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チケットぴあインタビュー

川田まみ

川田まみ
2月にキャリア初のベストアルバムをリリースした川田まみ。3月にはベストアルバムの発売を記念したライブも開催される。なぜメジャーデビューから8年という今年にベストをリリースしたのか。また、彼女にとって縁が深い「とある~」シリーズなどのアニメ楽曲に対する想いなど、川田まみの歴史を紐解きつつ、話を聞いてみた。

――今回このページに登場されるのは初めてということで、はじめにデビューのきっかけなどのお話からお聞きしてもよろしいでしょうか?


「はい、まず歌手・川田まみ誕生の瞬間からお話させていただきます(笑)。I’veという音楽集団に入ったきっかけですが、札幌の某音楽スクールでボーカルレッスンに通うようになりまして。ちょうど自分の好きなことを追求してやってみたいなという時期で、小さい頃から厳しい親に育てられまして、結構我慢してきたところがあったので、何か私の中でやりたいものを決めてやろうと。そこで出会ったのが、島みやえい子さんという私の先生でもあり、先輩でもあるんですけど、島みやさんにI’veのオーディションを受けてみないかと誘っていただきまして、そこで受かってこの仕事を始めるに至ったという感じですね」



――なるほど。それがいつ頃のお話ですか?


「2001年の夏頃にオーディションを受けて、その楽曲が11月に発表されたので、今年の11月で丸12年ということで、長くやってきたなあ、と思いますね。今でも札幌を拠点に活動しているんですけど、札幌で歌えるという感覚に3年ぐらいで慣れてしまったのと、元々どうしてもデビューがしたくて、というがむしゃらなタイプの人間ではなかったので、歌を歌っておこづかい……と言ったらアレなんですけど(笑)」



――おこづかい(笑)


「自分の好きなことをやってお金ももらえるなんてこんな幸せなことはない。しかも札幌で大好きな家族や友達に囲まれ、事務所の人も家族みたいな仲間だったので、そういう幸せな環境で3年半~4年ぐらいやらせてもらっていたので、この状態が続けば良いと思っていたんです。ただ、KOTOKOさんがデビューされた次にデビューの話を急にいただいて……正直不安の方が大きかったですね。私はどちらかというと、見てくれはドンドン突っ込んでいくようなイメージで見られがちなんですが(笑)、わりと慎重で、消極的な部分があるので、嬉しい気持ちもあったんですけど、それ以上に、新しい世界に飛び込む怖さというのを感じていましたね」



――そこで決断したきっかけのようなものはあるんでしょうか?


「決断というよりは、どんどん話が進んでいくので、どうにかこうにかついていって、その状況に自分が慣れていくしかないんだ、そういう感じでした」



――そこでお聞きしたいのが、このたびリリースされたベスト・アルバム『MAMI KAWADA BEST BIRTH』について。こういったベストって区切りの時にリリースされることが多いと思うのですが、メジャー・デビューして8年、歌手としては12年という、何故このタイミングでリリースされたのでしょうか?


「理由は……特にないですね」



――ええっ!(笑)


「いや、ないことはないんですけど(笑)。私にとっては凄く区切りの良い時だったんです。一つは、長くやってきた中で、この2年ぐらいで私の音楽活動の環境がガラッと変わりまして。ラジオやフェスやもちろんライブなど、東京で仕事をする機会も増えてきて。その中でスタッフに、私の誕生日とも重なっているし、頑張ってきたから何かやりませんか?と言われたのがきっかけですが、ちょうど2年前だったらやっていなかったと思うんです」



――2年前は歌手10周年の時ですよね。


「はい、札幌でずっと守られた環境で仕事をしてきたのが、東京で仕事をしてみると、どれだけ自分が甘えてきたかわかるというか、どれだけ良い環境で音楽をやってきたのかが、この2年で身に染みて。あと、私はずっと若手の気持ちだったのに、いつの間にか後輩がたくさんいたりとか、バンドメンバーが変わったりとか、様々な変化があった時期で、やっと去年くらいから自分の中で、自分の思っている“川田まみ”と、アーティストとしての“川田まみ”が合致してきたんです」



