――謝さんの作品には初出演となりますね。
「僕の演じる平吾は、道場仲間の郡兵衛(藤岡正明)と弥助(小西遼生)とで“3バカトリオ”と言われてまして(笑)。 ケンカしつつも友情を育んでいく場面が多くて、稽古場も楽しいんですよ。そして芝居の部分と踊る場面のバラン スは、振付家でもある謝先生ならでは。例えば平吾たちが“パフォーマンス”の稽古をするシーンで刀を使うダン スがあるんですが、刀といえば武士の魂ですよね。だから綺麗な動きになりすぎても平吾ではないし、かといって 踊りから華やかさや大胆さが無くなってしまっても困る。そこがリアルだなって思います」
――平吾という男についてはいかがですか?
「新しい時代を迎えて刀を捨てなければならないということに武士たちは葛藤するんですが、平吾が“パフォーマ ンス”の道を選んだのは、何か直感のようなものがあったんだと思います。若い時や新しいことを始めるときって、 案外、自分の直感を信じてくぐり抜けていくことが多くないですか? その直感って武士としての教育を受けてきた 平吾が、新たな時代を探求していこうとするときに自然に生まれたものだと思うんですよ。もちろんまだ武士として の自分も残っているから、その両方が平吾の中にあるという信憑性を考えながら演じていますね」
――そんな平吾を“パフォーマンス”に誘うのが、洋行帰りの由紀子です。
「由紀子役の大和(悠河)さんは、(宝塚の元トップスターだけに)さすがに立ち姿も美しいし、内面の凛としたところが 漂っているのがピッタリだなと。由紀子は強そうに見えますが、平吾たちと関わることで生まれた疑問にもちゃんと向 き合っていく人。そこが彼女の魅力だし、だからこそ平吾はプロデューサーとして信頼したんだろうなって思いますね」
――また本作では、白虎隊の歴史が物語を貫いているそうですね。
「平吾たちの友情や成長が本筋で進む傍らで、白虎隊の若き隊士たちの物語が伏線として何度か登場します。 個として生きることと、隊士としてどう行動するか考えること。どちらも日本人なら分かる気持ちだと思うし、その両方が 交互に出てくることで感じられることがあるのは、日本物のミュージカルの良さだなと感じます。殺陣やダンスも満載で、 スピーディーに物語が展開するのもこの作品の魅力。体を動かすのは大好きで楽しみながらやっていますので、ぜひ 劇場に観にいらしてください」
取材・文:佐藤さくら 撮影:星野洋介
▼ミュージカル「風を結んで」
6月4日(土) ~ 19日(日) シアタークリエ(東京都)
6月26日(日) 中日劇場(愛知県)
6月28日(火) ~ 30日(木) イオン化粧品 シアターBRAVA!(大阪府)
□発売中