約2年ぶりに東京事変が活動を再開した。最新シングル『能動的三分間』を、12月2日に発表したのに続き、スポーツをテーマにした通算四枚目のアルバム制作も進められている。そして3月からは“ウルトラC”と銘打たれた全国ツアーが開始。“劇的な成長のためにあえて時間を置いた”という彼らの新たな展開を楽しみにしたいところだ。
東京事変は椎名林檎を中心に2004年に結成されたロック・グループだ。ただし彼女は東京事変にいわゆるシンガー・ソングライターとそのバック・バンドという関係を求めているわけではない。むしろソロ活動とは別の回路として東京事変を位置づけており、そのために本人にもメンバーにもあえて様々な課題を課してきた。
例えば2007年のサード・アルバム『娯楽 (バラエティ)』では、椎名は作曲にタッチしていないが、これはバンドとして音楽制作に取り組む中で、それぞれのメンバーがよりフレキシブルにアイデアを出し合えるようにするための措置だった。それを経て『娯楽 (バラエティ)』を生み出した時の椎名は、やっとバンドとしてのスタート地点に立ったという意味の発言をしている。
しかし皮肉なことに、翌2008年は椎名のデビュー10周年ということもあり、ソロで活動する機会を増やさざるを得なかった。そのためバンドとしての活動は、限定的なものとなってしまった。しかもそこで椎名は、次に東京事変が本格的に活動する時には、劇的な成長を聴かせたいと考え、さらに猶予期間を置くことになった。
こうしたプロセスを経て、12月2日にリリースされたのが最新シングル『能動的三分間』であり、2010年に発表する四枚目のアルバムである。このアルバムは“スポーツ”をテーマとしていることもあって、それと連動する全国ツアーのタイトルは“ウルトラC”と銘打たれている。
『能動的三分間』は椎名自身が初めて出演したCMの楽曲としても使用されており、演奏時間もタイトル通りにきっかり三分間というユニークな楽曲で、ミュージック・ビデオで披露したムーンウォークのパフォーマンスも印象的だ。今回のツアーでは、まさしくウルトラCクラスのステージングで圧倒してくれることだろう。(2009/12/10)