チケットのことならチケットぴあチケットぴあ

こんにちは、ゲストさん。会員登録はこちら

チケットぴあインタビュー

ヤン・リシエツキ 東芝グランドコンサート2013

ヤン・リシエツキ 東芝グランドコンサート2013
オランダの名門ロッテルダム・フィルが、音楽監督のヤニック・ネゼ=セガンと共に来日する来年の東芝グランドコンサート。ソリストを務めるカナダ生まれの17歳のピアニスト、ヤン・リシエツキが、公演に向けた抱負や近況を語ってくれた。

――ロッテルダム・フィルとは今回が初共演になるそうですが、どのような印象をお持ちですか?


間違いなく世界有数のオーケストラのひとつだと思います。同じオランダの名門であるロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団の濡れた音色とは対照的な、明るく軽やかな演奏が魅力的ですね。演奏技術がとても高いので、今回の共演は楽しく、そしてリラックスしてやらせていただけると確信しています(笑)。


――指揮者のヤニック・ネゼ=セガンさんは、あなたと同じカナダ出身ですね。


初共演は昨年(2011年)の11月で、演目はモーツァルトのピアノ協奏曲第21番でした。彼は音楽的にも人間的にも本当にすばらしい方。音楽家、同胞の先輩、そして友人として、すべての面で尊敬しています。瑞々しい透明感にあふれた音楽作りが特徴で、「ここはどうしてそういう速さや強さになるのか」といったオーケストラへの指示も明快。どんなオーケストラや共演者とも、生き生きとした音楽を紡ぎ出せる方なので、どうぞお楽しみに!


――今回演奏されるベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番の聴きどころを教えてください。


何と言っても第2楽章ですね。短くも深い感銘に満ちたこのアンダンテは、まさに作品のクライマックスだと思います。弦楽器の付点リズムが特徴的な伴奏と、ため息のような音型で書かれたピアノが対照的に存在し、対話をするように進んでいきます。この大好きな協奏曲をツアーで繰り返し弾けることは大きな喜びです。


――ソロと協奏曲で、音楽に対する向き合い方は変わりますか?


ええ、ずいぶん違いますね。ソロは孤独で自分のすべてが曝け出されてしまいますが、同時に完全な自由を与えられる。一方、協奏曲はどうしても何らかの制限を課されますが、指揮者やオーケストラの皆と一緒に音楽を作る喜びを分かち合える。そして、その即興的な対話の中では何が起こるかわからず、時折、予想もしなかったような新しい感動や衝撃が生まれるのも魅力ですね。


――わずか9歳でオーケストラと共演されたそうですが、プロになりたいと明確に思ったのはいつ頃でしたか?


明確に意識したことは一度もありません。小さな頃から大好きなピアノと一緒に過ごす中で、自然に世界が広がっていきました。


――現在、トロントにあるグレン・グールド音楽学校に在学中ですね。昨日(10月4日)は、折しも彼の没後30年にあたる命日だったわけですが。


グールドは大変明晰な頭脳の持ち主でしたが、その才能をすべて音楽に捧げたのが凄いと思います。彼の演奏は知的ですが、実は、心から歌っている。ただし、それを聴き手に悟られるのは嫌だったと思いますけれどね(笑)。


――尊敬するピアニストがいれば教えてください。


グレン・グールド、マルタ・アルゲリッチ、クリスティアン・ツィメルマンです。3人とも個性がまったく異なりますが、その違いをそれぞれ愛してやみません。


――これまでの音楽人生で最も幸福だった瞬間は?


僕はどんな瞬間も喜びに包まれながら、“今”を生きています。だから、過去のことも、未来のことも、考える余裕がないのです。


――今後の演奏活動のハイライトを教えてください。東芝グランドコンサート以外で(笑)。


ロンドンのBBCプロムスや、スイスのヴェルビエ音楽祭など、楽しみな公演が目白押しです。


――録音活動では、今年4月に名門ドイツ・グラモフォンからデビュー盤(モーツァルトのピアノ協奏曲第20&21番)を発表されましたが、来年に早くも第2弾が出るそうですね。


ショパンの練習曲全曲を予定しています。「作品10」と「作品25」、どちらも12曲で構成されていますが、1曲1曲ではなく、それぞれ12楽章の大きな作品として捉えることで、いわゆる練習曲とは違った芸術作品としての側面に光をあてたいと思います。


――音楽以外にどのような趣味をお持ちですか?


読書、水泳、スキー、そして飛行機関係は全部好きですね。かつてヘルベルト・フォン・カラヤンが自家用ジェットを操縦して演奏旅行をしていたというお話は、本当にカッコ良いと憧れます! 夢のまた夢ですが、僕にもいつかそんな日が来ればいいなと思っています。


――日本の印象はいかがですか?


