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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2012  東京国際フォーラム 5月3日[祝・木]―5月5日[祝・土]

 

LFJクラシックソムリエ・オヤマダアツシのトクオシ公演

LFJクラシックソムリエ・オヤマダアツシのトクオシ公演

公演番号116】 5月3日[木・祝] 22:00-22:45 ホールA

  • [曲目]
  • グリンカ:「ルスランとリュドミラ」序曲
    チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第2番 ト長調 op.44


ボリス・ベレゾフスキー
(c)David Crookes-Warner Classics

超絶技巧を識る

チャイコフスキーのピアノ協奏曲といえば、コンサートやCDで聴けるのはほとんどが第1番。
第2番と第3番の演奏機会は悲しいくらいに少ないのだが、作品に惚れ込んで取り上げるピアニストもいる。ベレゾフスキーもそのうちの一人であり、ハイカロリーな演奏テクニックが必要なこの作品にスポットライトを当ててくれた。
第1番のような華やかさはないものの、チャイコフスキーらしい民族的なテーマで始まる第1楽章や、第2楽章におけるソロ・ヴァイオリンおよびソロ・チェロとのトリオ演奏、感情が爆発するような第3楽章と、聴きどころは満載なのだ。ブリリアントなピアノには、目と耳がくぎ付けになること間違いなし。
グリンカのオペラ『ルスランとリュドミラ』の序曲は、ロシア音楽という枠にとらわれる必要のない有名曲。夜遅くのコンサートだが、気分をシャキッとさせてくれる元気な1曲だ。

公演番号122】 5月3日[木・祝] 12:30-13:30 ホールB7

  • [曲目]
  • チャイコフスキー(クリモフ編):交響曲 変ホ長調
    シュニトケ:ピアノと弦楽のための協奏曲 op.136


プラメナ・マンゴーヴァ
(c)Xavier Antoinet

未完の大作の復元

チャイコフスキーの交響曲は番号付きの作品が6曲と、交響詩のような『マンフレッド』という作品のみ。ところがこのほかにも、晩年に「人生をテーマにした交響曲」を手掛けながら挫折したという作品があり、これまでにも残された楽譜と記録から再現されたことがあった(交響曲第7番など)。
ロシアの作曲家クリモフが21世紀になって復元を試みたという交響曲変ホ長調も、そうしたプロジェクトのひとつ。
日本では人気指揮者の西本智実が取り上げ、交響曲『ジーズニ』というタイトルで演奏した話題作である。もちろん、通常のコンサートで演奏される機会は極めて少ないので、チャイコフスキー・ファンは必聴だ。
1979年(ソヴィエト時代)に作曲されたシュニトケの協奏曲は、ショスタコーヴィチの厳しさと激しさを抽出して結晶化したような作品。LFJファンにはおなじみのピアニスト、マンゴーヴァの壮絶な名演が期待できる。

公演番号181】 5月3日[木・祝] 10:30-11:15 よみうりホール

  • [曲目]
  • ボロディン:ノットゥルノ(弦楽四重奏曲第2番 ニ長調 より緩徐楽章)
    ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 op.57

珠玉の室内楽

ショスタコーヴィチの室内楽って、なんだかシブそうだな……と思った方。1940年の夏に作曲されたピアノ五重奏曲を聴けば、そうした先入観は吹き飛ぶことだろう。
まるでチャイコフスキーのようなロマンを発散する第1楽章は「これが本当にショスタコーヴィチ?」と思ってしまうほどだ。しかし第2楽章の「フーガ」以降は徐々に“シブさ”や緊張感も増して、最後には「なるほど、ショスタコーヴィチだ」と納得してしまう。全5楽章で演奏時間は約30分という力作を、ラルームとモディリアーニ弦楽四重奏団の演奏で。コンサートの最初に演奏されるボロディンの弦楽四重奏曲『ノットゥルノ』は「これぞロシア・ロマン派!」と声をかけたくなるほど、メロディに酔える音楽。ボロディンが妻のために書き上げた愛の曲だ。チャイコフスキーの『アンダンテ・カンタービレ』と並ぶ、ロシアの名旋律。初めてこの曲を聴く方が、コンサート後にCDを買い求めること間違いなし。


  • モディリアーニ弦楽四重奏団
    (c)Carole Bellaiche

  • アダム・ラルーム
    Carole Bellaiche(c)Mirare

公演番号211】 5月4日[金・祝] 10:00-10:45 ホールA

  • [曲目]
  • プロコフィエフ:交響的物語「ピーターと狼」op.67(映像付き)

