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初代アジア№1の称号を得たHSBCアジア五カ国対抗。トンガ代表から唯一の白星を挙げ、フィジー代表、サモア代表とは互角に渡り合ったが1勝4敗、5位でフィニッシュしたIRBパシフィック・ネーションズカップ2008。ジョン・カーワン体制2年目の日本代表前半戦を振り返ってもらい、ジョン・カーワン自身もNECグリーンロケッツでプレーした経験をもつトップリーグへの期待、提言を語っていただいた。


——第6回ワールドカップが終わった翌年であり、2011年ワールドカップまで3年という今シーズン、「一番大切な年だと考えています」とおっしゃっていましたが、シーズン前半を終えていかがですか?
「すごくいいですね。チームとしての成長を実感しています。100パーセント満足とはいきませんが、予想以上の成長幅できていると思います」
——HSBCアジア五カ国対抗を振り返っていただくと。
「アジア五カ国対抗では、やりたいことを試すという段階を超えて、すべての試合でやりたいことをやりたいようにやることができたという感じで、アジアNo.1の実力を見せつけることができました」
——IRBパシフィック・ネーションズカップを振り返っていただくと。
「トンガに勝つことができましたが、あと2試合、フィジーとサモアにも勝てたと思います。いいゲームでしたから」
——チームとして、今シーズン成長した点は?
「自分たちを信じてプレーできたこと。アタックでも、ディフェンスでも。それが一番ですが、チーム全体のポジション争いが激しくなったからでしょう」
——最も評価できる選手は?
「全員が成長したと感じていますが、強いて上げるならロックの北川(俊澄、トヨタ自動車ヴェルブリッツ)選手ですね。強さが備わり、攻守どの場面でも信頼を勝ち得ました。頼もしい選手です」
——バックスでは?
「小野澤(宏時、サントリーサンゴリアス)選手」
——小野澤選手はベテランですが。
「もちろん、チームを引っ張る立場の選手ですが、一段と成長してくれました。自分自身のプレーだけでなく、ほかの選手に対してよい影響を与えてくれています」
——ラグビーファンが期待している“日本人らしいラグビー”の構築は進んでいると思っていいでしょうか。
「はい。順調ですよ。HSBCアジア五カ国対抗、IRBパシフィック・ネーションズカップを通して、選手たちは自分たちが相手チームよりどこが勝っているか理解し、それをどうつかって戦ったらよいかわかり始めてきました」
——今後の課題は?
「致命的エラーをなくすこと。せっかくの勝ちゲームをそれで失ってしまいました。ただ、今のチームなら十分修正は可能だと思います。同時に、そうした重大なエラーをした場合でも、チームとしてカバーしていく術を身につけることが必要でしょう。また、ヘッドコーチである私自身の課題としては、先程お話した戦い方がわかってきた選手たちに、80分間そうした意識を切らさずに闘わせることです。ジャパンとしては、今その段階に入っています」
——前半、あるいは後半の途中まで素晴らしい戦いをしているのに、そこで切れてしまった試合がありましたね。
「その通りです。オーストラリアA代表戦は後半40分、フィジー戦も60分、ニュージーランド・マオリ戦でも40分、サモア戦なら70分、自分たちのラグビーを貫き、最高のパフォーマンスを見せてくれていたのに。どんな試合でも、悪い時間帯をなくすことです」
——9月5日(金)、いよいよトップリーグが開幕します。世界的に観て、日本のトップリーグのレベルはいかがですか。
「非常に素晴らしいと思います。全体のレベル、個々のチーム、選手。トップリーグの強さが、そのままジャパンの強化に繋がっていることは間違いありません」
——運営面については?
「世界的な企業が資金面をはじめ、あらゆる面でトップリーグを支えているというのはファンタスティックですね。今シーズンからは、同時にグラウンドに立てる外国人選手が一人増えますが、そうした新しいことにチャレンジしていくという点もいいと思います。さらに強くなって、どんどんレベルアップしていくと期待しています」
——トップリーグへの提案、改革案などお持ちでしたら。
「拮抗した試合、さらにレベルの高い試合が増えることを望んでいます。例えば、現行の14チームにより総当たり1回戦方式から、8チーム程度にしぼってホーム&アウェーによる2回戦制にするとか。とにかく、トップリーグの充実がそのままジャパンの強化に直結するわけですから」
——トップリーグで注目したい選手は?
「フォワード第1列。今のジャパンのプロップ、フッカーの選手には満足していますが、さらに選手層を厚くしたい。タイトなゲームスケジュールでもセットプレー、特にスクラムはより安定させたいので」
——改めて、お聞きします。ご自身がNECグリーンロケッツでプレーされていた頃と比べて、日本のラグビーは進化していますか。
「確実に! トップリーグがスタートして、選手たちはフィジカル、テクニック、すべての面で成長しています。また、ラグビーに関するマーケティング、資金調達などの面でも、一気にレベルアップしました。日本のラグビー文化は、間違いなく進化していると言えるでしょう」
取材・文:宮崎俊哉(CREW) 撮影:新関雅士
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John Kirwan (ジョン・カーワン)
1964年12月16日、NZオークランド生まれ。
NZ代表、『オールブラックス』のWTBで活躍し、第1回W杯の優勝にも貢献。キャップ63、35トライを挙げる。現役時代のポジションはウイング。
1997年からの3シーズンをNEC(現・NECグリーンロケッツ)に所属。99年の引退後、NZオークランドブルーズのマネージャー、アシスタントコーチを歴任し、2002年より05年まではイタリア代表監督として指揮を執る。2002年よりNECグリーンロケッツのチームアドバイザーを務め、2006年日本代表アドバイザーに就任。2007年1月に正式に日本代表ヘッドコーチに就任。「JK」の愛称で呼ばれている。
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3連覇の王者・東芝がノートライで敗戦した開幕戦、昇格チームの九州電力の健闘、そしてトップリーグ史上初となるリーグ戦全勝を記録した三洋電機など、話題は尽きることがなかった2007-08年シーズンのトップリーグ。王者サントリー×日本選手権覇者の三洋電機で熱戦の火蓋を切って落とす新シーズンのトップリーグも、ラグビーファンが思い描くストーリーとは違ったドラマを見せてくれることだろう。王座奪還を狙う東芝、コンタクトプレーに自信を持つトヨタ自動車、トライゲッター大畑大介の復帰が待たれる神戸製鋼など、ノーサイドの笛が鳴るその一瞬まで息つく暇がない。男たちが繰り広げる肉弾戦は、会場で観るしかない。
ジャパンラグビートップリーグ
| 9月5日(金) ~ | 全国各会場 |