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チケットぴあインタビュー

シーラカンスプロデュースVol.1「戯伝写楽―その男、十郎兵衛―」 宮野真守

シーラカンスプロデュースVol.1「戯伝写楽―その男、十郎兵衛―」 宮野真守
東日本大震災が残した爪跡は、意外なところに広がっていた。3月11日、交通機関はストップし多くの公演が上演中止を余儀なくされた。吉祥寺シアターで幕を開けたばかりだった『戯伝写楽-その男、十郎兵衛-』も、例外ではなかった。朴路美と宮野真守が立ち上げたユニット「シーラカンスプロデュース」の第1弾公演。"幻"なりかけた旗揚げ作品が、もう一度上演されることに。ユニットのメンバーとして参画する宮野にとって、意地でも上演にこぎつけたかった同作。中島かずきが描き出す世界観と、どのように共鳴するのだろうか?

――震災でストップした公演を再度上演できると決まったときの宮野さんのお気持ちをお聞かせ願います。



「プロデュースのメンバーとして、この作品をどうするか話し合いを重ねてきたんですね。ファンの方々から『上演してほしい』という声を聞いて、やっぱりもう一度やりたいなと。震災以降、ファンの方々の声は僕の活動を支える指針になった部分があります。被災地からも声が届いたりして、活動している自分の意味や、エンターテインメントの意義を知ったというか。自分がそれをできる、与えてもらえる環境があるのなら、もっと突き進むべきだということをあらためて感じましたね。だからもう一度上演できるとなったときはうれしかったです」



――「シーラカンスプロデュース」発足の経緯は?



「ラジオで5年間をご一緒した朴さんと、誰からともなく『舞台をやりたいね』と話していたんですよ。ただ話しているだけだったんですが、待っているだけじゃチャンスがないから自分たちでやってしまおうと考えて、ふたりでプロデュースからやっていくことにしたんです。だから決して自分たちでプロデューサーがやりたくて始めたわけではないんですけど」



――宮野さんから見た朴さんの人となりは?



「情に深い人。情だけで生きているんじゃないかと思うくらい(笑)。どういうわけか、いろんな人から頼られちゃうんですって。それ、すごく分かるんですよね。内面はとてもナイーブなものをもっていて、涙もろいところもあるし、やっぱりそういう面も含め情に厚い人です」



――当初、中島かずきさんに書き下ろしをオファーしたとか。



「そうなんですよ。最初に朴さんからとんでもないビッグネームが飛び出して、驚きました(笑)。それで僕らふたり、中島さんにお会いしたんですが、さすがにお忙しくて書き下ろしはお願いできなかった。しばらくして、中島さんの方からミュージカルで上演した『戯伝写楽』をストレートプレイで上演するという提案をいただきました」



――逆提案だったんですね。



「はい。そんな素晴らしいお話をいただけるとは思ってもいませんでした。中島さんが僕らにこの作品が合うと感じてくださったから提案いただけたのではないかと思うと感激しましたね。それにずっと僕らのことを気に留めてくださったのがうれしかった」



――作品を最初にお読みになったときの率直なご感想は?



「物語がスッと頭に入ってきて、動きや場面が想像できたので、すごい戯曲だなと思いました。内容的には渋いお話なんですけど、そのなかに人間ドラマの要素やトリックも入っていて……。十郎兵衛の方に視点をおいて描かれるんですが、そういった視点の位置関係も面白いんです」



――ストーリーのジャンルとしてはどうですか、好みですか?



「そうですね、決して複雑な物語ではありませんがダイレクトに心を直撃する物語なので、とても好きです。中島さんの劇ってシンプルに書かれるんですけど安っぽくないんですよね」




取材・文:田中大介



▼シーラカンスプロデュース Vol.1「戯伝写楽―その男、十郎兵衛―」
2月1日(水) ~ 5日(日) 全労済ホール/スペース・ゼロ(東京都)
[劇作・脚本]中島かずき [演出]中屋敷法仁
[出演]宮野真守 / 城戸愛莉 / 板倉チヒロ / 玉置玲央 / 有川マコト / 矢内文章 / 山崎健二 / 関智一 / 柴田秀勝 / 平野綾 / 他
■一般発売:1月7日(土) 10:00