ブリティッシュ・ロックの覇者、オアシスが3年半ぶりに来日する。すでに最初に発表した幕張公演は即日ソールド・アウトとなっているが、それを受けての追加公演が決定した。昨年10月の最新アルバム『ディグ・アウト・ユア・ソウル』で、さらなる高みへと到達した彼らの勇姿を目撃しよう。
ロック・シーンの新陳代謝は激しい。特にイギリスの場合は、プレスが新人を大きく取り上げて、あっという間に消費してしまうという傾向が強い。しかし、オアシスはそうしたイギリスのシーンで、1994年のアルバム・デビュー以来、全てのオリジナル・アルバムをUKチャートのナンバー1に送り込んできた極めて希有な存在だ。
マンチェスターの労働者階級からロック・スターの座を手にした彼らは、ワイルドなキャラクター性で知られている。他のアーティストへの歯に衣着せぬ批判で、しばしば波紋を呼んでいる。それのみならず、ボーカルのリアム・ギャラガーとメイン・ソングライターのノエル・ギャラガーは、実の兄弟であるにも関わらず、激しく衝突し、周囲を心配させるほどの騒ぎになったことも珍しくない。
しかしそれでもオアシスが熱烈な支持を受けてきたのは、彼らが敬愛するビートルズ以来のブリティッシュ・ロックの伝統を踏襲した上で繰り出す楽曲が、幅広い世代からの支持を勝ち得る圧倒的なクオリティを持つからに他ならない。しかも初期はノエル・ギャラガーが、大半の楽曲を書いていたが、近年はリアムもソングライターとして成長するのと同時に、途中からメンバーとなった元ヘヴィ・ステレオのゲム・アーチャーと元ライド、ハリケーン#1のアンディ・ベルも作曲で貢献するようになり、バンドとしてのクリエイティビティが、加速的にグレード・アップ。2008年10月に届けられた最新アルバム『ディグ・アウト・ユア・ソウル』も、四人の作曲したナンバーが収められており、バンドとしての充実ぶりを実感させる仕上りだ。
こうした中で実現する3年半ぶりの来日公演は、幕張メッセでの2DAYSが即日ソールド・アウト。急遽決定した追加公演は、快進撃を続ける彼らの勇姿を目撃する絶好のチャンスといえる。(2009/1/9)