――ずっと突っ走ってこられたのが、やっと昨年あたりから俯瞰で見られるようになったという感じでしょうか。


「そうですね、ずっと主観で、自分のことしか見えていないような感じでやってきて。私が理想とする“川田まみ”像は、CDのジャケットなどで映っているクールなお姉さん。でも実際やっていることは、後輩としてくっついていくことばかり。そのギャップに自分自身がついていけなかったんですけど、昨年ぐらいからその葛藤から逃げなくなったのかな」



――そこでベストに対する考えも変わったのでしょうか?


「はい、これまでの「ベストは過去の作品を集めたもの。リスナーに届けるのは常に新しいモノじゃなきゃ!」という勝手なイメージも、今は「この作品たちがあるから今の自分がいるんだ」って思えるようになって、急にベスト・アルバムを出す気になったんです。だから時期的に見たら中途半端な時期かもしれませんが、私の中ではこのタイミングしかない!という感じでしたね」



――ベストがまた次のステージにいくための原動力なのかもしれませんね。


「はい、普通のアルバム制作の時は、変に力んじゃうというか、全てを詰め込もうとして混沌とした作品になったりするんですが、ベストって抗えない過去の自分がしっかりいるので、自信にもなったし、逆に未来を見つめるきっかけにもなりましたね」



――色々ご自身のパーソナルなお話もしていただいているんですが、例えばデビューしてから今までで変わったところ、逆に変わってないところはありますか? 歌い方にも変化などありましたでしょうか?


「歌い方は……上手くなりました(笑)」



――あはははは!いやいや元からでしょう!(笑)


「(笑)でも今回のベストには『風と君を抱いて』という、川田まみとして一番最初に歌わせてもらった曲が収録されているんですが、2001年当時の音源をスタッフ皆で聴いたんですね、そしたらみんな爆笑して(笑)健気さや初々しさが詰まっていて、もう本当に歌が大好きで歌を歌っている感じもあって良かったんですけど(笑)。この歌はスタッフさんのアイデアで今回録り直したんですが、当時は最初という事もあって2日間かけたのですが、今回はわりとすぐ録れて。だから経験積ませてもらったっていう自信の気持ちと、実は歌いこなせている自分にちょっと寂しい気持ちの、2つの反する気持ちがありましたね。何かこの曲に対してお母さんみたいな気持ちというか(笑)」



――(笑)わが子を見つめるような。


「レコーディングの時に作曲・編曲の高瀬一矢さんもいたんですけど、「上手くなったね~川田まみは(笑)」って言っていただいて(笑)それは嬉しかったですね」



――逆に変わっていない部分はいかがでしょうか? これまでお聞きしていると川田さんは常に変化しているような印象を受けるのですが。


「変わりたいけど変わっていない部分は、融通が利かないところ! 例えば自分の中で勝手に決めてるものがあって、それを超えていないと、スタッフから「良いよ」って言われても「うーん……」みたいな(笑) 納得できないんですよね。でもそれがあるからこそ、私は一度歌った曲でも、歌う度に違った魅力を引き出してやろうって思っているのですが、それが出来ているような気がします。……でも頑固は頑固ですね、今回ベスト出して改めて思いました(笑)」



――ファンの方はそういうところが魅力だと思っている筈です。


「でも「お前も大人になったんだから、もう少し余裕持て!」って自分でよく思いますよ(笑)」



――余裕がないというイメージもあまりないので意外でした。


「いや、そういうイメージで見られているなら私としては大成功なんですけど、でも常に葛藤はあって……。私は人間はそれぞれ役割を与えられて生きていると思っていて、私にとってはそれが歌うこと、なんです。だから表向きはクールにしていても、内面は色々考えすぎて頭抱えて喚いている自分がいて。でもこんな私でも、10年以上歌手としてやらせていただいているという事実が、他の方が生きていく上での何かしら助けになれば良いなと思っています。……意外と自分でいっぱいいっぱいなんです(笑)」



