21世紀最大の成功を成し遂げたブリティッシュ・ロック・グループ、コールドプレイが、新たな境地を切り拓く意欲作『美しき生命』を携えて、単独での来日公演が決定した。ヘッド・ライナーとして“SUMMER SONIC 08”で披露したステージが絶賛されたのも記憶に新しいだけに、今回の来日は、バンドのピークを見せるものとなりそうだ。
コールドプレイは、21世紀以降の世界で最も成功しているロック・グループだ。彼らは2000年に発表したファースト・アルバム『パラシュート』から、現在にいたるまでの全てのアルバムで全英チャートでナンバー1を獲得。それに加えて2005年の前作『X&Y』は、で一位となったアメリカを含む28ヵ国で初登場ナンバー1に輝き、今年6月にリリースされた最新アルバム『美しき生命』も、英米をはじめとする各国では当然のようにナンバー1、日本のオリコン・チャートでも3位という破格の成績を収めている。
ただしこうした成功は、決して無難なアプローチにより達成されたものではない。むしろ最新アルバム『美しき生命』は、これまでの彼らのキャリアの中でも、かつてない冒険を行った作品といっていいだろう。その証は、さらなる深みを目指すようにブライアン・イーノとマーカス・ドラヴスをプロデューサーに迎えたことで達成されたヒネリのあるプロダクションやアレンジだ。これについてフロントのクリス・マーティンは「これ以上はビッグになれないんだから、もっと質を上げるしかない」と語っている。
つまり彼らは大々的な成功を収めた前作『X&Y』での得意技を使い回すのではなく、自分達のクリエイティビティをさらに発揮した新しい地平に挑み、そこでも商業的な成功も収めてしまったのだ。4枚目のアルバムでブライアン・イーノを起用し、自分達の作風を広げていったグループとしては、U2がある。その例にならうならば、現在のコールドプレイは、80年代のU2がそうであったように、ロック・バンドとしての重大な分岐点を迎え、商業的な成功と同時に、クリエイターとしての偉大な飛躍を果たしたのだ。すでにその勢いは、“SUMMER SONIC 08”でも明らかになっているだけに、今回の来日はバンドのピークを記すものとなるに違いない。(2008/10/31)