールする大胆かつ斬新な試みとなるはずだ。

 これまでに彼が率いてきたバンドには、1980年から1994年まで活動を共にしたザ・ハートランド、そして1996年のツアーではインターナショナル・ホーボー・キング・バンドと名乗り、翌1997年に名前を改めたホーボー・キング・バンドがある。この二つはいずれもギタリストとキーボード奏者の両方を擁しており、重層的なアンサンブルが可能な編成だった。

 しかし今回のツアー“COYOTE”で登場するのは、昨年発表したアルバム『COYOTE』のレコーディングで活躍したメンバーばかりで構成されたTHE COYOTE BAND。その編成は、元プレイグスで現在はソロ・プロジェクトのMellowheadとGHEEEで活動中の深沼元昭、Nona Reevesの小松シゲル、そしてGreat3の高桑圭で、佐野本人を含めて四人というかつてなくシンプルな編成になっている。当然佐野本人も、今までよりプレイヤーとして演奏に関与する比重が大きくなることは確実だ。

 しかも今回のツアー会場がホールではなく、BLITZやZEPPといったライブスペースというのも、佐野元春としては異例のこと。編成から考えても会場の選択から考えても、ロック色の強いダイナミックなパフォーマンスを見せることになるだろう。来年でデビュー30周年を迎える佐野が、従来のパブリック・イメージにとらわれずに展開する挑戦的なステージを楽しみにしたいところだ。(2009/5/22)