人も文化も大好きです。あと、尊敬してやまないのが効率のよさ。新幹線のスピードやダイヤを見ていると特にそう思います。日本食は、寿司、天麩羅、しゃぶしゃぶ、そして様々な変化に富んだスープが大好物ですね。


――最後に日本のファンの皆さんにメッセージをお願いします。


僕の演奏を、そしてクラシック音楽を、いつも温かく応援してくださって本当にありがとうございます。日本で演奏する度に、皆さんとの距離が近くなっていることを、とても嬉しく思っています。今回はオーケストラとの共演なので、ソロとはひと味違う、大きい、そして緻密な音楽の対話をお楽しみください。ひとりでも多くの方々と会場でお目にかかれるのを心待ちにしています!



取材・文:渡辺謙太郎(音楽ジャーナリスト)
2012.10.5.ユニバーサルミュージック,赤坂


◆東芝グランドコンサート2013  (★)ヤン・リシエツキ出演公演
1月31日(木) 東京/サントリーホール 大ホール
2月1日(金) 金沢/石川県立音楽堂 コンサートホール
2月2日(土) 兵庫/兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール
2月3日(日) 福岡/アクロス福岡 福岡シンフォニーホール
2月6日(水) 広島/広島国際会議場 フェニックスホール (★)
2月8日(金) 名古屋/愛知県芸術劇場 コンサートホール (★)
2月9日(土) 仙台/東京エレクトロンホール宮城 (★)
2月10日(日) 東京/サントリーホール 大ホール (★)

[Aプログラム] <1/31, 2/1, 2/2, 2/3公演>
シューマン:歌劇 『ゲノフェーファ』序曲 Op.81
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 Op.63 (ヴァイオリン : 庄司紗矢香)
ブラームス:交響曲 第4番 ホ短調 Op.98

[Bプログラム] <2/6, 2/8, 2/9, 2/10公演>
ベートーヴェン : ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 Op.58 (ピアノ : ヤン・リシエツキ)
ラフマニノフ : 交響曲 第2番 ホ短調 Op.27

☆チケット情報はこちら
ヤン・リシエツキ 東芝グランドコンサート2013

(c)Mathias Bothor / DG

ヤン・リシエツキ 東芝グランドコンサート2013

プロフィール

■ヤン・リシエツキ(ピアノ)
1995年、カナダ・カルガリー生まれ。
わずか9歳でオーケストラ・デビュー。以来、世界各地のオーケストラとの共演、室内楽、リサイタル活動を通じて、瞬く間にその名前は世界中で知られることとなった。
2008年、2009年と2年連続でワルシャワのショパンとそのヨーロッパ国際音楽祭に招かれ、ショパンの協奏曲第1番と第2番を演奏、聴衆そして評論家から絶賛を博す。公演はポーランド放送によりラジオ中継され、その内容を収めたCDが、ポーランド国立ショパン協会の自主レーベル”ホワイト・シリーズ“のカタログ番号1番として2010年初頭に発売された。また、このデビューCDで2010年5月、ディアパゾン・ドール賞の受賞を果たす。
2010年の元旦には、ショパン生誕200年の記念すべき幕開けを、作曲家生誕の地で行った。続いてフランス・カンヌの国際音楽見本市「ミデム」クラシック・アワード・ガラでショパンのピアノ協奏曲第1番を演奏。5月にはソウル国際音楽祭のオープニングに招かれ、7月のカナダ建国記念日には、イギリス女王に捧げた演奏会を10万人の聴衆を前にオタワの国会議事堂前広場で行った。2011-12年シーズンには、パリ管弦楽団のシーズンオープニング公演に招かれ、パーヴォ・ヤルヴィと共演したほか、BBC交響楽団、ライプチヒ放送響、エーテボリ交響楽団などにデビュー。ヤニック・ネゼ=セガンと、グラン・モントリオール・メトロポリタン管弦楽団との共演も果たした。また夏のベルヴィエ音楽祭、ラジオフランスフェスティバル、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭、ショパンとそのヨーロッパ音楽祭にも登場。ベルリン、ブリュッセル、フランクフルト、グスタード、ハンブルク、リスボン、ウィーン、チューリッヒで、ヨーロッパリサイタルデビューを飾った。
2011年2月、15歳という若さでクラシックの名門レーベルであるドイツ・グラモフォンとの専属契約を締結したことが発表され、話題となった。2008年には、ユニセフのカナダ国内大使(青年代表)に任命された。
その詩的で円熟した演奏を世界が賞賛するピアニストとして注目を集めている。