チケットのことならチケットぴあチケットぴあ

こんにちは、ゲストさん。会員登録はこちら

チケットぴあコラム

レディオヘッド

 貪欲に変化し続けてきた音楽性の凄みで、90年代以降に登場したロック・グループとしては、他に並ぶ者のいないビッグ・ネームであるレディオヘッドが4年ぶりに来日する。自由な価格設定によるダウンロードで先行発売した最新アルバム『イン・レインボウズ』を携え、バンド・サウンドに回帰した現在の充実ぶりに期待したいところだ。

 現在のポピュラー・ミュージック・シーンの中では、ジャンルごとの細分化が進んできたために、ロック・グループが様々なスタイルを縦断して新たな領域を切り拓くことが、どんどん困難になってきている。しかしそうした中でレディオヘッドは、ロック・バンドとしてエレクトロニクスに取り組み、ギター、ベース、ドラムス、キーボードといった楽器編成から生じる制約に抗うようにして自分達のサウンドの可能性を広げてきたグループだ。

 彼らは1993年のデビュー・アルバム『パブロ・ハニー』から、シングルの『クリープ』がヒットし、幸先の良いスタートを飾ったが、この時期の作風は、オルタナティブ以降の流れを受けたギター・バンドという印象が強かった。

 その後、1995年のセカンド『ザ・ベンズ』からは、個々のメンバーが様々な楽器を駆使するようになり、1997年のサード『OK コンピューター』では、トリップホップなどからの影響も反映するようになっていく。そしてバンドにとって最大の分岐点は、2000年の『キッド A』だった。この作品において彼らは、エレクトロニクスを全面的に導入し、ポスト・テクノ、ポスト・ロックといった領域に踏み込んだ劇的な変化で、多くのファンに衝撃を与えた。

 現在の時点での最新作『イン・レインボウズ』の作風は、バンド・サウンドに回帰した傾向が強いが、これまでの経験を活かした緻密な音作りは、単純なバンド・サウンドとは明らかに一線を画している。しかもこうした自由な創作の境地を目指す彼らの志の高さは、決して自己完結的なものではない。チベット問題や南北間の債務問題など、現在の地球上に存在する具体的な問題にも、彼らはバンドの活動で積極的に関与しているのだ。今回の来日公演でも、現状に妥協すること無く、より高い次元を目指す彼らならではの真摯なステージを見せてくれるに違いない。(2008/4/25)