1973年にオーストラリアで結成されたベテラン・グループ。 ハード・ロックのリフを研ぎ澄ませ、1979年の『地獄のハイウェイ』、1980年の『バック・イン・ブラック』といった名作に並ぶ最新作『悪魔の氷』を携え、2001年以来9年ぶりとなる来日公演が決定した。パンク系のリスナーからも支持される圧倒的な人気の本領を満喫しよう。
AC/DCは70年代から活躍しているハード・ロックのビッグ・ネームだが、そのスタンスはかなりユニークだ。まず彼らが登場してきたのはオーストラリアだった。当時のロックの主流は、イギリスとアメリカであり、ワールド・ワイドな人気を獲得するには不利な条件だったが、彼らはじわじわと人気を獲得していき、6枚目のアルバムにあたる1979年の『地獄のハイウェイ』で、アメリカでも高い評価を得るにいたった。
しかしこれにより大々的なブレイクが期待されていたタイミングで、ボーカリストのボン・スコットが急逝。バンドは解散も考えるほどの深刻な状況を迎えたが、新ボーカリストにブライアン・ジョンソンを迎え、1980年に名作の誉れ高い『バック・イン・ブラック』を発表してヒットさせ、バンドの最大の危機を乗り切っている。
こうして彼らは70年代後半から80年代前半にかけて世界的なグループとなっていった。この時期はパンク~ニュー・ウェイブの影響が大きく、いわゆるハード・ロック・グループにとっては受難の季節だった。だが彼らのスタイルは、リフを軸にしたシンプルなサウンド、そしてテクニックよりもやんちゃなキャラクター性が印象に残ることもあって、パンク系のアーティストからも支持を得るなど、独特のポジションを獲得することに成功したのである。
現時点での彼らの最新作は、昨年リリースした『悪魔の氷』。レコード会社とのトラブルがあったため、前作から8年ものインターバルをはさんで届けられたアルバムだが、逆に時間的な余裕を持って曲作りに取り組んだこともあって、往年の代表作と並ぶ充実した仕上がりとなっている。実に9年ぶりとなる今回の来日公演では、逆風をバネにするタフなロック・グループとしての本領を、多くのファンにアピールする機会となるに違いない。(2009/10/30)