──芝居に関心を抱くようになったのは、いつごろからですか?
「笑いの世界に入ってから、舞台を観にいくことが多くなりました。観に行った芝居ですか?Piperやヨーロッパ企画、あと、「恋愛戯曲」で共演した八十田勇一さんが出演していた、井上ひさしさんの「きらめく星座」とか。年間で10本くらいです。」
──何かきっかけがあったんでしょうか?
「たまたまTVでNHKの舞台中継を観ていて、自分で「芝居を書きたいな」と思ったんです。漫才のようにボケて笑わせるのではなくて、前フリがあって、あとあとそれが生きることで生まれる笑い。「ボケなしで笑いを取るなんて、すげえな」と。芸人は、力技でボケて笑いを取る。それに比べて、芝居は、結果を積み上げてチームワークで笑いを取る。それで、まず最初に2人芝居を書いた。それを、「泣けるbaseよしもと」というイベントで、清水けんじさんと演じたのが最初。というわけで、「書きたい!」スイッチで演劇に入っていった人間なんですよ」
──演劇をやることで、笑いにフィードバックされるものはありますか?
「これはもう、ムチャクチャ演劇の経験が生かされてますよ。まず、ミスに対して物怖じしなくなったし、相方のミスに対してもフォローの精神が芽生えてきた。これは、漫才やコントやバラエティの仕事のとき、プラスです。あと、芸人の仲間からは、「いい意味でNON STYLEが見やすくなった」って言われますね。もともと、ぼくたちふたりは我が強い。でも、相方の井上が行くときは、僕が下がるようになった。それが自然とできるようになった。自分がNON STYLEを演出する眼差しが出来てきたんでしょう」
──笑いの世界の人は、演劇というジャンルをどう見ているんでしょうね。
「芸人さんの中で、芝居をやりたいと思っている人は少ないです。でも、自分は出ようかな、やろうかなと思う。芝居の中でなら、笑いが取れない「死に役」でも、今では気持ちよさを感じるようになってきた。漫才やコントだと、自分でグイグイ行く、自分のペースで進めていくんですよ。でも、芝居は、相手役がやったことを受けなきゃいけない。お笑いの側からすると、自分のテンションをあらかじめ決めなくてもいい新鮮さがあるんですよ。「恋愛戯曲」で共演した八十田勇一さんから言われて印象に残っている言葉があります。「人を動かすのも演技。自分が動くのも演技。でも、こうしようと初めから決めているのは演技じゃない」って。「なるほどな」と思いましたね」
▼「スピリチュアルな1日」
3月30日(水) ~4月3日(日) 紀伊國屋サザンシアター (東京都)
[脚本]小峯裕之 [演出]板垣恭一
[出演]石田明 / 須藤理彩 / 吉本菜穂子 / 菅原永二 / 諏訪雅 / 青柳塁斗 / 今井隆文 / 風間由次郎
□一般発売:2月19日(土) 10:00
前列左より、石田明、青柳塁斗。後列左より、風間由次郎、今井隆文。若いカンパニーの弾けっぷりに期待。