チケットのことならチケットぴあチケットぴあ

「人々の可能性を広げるという企業理念をラグビー活動でも展開し、社会に貢献していきたい」

マイクロソフト株式会社 広報部 部長 岡部 一志

ラグビーに携わる企業の想いを伝える企画として、今回スタートする『JAPANラグビーを支える企業』。記念すべき第1回目に登場していただく企業は、グローバルな事業展開をみせるマイクロソフト株式会社。

トップリーグのプレーオフトーナメント『マイクロソフトカップ』の特別協賛企業として2003年シーズンからラグビー界を牽引しているマイクロソフトだが、世界規模のIT企業がなぜスポーツを、さらにその中でもなぜラグビーを支援活動するのか。そこにはラグビーを通じての社会貢献できる人材教育、リーダーシップを持った人材を育成するという企業理念と重なる部分があるという。

マイクロソフト株式会社 広報部 部長/岡部 一志

――社会貢献、スポーツ支援を中心に、マイクロソフト社の企業理念からお話しいただけますか?

「実を言いますと、企業活動としての広報宣伝や販促、さらには社会貢献という意味を含めても、スポーツを支援しようという明確な方針があるわけではなく、むしろある時期までは“やらない”という傾向が強かった会社なんです。
 もちろん、MSNというインターネットポータルサービス事業では提供するコンテンツのひとつとしてスポーツにも関わってきていますし、ゲーム事業を始めてからはスポーツもゲームタイトルの重要なコンテンツではあります。おそらく全世界的に見ても日本の中でも、企業規模の割には会社としてスポーツとの関わりをあまり持ってない企業だったと思います。
 ですから、5年前マイクロソフトカップを始めたときは、ラグビーという前に“何でスポーツの協賛をやるの?”というのが正直、社内的にもありましたね。当時から、一部他国の子会社で、地元の地域や顧客からの依頼で一部の大会を協賛しているとか稀なケースもありましたが、その国のナンバー1を決めるリーグ戦ですとか、トーナメントの大会を全面的に支援させていただく、冠スポンサーを務めるというのは今までに例のないことでした」

――その企業が、日本でスポーツを支援されるようになったのは?

「マイクロソフトという会社は、ご存じのようにITの中でもソフトウェアの会社ですので、それを通じて世界中の人々、あるいは企業の可能性を広げていくお手伝いになることを企業活動としてドンドンやっていこうという企業理念をグローバルに持っています。ITの活用を通じて社会に貢献していく。言い換えれば、IT活用術やITが使える環境を広げていくことによって、地域ですとか人材、産業、もしくは事業そのものが拡大していくお手伝いをさせていただくという考えが基本です。その考え方に沿った、ラグビー支援ということを目指しています。最初は“本社からの意向ですか?”とあちこちで聞かれましたが、完全に日本で始めたことです」

――ラグビーとの出会いは?

「トップリーグができて、日本のラグビー界全体の再挑戦が始まるという時期にお声がけをいただきました。ラグビーを日本中の人々に愛されるスポーツにしていきたい。ラグビーを通じて人材の育成を図るとともに、企業スポーツですから産業の振興につなげていきたいというラグビー協会様のお考えと、我々の考えに合い通じるものがあり、それでは一緒にチャレンジしてみようということで、2003年のシーズンから協賛させていただいております」

――ラグビーを選ばれた理由は?

「当時も、“なぜプロ野球じゃないの? なぜJリーグじゃないの?”とよく言われました。でも、我々としては販促活動といいますか、社名やブランド認知度を上げたいという考えはありませんでした。ありがたいことに“マイクロソフト”という名前そのものは、提供製品を非常に幅広いユーザー様に使っていただいているおかげで既に知られていたので、社名の認知度を上げるというよりは社名から感じるイメージを向上させたいという方が強かったんです。当時のいろいろな企業イメージ調査など見ると企業規模の割には、“横柄である”“自社の事業中心的な考えた方をする企業である”とか、“社会への貢献が少ない”とか言われていましたので。」

――タイミングもよかったということですか?

「そうですね。先程説明した企業理念が2001年に作られて、企業全体で、通常の営業活動、マーケティング活動の枠を超えて、社会への貢献や新しい企業市民活動にチャレンジしようと様々なことを検討していた時期でしたから。もしもトップリーグに歴史があり、その時点でどちらかの企業様が長年協賛されていたところ、その協賛をやめられるので、マイクロソフトに引き受けてくれないか、というような依頼でしたら、お断りしていたかもしれません。ラグビー界とマイクロソフトの企業理念の相通じる部分があったのが良かったと思います。」

――ラグビーを支援されるようになって、企業として得たことは?

「トップリーグに参加されている、もしくは目指してラグビー部の活動を行っている企業様というのは、マイクロソフトのビジネスパートナー様であったり大手のお客様になる企業様が多いんですね。各社様とも経営陣がラグビー部の活動に深く係わって、企業として長年ラグビーの活動を支えている。マイクロソフトとは大きく違った日本ならではの組織体系ですとか、企業スポーツのあり方ですよね。弊社が協会と契約した2002年当時は、社長も日本人でしたが、その後外国人の社長になって、当初は日本の企業スポーツの文化については当然知識がなかったのですが、社長就任の各社様へ挨拶まわりやエグゼクティブリレーション活動などを通して、従来からのビジネスリレーションに加えて、ラグビーを支援する企業としても関係が深まりました。社長や役員が大会を観戦したり、懇親会などにも出席させていただいて、エグゼクティブ同志の交流は深まっています。人と人とのつながり、特に幹部同士のつながりというのは、トップリーグのような企業スポーツ活動をベースとしたラグビーが持っている魅力と言えるでしょう。ラグビーへの協賛活動を通して、我々が当初期待していなかったり、知り得なかった可能性があるんじゃないか、そういったことを多く体感させていただいています」

――そのほかには?