映像と音のコラボ

少年ピーターが、仲間の小鳥やハンターたちの助けを借りて、悪い狼をやっつけるという有名な物語『ピーターと狼』。
フルートやオーボエ、ティンパニなどオーケストラの楽器を知るためのよき教材でもあり、多くの人が知る名作だ。「シネ・コンセール(映像付きコンサート)」と題された今回は、LFJナントでも大きな話題を呼んだアニメーション付きのスペシャル企画。
スージー・テンプルトン監督によるこの映像は、2008年のアカデミー賞短編アニメーション部門でオスカーを獲得した話題作であり、ちょっと個性的な人形アニメのテイストが印象的だ。ナントで観た人の情報によると「明るくて元気なピーターというより、ちょっと大人の雰囲気をもった映像で、作品観が大きく変わった」とのこと。
ファミリーにはもちろんおすすめだが、「子供向けの曲でしょう?」と思っている方も、あらためてチェックして欲しいコンサートだ。


  • ドミトリー・リス

  • ウラル・フィルハーモニー管弦楽団
    (c)DR

公演番号213】 5月4日[金・祝] 15:15-16:00 ホールA

  • [曲目]
  • リャードフ:キキモラ―民話 op.63
    スクリャービン:交響曲第5番「プロメテウス―火の詩」 op.60(照明演出付き)

光と音の競演

LFJナントでも大きな話題を呼んだ“色が投影されるコンサート”は、スクリャービンの異色作を演奏するこの回。交響曲第5番『プロメテウス―火の詩』は、ギリシャ神話において人類に火を与えたとされる神、プロメテウスをテーマにした作品だ。その編成はピアノを含む大オーケストラと合唱。楽譜上には、ピアノを演奏するとさまざまな光が投影されるような指示があり、今回はそれを再現するのだ。
作曲者のスクリャービンは共感覚(音が色になって見える能力)の持ち主だったと伝えられるが、それを追体験できる貴重な時間になるだろう。
スクリャービンを得意とするコロベイニコフ(スクリャービン国際コンクール優勝者)が、このマジカルな作品にチャレンジする。『キキモラ』という暗号のような題名が付いたリャードフのオーケストラ作品は、魔法使いに育てられている不気味な妖怪キキモラをテーマにした作品。音楽によるミステリアスな民話であり、オーケストラがうなり声をあげそうな音楽だ。


  • ドミトリー・リス

  • ウラル・フィルハーモニー管弦楽団
    (c)DR

  • アンドレイ・コロベイニコフ
    (c)Carole Bellaiche

  • カペラ・サンクトペテルブルク
    (c)DR

公演番号216】 5月4日[金・祝] 22:00-22:45 ホールA

  • [曲目]
  • チャイコフスキー:バレエ組曲「白鳥の湖」 op.20a より
    情景、ワルツ、白鳥の踊り、情景
    プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 op.16

春の夜を愉しむ

数多いチャイコフスキーの代表作で、もっともファミリーのお客様におすすめできるのがバレエ音楽『白鳥の湖』。このコンサートではその中から、哀愁たっぷりのオーボエが響く「情景」や優雅で上品な「ワルツ」ほか、多くの人が知る曲を選んで演奏する。
プロコフィエフのピアノ協奏曲第2番は、ちょっと「大人向け」で刺激のある作品だ。ミステリアスな第1楽章に始まり、スポーティな第2楽章、巨人が行進しているような音楽で始まる第3楽章、そして若きプロコフィエフが新時代へと挑戦状を叩きつけているような第4楽章。完成・初演は、ストラヴィンスキーの『春の祭典』と同じ1913年。プロコフィエフのピアノ・ソナタや協奏曲を録音しているダンディなエル=バシャ(プロコフィエフの初期作品の録音により、プロコフィエフ未亡人からシャルル・クロ・アカデミー大賞を手渡されたこともある“プロコフィエフのスペシャリスト”)、ヴァイオリニストとして多くの名演を残してきたカントロフ、そしてLFJファンにはおなじみのシンフォニア・ヴァルソヴィアによる、パワフル&ロマンティックなコンサートだ。