――(笑)そんな風には見えないですね。


「あ、でも出来上がった作品に対しては自信があります! いつも出す前はこれでいいのかって悩むんですけど、出す時は「これしかない!」と思って出していますね」



――なるほど、それは伝わります。曲の話になったので、もちろん全てだとは思うのですが、特に思い入れのある曲があれば教えてください。


「個人的に凄く思い入れがあるのは、『緋色の空』ですね。全ての流れが良い方向に向いたというか、やること全てに鳥肌が立つ感じだったんです。『灼眼のシャナ』という作品との出会いもそうでしたし、PVも「ここで雲が流れてほしい」と思ったところで流れたりとか、スタッフとの関係性も初めて会ったのに気持ち悪いくらい通じ合ってて、こんなに良い流れは中々ないだろうと思ってました。ファンの方も、この曲からまたぐっと知ってもらえたという感覚もあったし、特別な曲ではありますね」



――作詞の冒頭が「そして」で始まるというのも凄い発明だなと思いました。


「あの時の精一杯だったんですけど(笑)」



――(笑)『灼眼のシャナ』のお話も出たところで。川田さんは数々のアニメ・ゲームの楽曲を手がけられていますが、そういった楽曲を手がける際に気をつけていることはありますか?


「私がいつも守っていることは、偉そうな意味ではなく、作品とイーブンで戦っていたいということですね。どちらが上ということもなくて、お互いが良い仕事をして、1+1が凄い数になるみたいな」



――それは川田さんのアニメ楽曲全てに当てはまる気がします。


「そこは凄く気を遣っていますね。私が足を引っ張ってもいけないし、作品を尊敬しているからこそ、高めあっていければと思っています」



――ベスト・アルバムにも収録されている『FIXED STAR』、この曲は川田さんにも縁深い作品「とある魔術の禁書目録」の劇場版エンディングテーマですが、どういった楽曲に仕上がっていますか?


「トータルで言えば、「とある~」シリーズと川田まみで作り上げてきたもの“らしい”、そういった作品に仕上がっていると思います」



――映画は事前に見られたんですか?


「他の作品もそうですが、原作があるものは先にシナリオをいただいて、読んでから制作に取り掛かるので、皆さんより先に読ませていただいています。いつもはオープニングを歌わせてもらっているので、全体的に押しの強い、勢いでグッと引っ張っていくような楽曲をお届けしていたのですが、今回はエンディングで、一つの物語が完結してから流れる楽曲ということで、今までとは違う、胸がグッと来るような楽曲にしたいな、と思っていたんです。でも、最終的には出来上がったら、皆さんも私たちも実は求めている“らしさ”が、思いのほか出た楽曲になったなと思いました」



――個人的には映画館というのを強く感じる楽曲になっているような気がしました。


「そうですね、映画館のエンドロール!というのは強く意識しましたね。イントロは「とある~」っぽさがあるんですけど、サビに向かって「悔しいけど前向きになるんだ、明日もあるんだよ」というメッセージが、歌詞からも曲からも感じられる作りになっていて、見終わった後に「物語は終わったけど、未来はまだあるんだ、ストーリーは終わっていない」という想いを感じて劇場を後にしてもらいたい、という気持ちがあったので」



――なるほど、ちなみに「とある~」シリーズでは上条当麻くんが好きなんですよね?


「そうですね、熱い彼の気持ちにすぐ感化されてしまうので。最近お酒の席で、後輩に熱い話をしている自分が重なったり(笑) だから今回はあまり当麻に寄せないように、全体像で書いたつもりなんですけど、でもこれも結果的には寄っちゃったかな。でもしょうがないよな、作品全体にその要素も入っているだろう、と(笑)」



――あははは! そして、3月29日に行われる渋谷duo MUSIC EXCHANGEでのライブ、こちらはどういったライブでしょうか。やはりベスト・アルバムを包括したような内容になるのでしょうか?


