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チケットぴあコラム

ボブ・ディラン

 今年春には全米チャート、全英チャートの両方で見事にナンバー1に輝いた『トゥゲザー・スルー・ライフ』を発表したのに続き、冬には企画盤『クリスマス・イン・ザ・ハート』もリリースと、圧倒的な創作意欲を発揮しているディランの来日が決定。来日の度にファン層を広げている彼が、今回は東京、名古屋、大阪のZeppに連日登場する。

 ボブ・ディランのデビューは1962年。もうすぐ50年に及ぼうとする長いキャリアの持ち主だ。しかし彼は、ベテランの座におとなしく収まっているわけではない。むしろ2009年のディランは、春には『トゥゲザー・スルー・ライフ』で、全米チャート、全英チャートの両方で見事にナンバー1を獲得。さらに秋には企画盤『クリスマス・イン・ザ・ハート』も発表するなど、創作のペースもセールスも黄金時代と言いたくなるほどの強力にエネルギッシュな動きを見せている。

 それはレコーディング作品だけにとどまらず、ライブ活動に関しても当てはまる。ロック史を代表する長いキャリアの持ち主でありながら、新たなファンをどんどん増やしているのも、彼の特異な点といえるだろう。そうした受け入れられ方をされる秘密は、なんといってもライブに臨むスタンスにある。80年代後半から彼のライブは、“ネヴァー・エンディング・ツアー”と呼ばれるようになり、そのペースは、ほとんど休み無しといってもいいほどの精力的なものになっている。そのためバンドとのコンビネーションの凄みは、独自の境地に到達している。例えばライブで演奏されるレパートリーは非常に幅広く、しかも日ごとに極端に変わる。それのみならず、アレンジもどんどん新しいものに変えられていく。つまりディランのライブのやり方は、現在の音楽シーンのメインストリームで常識のようになっているアルバムのプロモーションとは違って、予測不可能なスリルに満ちているのだ。彼のライブに幅広い世代のオーディエンスが押し寄せるのは、そうしたスリルが他に無い魅力となっているのも一因といえるだろう。

 今回の来日でも、彼は同じ会場で何日も演奏するが、内容も日ごとに変わるのは間違いない。何日も通ってそうした変化自体を堪能したいファンも多数いるはずだ。(2009/12/25)