  • アブデル・ラーマン・エル=バシャ
    (c)Carole Bellaiche

  • ジャン=ジャック・カントロフ

  • シンフォニア・ヴァルソヴィア
    (c)Andrzej Swietlik

公演番号227】 5月4日[金・祝] 21:45-22:30 ホールB7

  • [曲目]
  • アレンスキー:ピアノ五重奏曲 ニ長調 op.51
    シュニトケ:ピアノ五重奏曲 op.108

ソリスト五人の響演

ロシア音楽、特に室内楽曲には「どうして今までこれを知らなかったのだろう」と思える名作が多い。リムスキー=コルサコフやチャイコフスキーの影響を受け、後にはラフマニノフの師となったアントン・アレンスキーの作品も、きっと多くの方が好きになる音楽だ。
ピアノ五重奏曲は、第1楽章冒頭の濃厚系ロマンティックなテーマを聴いただけで、グッと引き込まれてしまう個性的な作品。
どこかシューマンやブラームスの抒情を思わせる作風は、きっとファンを増やすに違いない。一方のシュニトケ作品は、ひとつひとつの音やフレーズに深い意味が込められているような、静かで瞑想的な作品。1970年代に作曲されたこの曲は、亡くなった彼の母に送るレクイエムでもある。夜の遅い時間、ホールの中にも忍び寄る神秘的な空気に音楽が反応し、聴き手の心に炎を灯すだろう。 ベレゾフスキーを中心としたアンサンブルが、揺るぎない演奏を聴かせてくれるはずだ。


  • ボリス・ベレゾフスキー
    (c)David Crookes-Warner Classics

  • スヴャトスラフ・モロズ

  • ミシェル・グートマン

  • エリーナ・パク

  • アンリ・ドマルケット
    (c)Jean-Philippe Raibaud

公演番号284】 5月4日[木・祝] 18:15-19:00 よみうりホール

  • [曲目]
  • メルカー:パヴァーヌ「ゴドゥノフ」
    ダウランド:デンマーク王のガイヤール
    ダウランド:帰って来てもう一度 他


マリア・ケオハネ

ムソルグスキーのオペラでおなじみになったロシアのツァーリ(君主)、ボリス・ゴドゥノフ。在位は1598年から1605年という短期間であり、残念ながら名君とは呼べない政治手腕だったが、エリザベス1世が統治するイングランドと友好関係を結んでいる。それゆえ、ボリスの宮廷にイングランドからの使節団がやって来て、当時のヒット・ソングやダンス・ミュージックなどを披露した。次々と歌われ、演奏されたと思われる音楽は、同時代の名作曲家であるバードやダウランドの作品、そしてシェイクスピア劇の中で歌われたと考えられている流行歌などだ。
今回のラ・フォル・ジュルネでは、ボリス・ゴドゥノフの宮廷における楽しい宴を再現。LFJではおなじみの古楽グループであるリチェルカール・コンサートが、洒落た小品を次々と聞かせてくれる。「ロシア音楽がテーマだから聴くものがないかも」と思っている古楽好きの方は、ぜひこのコンサートを!

公演番号314】 5月5日[土・祝] 16:30-17:15 ホールA

  • [曲目]
  • ラフマニノフ:晩祷 op.37より 第1番、第6番、第12番
    ラフマニノフ:詩曲「鐘」op.35

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン(東京)のプログラミングを開始した時、ロシア音楽の真髄を伝えるために最適な作品として最初に頭に浮かんだのが、ラフマニノフの「鐘」でした。ソリスト、合唱、オーケストラのために書かれたこの作品は、ロシアの魂を最も強烈に内包している作品です。ロシアの人々は、ロシア正教の教会の鐘の音を日々耳にしてきました。ラフマニノフ自身も、幼い頃に日常的に聴いていた鐘の音の記憶から、この作品を書いています。「鐘」に先立ち、美の境地ともいえる「晩祷」の抜粋もお聴きいただけます。


  • ヤーナ・イヴァニロヴァ

  • スタニスラフ・レオンティエフ

  • パヴェル・バランスキー

  • カペラ・サンクトペテルブルク
    (c)DR

  • ドミトリー・リス

  • ウラル・フィルハーモニー管弦楽団
    (c)DR

◆プログラムはやむを得ぬ事情により変更になる場合があります。
◆公演チケットを購入される際には最新の公演プログラム情報を音楽祭公式HPにて必ずご確認下さい。

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※プログラムは、4月20日の更新情報です。

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