シルク・ドゥ・ソレイユの日本初となるレジデントショー『ZED(ゼッド)』。映画監督、脚本家として知られるフランソワ・ジラール映画監督、脚本家と知られるフランソワ・ジラール作・演出により完成した本作は、シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京でしか見ることのできないオリジナル作品だ。
会場となるシルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京は、ゼッドのためだけに作られた専用シアターで、場内は広く開放的。入口をくぐった瞬間にゼッドの世界を感じさせてくれる。
客席内に一歩踏み入れると、まず舞台の壮大さに驚く。白い布で覆われた舞台を目の前に席へ着くと、この巨大なステージでどんなパフォーマンスが繰り広げられるのかという期待で、自然と胸が高まってくる。
彼らのショーでなくてはならない存在といえば、非現実の空間と観客をつないでくれるクラウンだろう。ふたりのクラウンは開演数分前にのらりくらりと現れ、おもむろに客をいじり始める。緊張感が漂っていた場内からは次第に笑みがこぼれはじめ、彼らのユニークな掛け合いに目を奪われているうちに、いつの間にかショーはスタートしている。舞台全体を覆った布が取り払われ、ステージがその姿を現す。それとともに、胸の奥にまで鳴り響く重厚な音楽に鼓動が高くなり、ゼッドの世界へと一気に引きずり込まれる。

クラウンのおどけたパフォーマンスがショーへ誘う
ゼッドの世界は、今までのシルク作品の中でも、より幻想的で叙情的な雰囲気。登場するキャラクターもさることながら、ミュージシャンが奏でる音楽、情熱的に歌い上げ、時には透明感あふれる美声で感情を揺さぶるシンガーたち、すべてが融合した美しい世界だ。
命が吹き込まれているのではないかと疑ってしまうほど、見たこともないパフォーマンスに思わず声を上げてしまう"バトン"。アーティストのしなやかな動きと一体となってバトンが躍動するシーンは感動モノだ。ほかにも、ギリギリの挑戦に一瞬たりとも目が離せない“ハイワイヤー”など、すべてのアクトがあっという間の出来事のように感じてしまうほど、芸術と言わんばかりの美しい世界にのめり込んでしまう。クライマックスの"シャリバリ"では、アーティストらが総登場し、感動のフィナーレへと向かう。出演者と観客にさらなる一体感が生まれ、会場内の空気はひとつに。いつまでも鳴り止まない歓声と拍手の嵐、スタンディングオベーション、最高潮に達したステージはここで幕を閉じる。

壮大な世界が圧巻の“シャリバリ”
芸術性が高く壮大な舞台装置、胸に響きわたり感情をかきたてる音楽、アーティストが魅せる人間の肉体の美しさ、どれをとっても完成度が高く、常設劇場でしか成しえない最高レベルのショーであることは間違いない。見る位置によって作品自体の印象も変わるなど、隅々まで工夫がなされており、何度も見たくなってしまう演出もニクい。また、併設されるショップではシアターでしか手に入れることのできないアイテムが並ぶほか、フード&ドリンクバーではスイーツはもちろん、チーズやワインなども購入できる。ワインを片手に、非日常の空間をセレブ気分で優雅に味わうのもオススメ。ここでしか感じることのできないエンタテインメントショーを味わって欲しい。

併設のショップではオリジナルグッズが購入できる





