2000年からスタートした都市型ロック・フェスの代表格“SUMMER SONIC”。昨年10周年を迎えた歴史の蓄積の中で、キャンプ・サイトでの宿泊も可能なスタイルになるなど、様々な変化を遂げてきたが、今回の出演のラインナップは、単に豪華なだけでなく、かつてない多彩さを打ち出しているのが特徴で、幅広い世代から注目を集めそうだ。
2000年からスタートした“SUMMER SONIC”は、日本のロック・フェスティバルの中でも、関東関西という大都市近郊で開催され、日帰りでも参加しやすいスタイルで、年々動員を増やしてきたイベントだ。昨年10周年という歴史を積み重ねる中で、関東ではマリンステージと海岸に隣接する芝生エリアに出現する憩いの空間“シーサイド・ヴィレッジ”が、テント宿泊可能なエリアになるなど、機能的にもパワーアップし、大都市近郊ならではの利便性を残しつつも、アウトドア的な楽しみ方もできるようなスタイルに発展してきた。
このように会場の設備が様々な楽しみ方ができるようになったということは、オーディエンスも多様な参加の仕方が可能になる。つまり“SUMMER SONIC”は、幅広い層の音楽ファンが集う祝祭的な空間へと変容してきたのだ。これを受けて今年の出演アーティストのライ
ンナップも、この場にふさわしい広がりのあるものとなっている。
現在のヒップホップを代表するJAY-Zがいる一方、90年代以降のアーティストではビリー・コーガンによるTHE SMASHING PUMPKINSとコートニー・ラヴが率いるHOLEは、いずれもオルタナティブ・シーンで大活躍した後、バンドのメンバー編成は大きく変わったが依然として大きな存在感を持つという共通点がある。さらに80年代以降ではGUNS N' ROSES、VELVET REVOLVERなどのギタリストとして知られ、ソロで登場するSLASH、プログレッシブ・メタルというジャンルを生み出したDREAM THEATERなど、サウンド的な個性も実に豊か。そしてこうした豪華な顔ぶれの中で、今年60才となったブラック・ミュージック界の大御所STEVIE WONDERと70年代初期から日本のロック・シーンを切り拓いてきた矢沢永吉というベテランも参戦。まさにジャンルも世代も越えた盛り上がりが期待できそうだ。(2010/06/25)