ミドルティーンでデビューし、女子高生のカリスマと呼ばれた女性シンガー・ソングライター。昨年秋にリリースしたベスト・アルバム『BEST DESTINY』の大ヒットの記憶も新しい中、今回は20代に入ってから最初のオリジナル・アルバム『Ring』を携えたツアーで、全国8ヵ所・計10公演を巡る。新しい表現の扉を開いた彼女を目撃しよう。
加藤ミリヤは2004年にシングル『Never let go / 夜空』でデビューしている。作詞作曲も自ら行うシンガー・ソングライターとして16歳でシーンに登場するというのは、近年のシーンでもかなりレアなケースだったといえるだろう。しかしその若さゆえに、ヒップホップやR&Bをベースとしたサウンドにのせて歌う等身大の歌詞は、同世代の熱い共感を集め、“女子高生のカリスマ”というキャッチフレーズが付けられるほど、その存在はクローズアップされていった。そうした中で二十歳になった彼女が昨年リリースしたベスト・アルバム『BEST DESTINY』は、デビュー以来の集大成を行った作品であり、オリコン初登場で見事に一位を獲得し、人気の凄さを改めて印象付けている。
今年7月に発表された最新アルバム『Ring』は、そうしたプロセスを経て二十代に突入した彼女にとって初のオリジナル・アルバムだ。ただし本作の制作に着手する前の彼女は、創作上の壁に直面していたという。それまでの彼女は自分のために歌いたいことを作品にしてきたが、多数のファンの存在を身近に感じるようになったため、自分が今やるべきことを見定めようとしていたのである。その結果として今回届けられたアルバムは、自分自身の弱さもきちんと表現していこうとする姿勢が鮮明になり、表現者としての深みを増した仕上がりとなった。
そしてこの最新作を携えて、いよいよ9月から8ヵ所・計10公演の全国ツアーがスタート。若くして多くのリスナーを獲得したアーティストには、自らの成長のプロセスをファンと共有できるという特権がある。確かな足取りで二十代の扉を開け、新たなサイクルを歩み
始めた加藤ミリヤのステージは、彼女を女子高生のカリスマとして支持してきたファンにとっても、時間の経過と共に成長してきた自分たちの姿も反映した味わい深いものとなるに違いない。(2009/7/17)