
オアシス、カサビアンなど、多くのバンドに現在も影響を与えているイギリスのロックバンド、THE STONE ROSES。1996年に解散を発表し、その後メンバー間で互いを罵倒し合うほど関係が悪化していたために、再結成は難しいだろうと言われていたが、2011年に再結成。そして来年6月、21年ぶりに日本で単独公演の開催を発表!
『FUJI ROCK FESTIVAL 2012』『SONICMANIA 2013』などフェスでの来日は果たしていたが、単独公演は21年ぶり。会場は前回来日時に公演を行った日本武道館!
【それまでの音楽の楽しみ方を変えた】
音楽的には伝統的なロックのフォーマットを取りながらも、ハウスの4つ打ちのビートを導入し、それまでのリスナーにとっての受身のロック音楽と異なり「オーディエンスが踊れるかどうか」という機能性を重視した楽曲を多数発表した。
【現在までに発表したオリジナルアルバムは2枚だけ】
10数年におよぶ活動期間のうち、彼らが発表したオリジナルアルバムは1989年の「THE STONE ROSES」、1994年の「Second Coming」のみ。しかし、その2枚でシーンに与えた影響は大きく、特に1stアルバム「THE STONE ROSES」はNME誌の「ミュージシャンが選ぶ人生を変えた名盤100枚」でビートルズをおさえ、1位に輝いた。
【オアシス、カサビアン、大物バンドが敬愛】
オアシスとして活動していたギャラガー兄弟、現在世界で最も成功しているイギリスのバンド、カサビアンなど、多くのアーティストがその影響を口にする。とくにリアム・ギャラガーはローゼズのライブを見た事で音楽に開眼し、初期はイアン・ブラウン(Vo)の歩き方や歌い方も真似するほどだったとか。
満を持してリリースした2ndアルバムが思うような評価を得られず、また、長年のバンド活動で生じた軋轢から、1996年の解散当時、バンド間の人間関係は最悪となっていた。特に、幼馴染であったはずのイアンとジョン・スクワイア(G)は解散後、メディアを通じて互いを罵倒しあうなど関係が悪化。(ジョンがイアンを「音痴」「被害妄想」と言うと、すかさずイアンは「奴が成功してたのは、俺が横にいたときだけだよ」と返答)。このような状況から再結成の可能性はほぼ0パーセントに近いだろうと言われていて、数億円のギャラでの再結成オファーも断っていたと報じられていた。しかし、2011年春、マニ(Ba)の母親の葬儀の際にイアンとジョンが15年ぶりに会話を交わし、その年に再結成を発表。ファンは歓喜しました。
「I Wanna Be Adored」…1stアルバムの1曲目を飾る楽曲。邦題は「憧れられたい」。ノイズ交じりのメロディに、ベース・ドラムが重なっていくイントロ、そしてエコーのかかったイアンのボーカル。この1曲目でUKロックシーンを変えたと言っても過言ではありません。
「She Bangs the Drums」…1stアルバムに収録。ライブでは合唱が起こる、ローゼズのキャリアの中でも人気・楽曲のクオリティともに高い楽曲です。
「Begging You」…2ndアルバムに収録。このアルバム唯一のイアンとジョンによる共作曲。圧倒的なグルーヴ感が印象的な曲です。
THE STONE ROSES
2016年6月2日(木)
会場:日本武道館(東京都)
イアン・ブラウン(ヴォーカル)、ジョン・スクワイア(ギター)、マニ(ベース)、レニ(ドラムス)の4人によって、1983年に英国マンチェスターで結成。1989年にゾンバ傘下のシルヴァートーン・レーベルからデビュー・アルバム『ザ・ストーン・ローゼズ』をリリース。60年代のブリティッシュ・ポップス風の甘く美しいメロディとハーモニーに、ハウスのノリをミックスしたような豪快なサウンドが、当時のブームとなっていたレイヴなどにリンクして、本国イギリスをはじめ、ヨーロッパや日本で人気爆発。後続のバンドに大きな影響を与え、ハッピー・マンデイズなどとともに、マンチェスター・ムーヴメントの中心的存在として活躍。低迷していた英国ロックの救世主として注目され、世界的人気を集めたが、その後は長い沈黙に入り、1994年になってレコード会社をゲフィンに移籍して2作目のアルバム『セカンド・カミング』を発表。再びシーンで大きな脚光を浴びたが、1996年10月にバンドは解散。その後、イアン・ブラウンやジョン・スクワイアをはじめ、元メンバーたちはそれぞれ独自の音楽活動を行っていたが2011年に再結成を発表し、翌年に再結成ライブを行ったほか、『FUJI ROCK FESTIVAL 2012』『SONICMANIA 2013』での来日も果たした。来年6月には地元マンチェスターの6万人を収容するエティハド・スタジアムでのライブを控えている。