
対戦格闘ゲームイベントの最高峰、それが「闘劇 -SUPER BATTLE OPERA-」!
全国各地のゲームセンターで行われる地区予選には25,000人もの選手が参加。最終決戦となる決勝大会には6,000人以上もの対戦格闘ゲームファンが足を運ぶ、まさに"世界最大級の対戦格闘ゲーム大会"である。日ごろの勝率だけでなく、相手選手が使うキャラクターとの相性、技と技の駆け引き、趣味趣向・地方や地域の確執など、挙げればキリがないほどのストーリーに裏打ちされた演武空間……選手だけでなく観客をも魅了し、感動と興奮を共有できる、それが「闘劇」なのだ。
さらに、米国西部・東部・中南部、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア、韓国、北京・上海、台湾、香港など、数多くの国々からプレイヤーが参戦! まさに"世界最強決定戦"と言える大会だ。
このコラムでは、ゲームファンのみならず、サッカーや格闘技と同じような盛り上がりで楽しめる「闘劇」を見るためのポイントを、4回にわたってお送りしていく。
第4回 新たな結びつきを得る場となる「闘劇」はゲームファンの祭典!
日本最大最高峰の対戦格闘ゲーム大会、「闘劇 -SUPER BATTLE OPERA-」は店舗予選から決勝大会までトーナメント形式で行われ、敗者復活戦など一切ない一発勝負。選手たちは持てる力のすべてを出し切って“真剣勝負”をくり広げ、それを見る観客たちは応援に熱が入る。その熱狂や興奮により、ほぼすべての試合が筋書きのない、ドラマチックな展開となる。だからこそ、選手と観客とのあいだに“一体感”が生まれ、本物のサッカーや格闘技イベント以上の盛り上がりを生み出している。
まさに“演武空間”と呼ぶに相応しい「闘劇」だが、ただ選手として試合に参加し、観客として見るだけの対戦格闘ゲーム大会ではない。そこで、コラム最終回では「闘劇」から始まる新たな"コミュニケーション"について語っていきたい。
決勝大会の会場には大会種目と同じゲームで対戦が可能なプレイゾーン(通称:野試合台)が設置されており、決勝大会に参加する有名選手や、全国各地から集まった対戦格闘ゲームファンとの交流試合が楽しめる。また、同会場では「闘劇」オフィシャルグッズの販売はもちろん、ゲームメーカーによるブース出展が行われ、ゲームファンを魅了する最新ゲームが展示されている。闘劇'08で、協賛メーカーのひとつだったアークシステムワークスの場合、会場内に同社ブースが設けられ、稼働前の最新タイトル『ブレイブルー』の体験コーナーを出展している。さらに、『ギルティギア イグゼクス アクセントコア プラス』のPSP版を使った通信対戦キャンペーンの実施や、同社のソフト持参者に対し"特製ギルティギア ストラップ"のプレゼントが行われ、熱戦を見るだけでなく、最新タイトルに触れるという楽しみかたができる。
たびたびこのコラムで紹介してきたが、対戦型のビデオゲームを使い、反射神経やテクニック、瞬間的な判断力や戦略など、タイトルやジャンルごとに必要とされるプレイヤースキルを駆使して、実際のスポーツのように真剣勝負をくり広げる“eスポーツ(e-Sports/エレクトロニック スポーツ)”においても、「闘劇」と同じように協賛メーカーのブース出展やプレイエリアの設置が行われている。
世界最大規模のeスポーツイベントに“World Cyber Games(WCG/ワールドサイバーゲームズ)”がある。WCGは2008年段階で、74の国や地域から700名以上の選手が参加し、その規模の大きさからオリンピック、ワールドカップに次ぐイベントとしてギネスブックに登録されている、eスポーツの国際大会。海外イベントなので選手や観客、スタッフなど、英語でやり取りしているが、ときにはゲームを通じて(ときには身ぶり手ぶりを交えながら)コミュニケーションを取り合うことも多い。試合での熱狂や興奮を共感するだけでなく、プレイエリアなどが設置されていることも、ゲームを通じたコミュニティー形成の一助となっているわけだ。言葉が通じずとも、彼らがいかにそのゲームに精通し、情熱を持って心からゲームを楽しんでいることが伝わってくるし、その熱狂や興奮を共感することで、言語、文化、人種の壁を超えたコミュニティーが形成できるといえるだろう。
「闘劇」においても、見ず知らずのゲームファンのあいだで新たなコミュニティーが生まれ、ひとつのゲームを通じて友だちになれる。これも「闘劇」の魅力のひとつであり、大会の結果よりも大きな結びつきを得るゲームファンも数多く存在するのだ。
