──台本を読んだ感想を聞かせてください。
石丸「世の中にはいろんな演劇がありますけど、『GGR~グレンギャリー・グレン・ロス』は人間のいやらしい部分をこれでもかこれでもかと見せていく。それを客席から観るのは、ある種爽快な気がするんですよ(笑)」
坂東「高価な買物をしてもらうために最上級の敬語ですり寄るセールスマンたちが、裏ではとてつもなく汚い言葉を使ってる。信頼と裏切り、不確かなことこそ確かなんだとわかる辛さや空しさがありますね」
青山「この作品が醸し出すイヤっぷりに俳優の皆さんが溶け込むことで、リアルを突き抜けて、ある種のファンタジーに至ってしまう。そんな劇を僕も観たいし、お客さまにお見せしたいと思うんです」
──ローマ役・レヴィーン役に関して、今の時点で考えていることはありますか?
石丸「登場人物たちは仲間のふりをしていますが、全然仲間なんかじゃない。ローマは自分のことしか考えていないトップ・セールスマンです。生き残りに必死な同僚を見下す感じを、どう表現できるか……」
青山「でもいつか、ローマもレヴィーンみたいに落ちぶれる日が来るんだよなぁ。それに気付いているのか、いないのか……」
坂東「男7人の会話劇ですが、会話のリズムって英語と日本語で違いますよね。日本語の間であり、しかもアメリカの芝居に見えるしゃべり方ってどんなものなんだろう? 監督の指示を受けながら探りたいです」
──青山監督にとって初の舞台ですが、映像にも出演するキャストおふたりにとって、舞台の魅力とは?
坂東「いい芝居を客席で観たときに自然と出てくるのが〝ありがとう〟の一言なんです。目の前で素晴らしいものを見せてくれて、いい時間を与えてくれて〝ありがとう〟。これが映像との一番の違いじゃないかな?」
石丸「確かに、演劇のパフォーマンスは、客席からのいろいろな反応を受け取りながら演じるところがありますからね」
──では監督は、稽古場で「ふたりの天才」のどんな部分を引き出したいですか?
青山「どこに出ていても美しい石丸幹二、どこに出ていても軽妙洒脱な坂東三津五郎が、この作品でどんなふうに醜く、いやらしくなっていくかをお見せしたい。それこそが舞台のファンタジーではないでしょうか!」
取材・文:山上裕子 撮影:星野洋介
▼「GGR グレンギャリー・グレン・ロス」
6月10日(金) ~ 19日(日) 天王洲 銀河劇場(東京都)
6月22日(水) 北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)
6月25日(土) ・ 26日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール(兵庫県)
[演出]青山真治
[出演]石丸幹二 / 坂東三津五郎 / 今井朋彦 / 大鷹明良 / 加藤虎ノ介 / テイ龍進 / 坂東八大
□東京・兵庫=発売中
福岡=4月17日(日) 10:00発売
青山真治
石丸幹二
坂東三津五郎