「そうですね、やはりベスト選曲で、私を昔から知っている人も、最近知ったという人も楽しんでもらえるような内容にしたいので、お客さんもみんなで一つのパーティを作るような、そんな感じのライブにしたいですね。いつもはかしこまった感じでライブをすることが多かったので、ハッピーなベストも出た事ですし、お世話になった人が集まって、パーティする感覚で」



――感謝祭のようなライブになりそうですね。


「あと、昨年から私のバンドメンバーが全員女の子になって、最近は若い女の子を連れている銀座のママだと言われているんですが(笑)」



――あはははは!


「説教もしつつ、みたいな(笑) それは嘘なんですけど、でもそんなバンドメンバーの若くてポップな感じも、最近のライブの推しになっているので、弾けるパワーボム……プロレスを知っている方は分かると思うんですけど(笑)それを感じてもらいに来ていただければと思いますね」



――良いですね! ライブに是非来ていただいて、ということですね。その先の話になりますが、川田さんの今後の野望などはありますか?


「うーんと、今後の野望ということとは違うかもしれないんですが、最近後輩が頑張っている姿を見るのが凄く楽しみで。今までは自分が一番下だと思っていたからだと思うんですが、全くそういう気持ちはなかったんですけど。後輩が頑張っているのを見ると、自分も負けられないなと思うし、そうやって切磋琢磨して、アニソン業界全体が盛り上がっていけば良いなと思いますね」



――Rayさんに歌詞の提供などもされていますね。(TVアニメ「AMNESIA」エンディングテーマ:「Recall」)


「そうですね、そういうお話をいただけるようになったし、そうやって制作の面からでも盛り上げていければいいなと思います。でも裏に引き下がる気は全くないですが(笑) 最近はステージで楽器も弾いているし、DJもやったりと、新しいことをやるのが楽しい時期なので、こういう姿を見て後輩が感化されればと思います」



――ありがとうございました。最後に、このページを見ている方にメッセージをお願いします。


「10年以上歌手をやっている川田まみがベストを出すので、是非聴いていただきたいです。過去であり、私の未来を表した一枚になっているし、聴いてくださる皆さんにとっても歴史のある一枚に仕上がっていると思うので、一緒に過去を思い出しながら未来を見つめていただければと思います。そして、3月29日に行われる渋谷duo MUSIC EXCHANGEでのライブは、パーティのようなライブにしたいと思っているので、皆さんぜひ会場で一緒の時間を過ごしていただければと思います!」




取材・文:佐久間 隆(ぴあ)


<公演情報>

「MAMI KAWADA"BIRTH LIVE"-ONE NIGHT POWER BOMB!-」
【日程】3月29日(金) 19:00 開場 / 19:30 開演
【会場】渋谷duo MUSIC EXCHANGE (東京都)
【席種・料金】スタンディング-4800円(ドリンク代別途必要)


<INFORMATION>

BEST Album
『MAMI KAWADA BEST BIRTH』

2013/02/13 Release
【初回限定盤】GNCV-1032/\3,675(tax in)
【通常盤】GNCV-1033/\2,940(tax in)
<初回限定盤特典>
Blu-ray封入(2012年9月17日、恵比寿リキッドルームにて行われたLIVE「MAMI KAWADA 2012 LIVE TOUR “SQUARE THE CIRCLE”」を収録 )

13th Single
『FIXED STAR』

2013/02/20 Release
劇場版「とある魔術の禁書目録-エンデュミオンの奇蹟-」エンディングテーマ
2013/02/20発売
GNCV-0033 \1,050(税込)
川田まみ

川田まみ

Best Album『MAMI KAWADA BEST BIRTH』
【Blu-ray付初回限定盤】

川田まみ

13th Single『FIXED STAR』
(C)鎌池和馬/アスキー・メディアワークス/PROJECT-INDEX MOVIE