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@ぴあコラム

スティング

 ポリス来日の興奮も記憶に新しいスティングが、今度はソロで来日。今回の公演は、16~17世紀のイギリスを代表する作曲家でリュート奏者のジョン・ダウランドの作品を聴かせた2006年のアルバム『ラビリンス』に焦点を当てたもの。現代リュート演奏の第一人者エディン・カラマーゾフと共にアコースティックなステージを展開してくれる。

 今年の2月に27年ぶりの来日公演を行ったポリス。そのフロントマンであるスティングが、今度はソロで来日公演を行う。ただし今回は、いわゆるロック・コンサートとは異なる内容で、コンサートの軸となるのは、彼が2006年に発表したソロ・アルバム『ラビリンス』。これは16~17世紀のイギリスを代表する作曲家であり、リュート奏者でもあったジョン・ダウランドの楽曲で構成し、各国のクラシック・チャートで一位を獲得した作品だ。

 ジョン・ダウランドは、宗教的な作品はあまり残さず、愛や悲しみをテーマにした世俗的な作風で知られている。国王付属のリュート奏者にまでなったが、イギリス宮廷に迎え入れられる前にはヨーロッパ諸国を渡り歩いた時期もある人物だ。スティングはこうした彼に対して、作品だけでなく、生き方についても深い共感を持っており、「私たちが馴染み深い、典型的な疎外されたシンガー・ソングライターのおそらく最初の例であった。彼がひどく現代的に響くのはそのせいだろう」というコメントを発している。そうしたこともあって『ラビリンス』には、音楽だけでなく、ダウランドがエリザベス1世の秘書長官であったロバート・セシル卿に宛てた手紙の一部を、スティングが朗読したトラックも収録。時代背景や彼の発想などが分かる構成となっている。

 このアルバムで大活躍しているエディン・カラマーゾフは、現代リュート演奏の第一人者といわれるミュージシャンで、今回のステージは、スティングとエディン・カラマーゾフ、そしてイギリスの声楽アンサンブル集団スティレ・アンティコによって展開されることになっている。通常のロック・コンサートとは異なるが、シンガー・ソングライターとしてのスティングの資質を、リスペクトに満ちたステージで発揮してくれるに違いない。(2008/9/26)

(C)KASSKARA / DG