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三枝成彰作曲、島田雅彦脚本・演出で1997年に初演され、大反響を巻き起こしたオペラ「忠臣蔵」。赤穂浪士の討入を題材に「ふた組の男女の対照的で美しい悲恋」を描き、美しいメロディや壮大な音楽が鳴り響く傑作として高く評価されている。

4回目の再演となる今回は、スポーツライター・音楽評論家の玉木正之による全2幕・上演約2時間(初演は全3幕・上演3時間強)の改訂版を上演する。オリジナル版の中でも特に情緒あふれる第2幕、第3幕を中心に再構成され、作品の本質がより一層凝縮された。
今回もキャストには綾衣役の佐藤しのぶ、橋本平左衛門役の佐野成宏、お艶役の塩田美奈子、岡野金右衛門役の樋口達哉ほか、日本オペラ界のトップ歌手が集結。また、指揮は初演以降、全公演で振っている大友直人が担当。作品の細部まで知り尽くしたマエストロと充実のキャスト陣が贈る本作に期待が集まるところだ。


オペラ作曲をライフワークの中心とする作曲家・三枝成彰自ら「最も好きな作品」と語るオペラ『忠臣蔵 外伝』。ぜひこの機会に和製グランドオペラの真髄を体感しよう。

公演・チケット情報
三枝成彰 オペラ「忠臣蔵」 外伝

【公演日時】
2010年2月19日(金) 18:30開場/19:00開演
2010年2月20日(土) 15:30開場/16:00開演
2010年2月21日(日) 13:30開場/14:00開演

【会場】
オーチャードホール


【席種・料金】
SS席-25000円 S席-20000円
A席-15000円 B席-10000円 C席-8000円 D席-5000円


台本・演出:島田雅彦
作曲:三枝成彰
構成:玉木正之
美術監督:日比野克彦


指揮:大友直人
管弦楽:東京交響楽団


★キャスト★
綾衣:佐藤しのぶ
橋本平左衛門:佐野成宏
お艶:塩田美奈子
岡野金右衛門:樋口達哉
大石内蔵助/神崎与五郎:福島明也
幇間:松浦健 …他
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【第一幕】

序曲
「あの男たちの話をしてくれ、語り部よ。いくたびも死に、いくたびも生き返るあの侍たちを弔うために」と現代の語り部たちが元禄の事件を語る。


第一場
元禄15年(1702年)春。京の遊郭。
内蔵助は綾衣の酌で酩酊気味だ。芸者衆と幇間が戯れ歌「極楽とんぼを追いかけて」「花を愛する侍は」を歌うなか、内蔵助は芸者たちに抱きついて、浮かれ続け、通りがかりの薩摩藩士に、あざけり笑われるようなありさまだ。討入の約束を忘れたかのような内蔵助を諌めようと、橋本平左衛門が現われるが、あまりの放蕩ぶりを目のあたりにして「裏切り者」と刀を抜く。内蔵助は、橋本をなだめつつ、真顔に戻って小声で「焦るな。いずれその時はくる」とささやくのだった。


第二場
元禄15年(1702年)晩夏。江戸下町の長屋。
花火見物の賑わいのなか、岡野はお艶を探している。その後には、同じく赤穂の浪人、神崎与五郎の姿がある。岡野は米屋の九十郎に身をやつし、吉良邸を作った大工の棟梁の娘、お艶と会う。人混みから離れて腰をかけて、まずお艶がアリア「この女はあんた一人のもの」で岡野へのせつない恋心を歌う。岡野は、アリア「優しい憧れの住み処」で束の間となるであろうこの恋の運命を予感しながら、お艶へのいつくしみを歌う。そして二人の二重唱「何の気まぐれか」で、夜空を焦がす花火のようにお艶の想いは燃え上がり、岡野はやがて来る討入りによって、二人の恋が悲しい結末に終わるだろうことを思うのだった。


第三場
ちょうど同じ頃、廓の中の遊女、綾衣の部屋。
部屋の中では廓の女主人と神埼のやりとりがもれ聞こえてくる。
情を交わしたばかりの橋本と綾衣はけだるげに、身を横たえている。いつしか花火も終わり、夜も更けてしまった。綾衣と橋本は、元禄の世を浮草のように生きる男一人、遊女の宿命を二重唱とアリア「この国の春はとこしえか」で歌う。さらに、橋本は討入りをいつかは果たさねばならないこの身と、遊女の身の上を重ね合わせて、アリア「金で買われたうぐいす」を歌うのだった。


第四場
元禄15年(1702年)初秋。江戸下町にある岡野の仮住まいの長屋。
お艶は夕食の準備をしている。神崎は岡野に早く吉良邸の絵図面を手に入れるようにせかしている。岡野はお艶の一途な思いに応えてやりたいと思うものの、亡き殿への忠義の板挟みとなっている。「こいつはあんたと夫婦になるつもりだ」という神崎の言葉に喜ぶお艶。しかし岡野は「所帯を持って暮らすのは雪が降るまで待ってくれ」と頼む。何か隠しごとがある、と思うお艶は、岡野の心を確かめるように、アリア「あんたの言葉に心は揺れる」を歌い、岡野が米屋でも侍でも、変わることなく岡野を愛する、女心を歌う。「雪が降ったら、あの人は私のもの」と喜ぶお艶の後ろ姿を見送りながら、岡野は「雪の降る頃には黄泉の国から迎えがやってくる」とひとりでつぶやくのだった。
【第二幕】

第一場
同じ頃、廓の綾衣の部屋。
橋本は思い詰めた顔で、綾衣の前に座り、刀を売った金を差し出す。橋本が討入りのため、別れを言いに来たことを悟った綾衣は、この世でだめならせめてあの世で橋本と結ばれたい、と泣く。「心中と討入りは相容れぬ」と、橋本は、アリア「あの世でおまえを夢に見る」を歌う。


第二場
元禄15年(1702年)12月14日、夜。
一面の雪景色の両国橋。岡野の下宿から出てきた岡野とお艶。寄り合いに出かけるという岡野を見送るお艶。「秋に交わした約束を覚えている?」とのお艶の言葉に、岡野は「あしたの朝には何もかも打ち明けよう」という。お艶も「あたしも打ち明けたいことがあるの」と、岡野とお艶は二重唱「約束」を歌い、岡野は笑顔のまま、涙をこぼしながら去る。


第三場
「この世で見る夢はもうたくさん」と綾衣はアリアを歌い、あの世で一緒に夢を見たい、と橋本にすがりつく。さらに綾衣は橋本の脇差を抜き取り、アリア「わたしを殺して」と歌う。
「わたしを捨てる気なら、仇討を街中にふれ回ってやる」との綾衣の言葉に、橋本は顔色を変える。「後生だから、武士の情けがあるなら、殺して」となおも言う綾衣。橋本が綾衣を刺し、息絶えようとする綾衣に「綾衣!綾衣!」と叫ぶ。橋本は自らの喉を掻き切り自ら命を絶ち、綾衣の上に倒れこむ。


 

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