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チケットぴあコラム

倖田來未

 倖田來未が1月にリリースした最新アルバム『TRICK』を携え、追加公演も含めると全国10会場20公演のアリーナ・ツアーという壮大な公演で展開している全国ツアー。聴かせるだけでなくステージで見せることも念頭に置いてアルバムの制作に臨んだというだけに、エンターテイメント精神に満ちた趣向の数々で魅了してくれそうだ。

 倖田來未はヒップホップやR&Bに傾倒しつつも、確かな歌唱力を武器に、スケールの大きなエンターテイナーを指向して来たアーティストだ。2000年にデビューした彼女が、一般的な知名度を得たのは、2003年にリリースしたゲームソフト『ファイナルファンタジーX-2』のテーマ曲となった7枚目のシングル『real Emotion/1000の言葉』のヒットがきっかけ。それ以降は数々のヒットを放ち、現在ではエイベックスの看板アーティストとして君臨している。昨年リリースした前作『Kingdom』は、メロディ重視の作りだったこともあり、そうした期待に十分応えるものだった。

 とはいえ彼女の指向性は、元々いわゆるJ-POPの範疇だけに収まるものではない。それを大々的に展開したのが、最新アルバムの『TRICK』といえるだろう。先行シングルの『TABOO』は、まさにタイトルが現しているように、カラオケ向けのナンバーとは異なるアンダーグラウンドな香りを放つ内容だった。しかしそれが見事にオリコン・チャートで一位を獲得し、NHKの紅白歌合戦でも披露するまでの成果を収め、アルバムはBlack Eyed Peasのファーギーとのコラボレーション・ナンバー『That Ain't Cool』など、洋楽的な要素も果敢に取り込んでいる。

 アルバム全体では楽曲ごとに異なるキャラクターを演じているかのようなバラエティ豊かな印象を受けるが、今回のアルバムは制作中からステージで見せることも念頭に置いていたということなので、ライブではさらにダイナミックな振り幅を見せてくれることは間違いないところ。自らの多彩な資質をアリーナ・ツアーならではの、スケールの大きなステージングで解き放つ姿に注目したい。(2009/4/17)