春風亭小朝と加護亜依がなにやら企んでいる。写真からしてただごとではない。「男と女の3つの秘め事」というタイトルも不穏ではないか。酸いも甘いも、人生のホロ苦さまでも噛み分けた小朝が、加護とふたりで、からりと、しかしディープに演じる3つのふたり芝居は、果たしてどんな舞台になるのだろう? 第2部の小朝落語会は、人情噺の名作「芝浜」ほか一席。1月のル テアトル銀座は、お腹いっぱい楽しめそうだ。
──共演は初めてですか?
春風亭小朝「3時間半前に『初めまして』と言い合った間柄です」
──お互いの第一印象をうかがいたいのですが。
小朝「加護さんは怖そうな人。思ったより。目を見ればわかる意志の強さ、好き嫌いのハッキリした感じ。でもそれは、逆に言えば正直っていうことですよね。今回の芝居が気に入って乗れば必ず結果を出してくれる。気に入らないと……大変ですね(笑)」
加護亜依「シャイな方?と思っていたんですけど、一緒にいると包み込むやさしさ、オーラを感じますね」
小朝「金色のオーラって呼ばれてますからね」
加護「いい人です。でも本当はどうかなー? これから、稽古期間で一緒に過ごす時間が増えていくので、徐々に知っていきたいです。加護亜依ワールドに連れて行きたいですね」
──すみません、知りたいです、加護亜依ワールドとは一体何か?
加護「わたし、気分屋なんですよ。頭の中に天使と悪魔がいる。いろんな人が頭の中にいるから、一日が早くって。台本を読みながら、ああ、これはあのときの自分だな、ああ、今度はあのときの自分がいる、みたいに、自分の中のあれもこれも入れられる役ばかりですね」
──どういう作品なのか、具体的に教えてください。
小朝「3部作のショートショートなんです。そのうち2編は昨日上がったばかり。原案とシチュエーションを作家の堤泰之さんに渡して、台本にしてもらった。ほぼ注文通りに上がってきました」
──落語も多彩な人格を操る芸能です。ある意味多重人格といえる状態になりますか?
小朝「いや、コンマ何秒で役を入れ替える一方で、それらすべてをコントロールしている自分が別にいる。ひとりひと役の演劇とは違う感覚です」
──どんな3部作でしょうか?
加護「ひとつ目は、マネージャーを困らせるアイドルの話。わたし自身、現実でも多々そういうシーンがあります(笑)。自分でも『ああ、今きっと困らせちゃってるな』と思いつつ、でも困らせることを言っちゃう。お母さんに叱られた子供が、早く『ごめんね』って謝りたいのに、でもすねちゃう。そういうこと、ありますよね? 自分でもかなり心当たりがある役です。女優として復帰して、アイドルの役をいつかもらえたらいいな、と思っていました。いろいろとイベントなどもやっていて、そこに来るファンの方はアイドルとしての加護を目当てにして来てくれると思うんですけど、そういうわたしが好きな方も楽しめる芝居です。そして、ダークなわたしも見せますので」
──2つ目は?
加護「母性本能が強いナースと患者さんの話。この間、写真集を作ったんですけど、そのカメラマンの方が酔っ払ってばかりのちょっとダメダメな人で(笑)、わたしが撮影現場をグイグイ引っ張ったことを思い出しました。わたし、基本Mなんですけど、でもSっ気もある。意地悪な自分を隠して、母のように、噛んで含めるような接し方で、子ども扱いしながら、結局いじめてみたいんです(笑)」
──3つ目は?
小朝「女子アナと上司の話。これが一番ノーマルな話かもしれませんね。加護さんの魔性の部分を出さなくてすむ話なので(笑)」
──3つのうち2つが魔性、というのもすごいです。
小朝「よくできた脚本なんです。考え方が変わると演じ方も変わっちゃう脚本。例えば、アイドルの話で言えば、こんなにNGばっかり出されるマネージャー、現実ならアイドルからクレームがついて絶対変えられちゃいますよ。でも、このマネージャーは、役には立たないけど、一生懸命な愛がある。そのとき、加護さんがマネージャに対してどう気持ちを変えるか。そこに加護さんの地が出ると思います」
──おふたりの年齢差、いくつくらいでしょう?
加護「20歳です」
小朝「ぼくは53歳」
加護「問題ないです、基本ファザコンですから」
小朝「ぼくはファザコンの女の子が好きですし(笑)」
加護「年齢差は全然気にならないです、男と女の秘め事、ぜひ演じたいですね」
──最後に、小朝さん、第2部の落語会で「芝浜」を選んだ理由を聞かせてください。
小朝「しっかり、公演全体を通して考えました。銀座ですし、格調高く、受け入れやすい話、聞かせがいのある話という意味で選びました」
取材・文:戸塚 成(ぴあ)
▼春風亭小朝奮闘公演 in ル テアトル銀座
【公演日程】1月27日(火) ~ 2月1日(日) ル テアトル銀座 (東京)
[第1部] 春風亭小朝+加護亜依オムニバスふたり芝居「男と女の三つの秘め事」
[第2部] 小朝のたっぷり独演会「芝浜」
【一般発売日】12月20日(土) 10:00
















