1月18日からスタートした全国ツアー“I was music”のファイナルが、さいたまスーパーアリーナに決定。メジャーからのアルバムは、昨年リリースしたサード『just A moment』のみだが、すでに数々のフェスなどで、緊張感に満ちたライブの凄みは知れ渡っているだけに、ダイナミックなステージングで、会場を圧倒してくれるに違いない。
ボーカル&ギターのTK、ボーカル&ベースの345、ドラムスのピエール中野からなる凛として時雨は、男女ツイン・ボーカルというユニークな編成のスリー・ピース・グループだ。創作上の中心人物は、作詞作曲からプロデュースまでを担当しているTKだが、その作風はいわゆるシンガー・ソングライターの楽曲を、リズム・セクションが肉付けするようなスタイルとは大きく異なっている。
楽曲は緩急の起伏に富んだ複雑な構成を持っており、演奏も緊張感に満ちた極めて緻密なもの。ボーカルのパートの振り分けも、非常に入り組んでおり、TKのハイトーン・ボイスと女性ベーシストである345の掛け合いやハーモニーがめまぐるしく交錯していく。
こぎれいな完成を目指すのではなく、構築と解体を同時に行っているかのようなテンションとスピード感の生むカタルシスは絶大だ。ラウド・ロックとプログレを融合したようなサウンド指向の姿勢は、現在の日本のロック・シーンの中でも、かなり先鋭的と言って良いだろう。カラオケで歌えるタイプの音楽とは、根本的に決定的に異なっているのである。だがそれにもかかわらず、彼らが昨年リリースしたメジャー・デビュー・アルバム『just A moment』は、オリコン・チャートで四位に入るセールスを記録するほどの支持を獲得している。
こうした快挙を可能にしたのは、数々のフェスなどで知らしめてきたライブ・バンドとしての凄みだ。それを受けて彼らが今年1月18日から開始した全国ツアー“I was music”のファイナル公演は、4月17日のさいたまスーパーアリーナという大舞台に決定した。メジャー・デビュー翌年でありながら、すでに確固たる存在感をシーンに築き上げている破格のトリオならではの、ダイナミックなステージングで、会場を圧倒してくれるに違いない。(2010/01/29)