チケットのことならチケットぴあチケットぴあ

こんにちは、ゲストさん。会員登録はこちら

チケットぴあコラム

UNICORN

 80年代後半から90年代前半にかけて、大きな盛り上がりを生んだバンド・ブームの中、奥田民生を含むメンバー全員のキャラクター性を活かしたユニークなアプローチで独自のポジションを築いたUNICORNが、16年ぶりに復活。2月にリリースするシングル『WAO!』とアルバム『シャンブル』を携え、全国ツアー“蘇える勤労”を展開する。

 特別な才能を持つシンガー・ソングライターをフロントに擁するロック・グループは、往々にしてそのフロントのカラーで染まってしまうものだ。しかしUNICORNは、80年代後半から90年代にかけて大きな盛り上がりを迎えたバンド・ブームの中で、そうしたケースに当てはまらないユニークな活動の仕方で異彩を放ったグループといえる。

 大きな奥田民生という巨大な才能を擁しながらも、あくまでもメンバー全員が曲を作り、ボーカルも担当するというスタイルは、パートごとに役割を分担するのが当たり前という風潮の中では、かなり際立って見える。

 当然作風はバラエティに富んだものになるため、曲調で統一したイメージは、出しにくくなる。しかし逆に各メンバーの音楽的な個性やキャラクター性を打ち出しやすくなるというメリットも生まれる。実はバンドの中で、他のメンバーが曲を書いて歌うことを積極的に押し進めていたのは、奥田だった。そしてロック史を振り返ってみれば、奥田が敬愛するビートルズという前例が示すように、これもまた伝統的なバンド観の現れ。1993年にバンドが解散した後に、ソロとして大活躍してきた奥田だけでなく、他のメンバーも多彩な活動を行ってきたのは、UNICORN時代に各人の創作能力を鍛える環境があったことも少なくなかったはずだ。

 そしてUNICORNは、今年に入ってから公式に復活を宣言し、奥田民生、手島いさむ、阿部義晴、EBI(堀内一史)、川西幸一という往年のラインナップで活動を開始することになった。阿部が作詞・作曲・メイン・ボーカルを務めるシングル『WAO!』とニュー・アルバム『シャンブル』を携えた全国ツアー“蘇える勤労”は、こうしたユニコーンならではのバンド観を、改めて21世紀の日本の音楽シーンに飄々と提示するものとなるだろう。(2009/2/6)