「昨年度のマイクロソフトカップ決勝戦、秩父宮ラグビー場が満員になりましたよね。ゲームの質も上がったし、マスコミの露出も格段に増えましたが、スポンサーサイドから見ると、この4年間企業活動としてやってきたことは正しかったと思っています。従来からの企業活動以外の内容で社名が露出されるようになりましたし、アンケートなどさせていただくと“マイクロソフトに対するイメージが変わった”という回答もいただくようになりました。今までの企業活動を通して得られるのとは違った種類のコメントですが、それが会社の財産になっていると思います」

――社内的にはいかかでしょうか?

「会社が大きくなると、何事も事業部単位で考えるようになっていきますが、ラグビーへの支援についてはいわゆる社内横断的な活動なんです。事業部名ではなく、“マイクロソフト”という社名で、企業全体で協賛、支援しているので、社内での一体感が生まれました。大会期間中、“奥・井ノ上イラク子ども基金”の募金活動をさせていただいていますが、あれは社員のボランティア活動なんです。金額の問題ではありませんが、募金額も年々上がっています。それと、ラグビーというのは根強いファンのいるスポーツだと改めて思いました。社内を見回してもラグビーファンというのは結構いますし、もちろんパートナー様やお客様の間でも。ですから、営業からも好評です」

――これからの取り組み、予定されていることは?

「企業理念に基づいた企業市民活動のなかで、マイクロソフトは“人材育成、教育”を大切なキーワードと考えています。日本の教育市場というのは、アメリカやイギリス、フランス、ドイツなどの先進国はもちろん、発展途上国と比べてもITの浸透・活用度が低いという調査結果があります。そのために、弊社は教育現場のIT化を進めようと数年前から投資し、様々なパートナー様と連携して人材育成に力を入れてきました。それもまた、ラグビー協会様が、単に強い選手を養成するだけでなく、ラグビーを通じて社会に貢献できる人材、リーダーシップを持った人材を育成するという理念ともマッチしているんですね。トップリーグの初年度から、弊社ではチームと協力してトップリーグの試合前に小学生のラグビー教室を開いてきました。そして、昨年からは新たなチャレンジとしてワンランクアップさせ、小学生のマイクロソフトカップの協賛もすることにしました。もともと各地域のラグビー協会様主導で、中学生以上を対象とした大会は活発に開催されていましたが、小学生については地域を代表しての全国大会のようなものがありませんでした。今までなかった小学生大会を実施することで、小学生の中でも高い目標を持って活動できるのではないか、人材育成につながるのではないか、と協会様にご提案させていただいたというわけです。」

――最後に、日本のラグビー界、選手、ファンの方々へ熱きメッセージをお願いします。

「5年前から日本のラグビーが発展するようお手伝いをさせていただいてきましたが、年々発展を遂げ、トップリーグも日本代表も強くなってきたと実感しています。願わくば、世界でもトップになっていただきたい。そうすれば、自然と人気も高まるでしょうし、協会様の理念も達成されるでしょう。マイクロソフトも、その発展に少しは貢献できたのではと考えています。そして、昨年より小学生の大会をやらせていただいてますので、ラグビー協賛活動を通じて人材の育成、地域への貢献にもさらにご協力できればと思っています。また、日本のラグビー界にはマイクロソフト以外にもITに関連した企業のチームがたくさんありますので、IT化をさらに進めることによって協会、チーム、ファン、全ての面で可能性をさらに広げていきたいと考えています。マイクロソフトの本業であるITを駆使することによって、トップリーグという日本で最高峰に立つラグビーはもっともっと面白くなるのではないでしょうか。

取材・文:宮崎俊哉(CREW)

PROFILE

1968年生まれ、愛媛県出身。1991年 慶応義塾大学卒業、横河・ヒューレット・パッカード株式会社(現 日本ヒューレット・パッカード)入社、広報室配属。1999年、マイクロソフト株式会社に転職、広報部配属。2003年の第1回マイクロソフトカップよりラグビートップリーグ協賛活動を担当。2007年度は、ラグビートップリーグ事業企画アドバイザーグループのメンバーにも参画。

マイクロソフト株式会社

URL:http://www.microsoft.com/ja/jp/default.aspx

トップリーグ開幕戦で秩父宮ラグビー場がデジタルアミューズメントスタジアムに

2007年10月26日に開催されたトップリーグ開幕戦において、マイクロソフトと株式会社 東芝によるイベントを開催。ラグビー場内にブースを設置し、監督、選手のインタビューなどここでしか見られない映像を公開したり、携帯プレイヤー「gigabeat」をお持ちの方に無線LANを通じて映像コンテンツを配信したりして、ラグビー場を「デジタルアミューズメントスタジアム」化してしまおうというもので、多くの来場者が新しいスポーツ観戦の形を体験しました。




ページトップへ