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チケットぴあコラム

ジェーン・バーキン

 女優として歌手として、60年代から君臨してきた彼女が、昨年発表した最新アルバム『冬の子供たち』を携えて来日する。作家、モデルとしての活躍など、マルチな才能で知られており、社会的なメッセージも積極的に発言してきた彼女が、この新作では初めて全曲の作詞を手がけたこともあり、斬新な意欲に満ちたステージになりそうだ。

 ジェーン・バーキンは、女優、そしてフレンチ・ポップスを代表するアーティストというイメージで、広く知られている。厳密に言えば、彼女はイギリスの出身なのだが、10代で女優としてデビューした後、プライベートなパートナーともなったセルジュ・ゲンズブールとのデュエット『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』により、シンガーとしても大きな注目を集めた。この曲はゲンズブールの得意とするエロティックな表現で物議を醸しながらも、大ヒットとなり、ジェーン・バーキンの初期のイメージを作る決定的なきっかけとなったのである。

 こうして彼女のキャリアには、ゲンズブールとの関係が大きな影響を及ぼすようになった。しかし彼女はそうしたキャリアを受け入れつつも、自分の意志でしっかりと道を切り開いてきたアーティストであることを忘れてはならない。昨年リリースされた最新アルバム『冬の子供たち』も、そうしたスタンスが見事に発揮された作品といえる。

 というのも、シンガーとしてデビューしてから40年になるタイミングで発表されたこのアルバムで、なんと彼女は初めて全曲の歌詞を自分で書き、表現者としての新しい扉を開いているのだ。そのテーマは女性的な日常感覚を活かしたユーモラスなものをはじめ、時にエロティックだったり痛快な諧謔精神に満ちていたりと、実に様々な内容で、中には『アウンサンスーチー』のように真摯な社会的メッセージが込められた楽曲もある。こうした多彩なテーマを歌っても、決して散漫な印象にならないのは、彼女自身のライフ・スタイルが、表現者としてぶれない軸で貫かれているためだ。

 今回の来日公演ではゲンズブールと生み出した名曲や新作からのナンバーなどを盛り込んだ多彩な楽曲を、彼女ならではの説得力で披露してくれる。(2009/8/28)

(c) Kate Barry