最後に、「闘劇」の根幹をなすものであり、日本が世界に誇る“対戦格闘ゲーム”について説明しておきたい。対戦格闘ゲームは“格闘技をモチーフにした対戦型ゲーム”のことで、昨今の対戦格闘ゲームのひな型となっているのが、1991年にカプコンが制作・販売した『ストリートファイターII』だ。
当時、ゲームの競い合いは、シューティングゲームやアクションゲームのスコアが主流だった。しかし、『ストリートファイターII』の誕生以降、対戦の勝敗という、競い合いのもうひとつの軸を生み出した。『ストリートファイターII』には個性豊かな8人のキャラクターが登場。レバーとボタンを組み合わせて出す波動拳、昇龍拳といった必殺技や、タイミングよく攻撃をつなぎ合わせる連続技を駆使して、相手の体力ゲージをゼロにすれば勝利という、対戦格闘ゲームにおけるシステムやルールを確立した。そして、翌年販売された『ストリートファイターII'(ダッシュ)』では使用キャラクターが追加され、対戦時におけるキャラクターバランスの調整や、引き分け時の完全決着システムなどが追加され、『ストリートファイターII'(ダッシュ)』は爆発的にヒットとなる。さらに、従来1台の筐体で行っていた対戦を、2台の筐体を背中合わせに設置して行う“対戦台”の普及なども後押しとなるなど、ゲームセンターで対戦プレイの環境が整い、対戦格闘ゲームブームが巻き起こったのだ。
前々回のコラムで紹介した韓国のゲーム事情でも述べたが、韓国ではPC房(バン/インターネットカフェ)の登場で、パソコンやオンラインゲームが大流行。そのムーブメントに乗る形で2000年、韓国にゲームをスポーツとして行う“eスポーツ”が登場し、プロゲーマーやプロチーム、プロリーグが誕生。いまや韓国の一大コンテンツにまで成長している。そして、日本においては90年代に巻き起こった対戦格闘ゲームブームにより、韓国と同じような環境を構築。さまざまなプレイヤーが集まったことで必然的に競技レベルが向上し、対戦格闘ゲームは日本が世界に誇れるものとなったのだ。
その実例として、2008年にドイツ・ケルンで行われたWCG 2008の『バーチャファイター5 Live Arena』部門に、「闘劇」での優勝経験を持つ板橋ザンギエフ選手が参加。グループ予選から決勝トーナメントまで、一貫して安定した強さを見せつけ、見事優勝している。さらに、2009年7月にアメリカ・ラスベガスで行われた“Evolution 2009”の『ストリートファイターIV』部門に出場し、優勝した梅原大吾選手は、国内外問わずさまざまな対戦格闘ゲーム大会で優勝し、その名を世界に轟かせている。
1990年に巻き起こった対戦格闘ゲームブームはひとまずの終息を迎えてはいるものの、現在においてもあらゆる世界大会で日本人選手が好成績を収めているジャンルであり、日本が世界に誇れるものと言えるまでに成長しているのだ。
そして、対戦格闘ゲームの強者が揃う日本において、最大最高峰のイベントと称される「闘劇」だからこそ、日本はもちろん、海外からの招待選手が多数参加。優勝を目指し、真剣勝負をくり広げる選手たち、それを見届けんとする観客が集まり、熱気と興奮を感じたいからこそ「闘劇」には対戦格闘ゲームファンだけでなく、ゲームファンが集まる"祭典"となっている。そして、「闘劇」を通じて新たなコミュニティーが生まれていくのだ。
これまで4回にわたってお届けしたコラムだが、皆さまに「闘劇」の魅力は伝わっただろうか? 日本が世界に誇れる最先端のeスポーツイベント、「闘劇」。熱気と興奮、会場の一体感など、ライブだからこそ味わえるものが、ここにはある。8月14日、15日、16日の3日間は、「闘劇」という演武空間を演出するキャストのひとりとして、このゲームファンの祭典を堪能してもらえればと思う。
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▲有名選手のプレイをひと目見るため、またあるいは一戦交えるため、プレイエリアには数多くのゲームファンが集まり、人が途絶えることがない。 |
▲ロビーには協賛メーカーのブースが出展され、最新タイトルが設置されていることも。試合を見るだけでなく最新作に触れるのも、「闘劇」の楽しみかたのひとつである。 |
プロフィール

小里浩一 Kozato Kouichi
1973年埼玉県出身。株式会社エンターブレインに所属。ゲーム総合誌『週刊ファミ通』の編集者として同編集部に8年間在籍。その後、「アジア室内競技大会でゲームがeスポーツとして種目採用」というニュースを知り、日本での"eスポーツ"の可能性を探るべく活動中。また、日本eスポーツ協会設立準備委員会(JESPA)のメンバーでもある。