三匹のおっさん三匹のおっさん

人気作家・有川浩が描く、還暦ヒーロ活劇
あのおっさんたちが、いよいよ明治座の舞台にやってくる!

三匹のおっさん

――意外性のあるキャスティングですが、主演の皆さんは、ご出演を決めるにあたって、どんな点に注目されたのでしょうか。

松平「舞台で現代劇を演じた経験がないので、そのことがまず大きかったですね。これまでは、そういうオファー自体がなかったので。やっぱり自分の幅を広げるためにも、これは挑戦しなきゃな、と。まず原作が面白いですよね。夫婦や家族間の問題もしっかりと描かれているし、演じるキヨと自分は“言葉足らず”な点が共通している。あとは、やっぱり共演者です」
梅雀「僕も原作が面白いと思いました。おっさんやジジイと言われている年代にとってすごく元気をくれる内容なのはもちろん、どんな世代にも通じる魅力的なポイントがありますよね。あとは同じく共演者です。これは面白いなと思いましたね。この3人で時代劇じゃないというところがね。どういう舞台になるのか実に興味深いですよね」
西郷「『三匹のおっさん』はもともとテレビで観ていて、いい企画だなと思っていたんです。で今回の打診をいただいて、原作を読んでみたら、これが実に面白い。それに、誰が考えたんだっていうぐらい絶妙なキャスティングでしょう? これはもうふたつ返事でお受けしました」

――観客がそれぞれに共感できそうな三者三様のキャラクターが、この物語の大きな魅力です。

松平「仕事一筋にやってきたキヨは、定年を迎えて、再就職先は見つけたものの、肩身が狭く、もはや家に居場所がない。でも60歳といえばまだ体力もあるし、仕事もできる年齢ですよね。それで、友人であるシゲの居酒屋に集まっては愚痴を言い合っているうちに、かつての悪ガキ3人でもう一度立ち上がるという」
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――剣道の達人であるキヨは、曲がったことが嫌いな熱血漢ですね。

松平「といいながら、町内の悪をやっつけるために奮闘する一方で、実は、妻の幸せについてはあんまり考えてないんですよね。3人力を合わせれば活躍できるキヨも、自分ひとりでは家庭のことさえ解決できない」

――妻を亡くし、娘とふたりと暮らす機械マニアのノリは、梅雀さんが演じます。

梅雀「娘を溺愛する父、という役柄ですからね。僕には25歳の娘がいて、そして新たに8月に娘が生まれますけど、おそらく溺愛しちゃうだろうなと思います。だから、いろいろ想像しながら台本を読んでるだけで、涙が出てきてしまうんですよ。まさに直球で来ますね。あと、改造して武器を作るっていう点は、僕も自分の武器である楽器をよく改造しますし、気持ちはインドア派なので、演じるにはピッタリです」

――西郷さんが演じるシゲは、3人のたまり場である居酒屋“酔いどれ鯨”を息子夫婦に任せて、妻と悠々自適に暮らしています。

西郷「会社勤めした経験があるのかないのか、若い頃から居酒屋をやっていたのかわからないけど、シゲはちょっと異質な男なんですよね。でも決して悪い人間ではなくて、シャイで、そのくせプライドはものすごく高いという、この世代を代表するタイプです。奥さんも同じようにプライドは高いんだけど、シャイではない(笑)。だから強烈な闘いをするわけです」
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――老いていくことで、失うものも、得るものもありますが、皆さんは、歳を重ねるということについてどのように考えていますか。

梅雀「役者は、老いてられないんですよね。老いた役がくれば、もちろん老いに近づこう、それを再現しようと思うけど、自分よりはるかに若い役も来るし、一度に人の一生を演じることもある。だから、老いちゃいけないなと思う一方で、僕はしわが少ないんで、早く歳相応の顔になりたいと思ったりします。芸に関していえば、数を重ねてきたからこそ、そぎ落とすことができたり、自分の限界がわかるようになって突っ張らなくなったからこそ、“なんだ、こんなことできるんじゃないか”って新たな可能性が見えたりもする。役者って、いろんな刺激があって面白いですね」
西郷「役者としては積み重ねていく部分もあると思いますが、子どもの父親として、あるいは、奥さんの亭主として生きていくことを考えると、積み重ねばかりではいけないと思うんですね。よく、“捨てたもんじゃない”と言いますが、むしろ“捨てなきゃいけないものもある”。断捨離じゃないけれど、余分なものをいかに捨てていくかが大事。僕は最近そう思えるようになってきましたね」
梅雀「一番捨てるべきは、プライドかもしれない。プライドが自分の邪魔をしてるんだなって思うことが僕もあります」
西郷「いやあ、それとの闘いですよ。絶対そう思う」
松平「本当にそのとおりです。時代劇でヒーローものをずってやってきた自分が、今回は、立ち回りで負けちゃったりする。そんなところも含めて歳と共に変わっていかなきゃならないと思いますよ」
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――ところで、3人の物語と言えば、『三人吉三』や『三銃士』など、古今東西、名作が多いですよね。

梅雀「『三ばか大将』とかね」
松平「NHKのコメディでもありましたよね、『お笑い三人組』」
梅雀「あと『ブーフーウー』。それと最近、人気ヒーローを集めた作品も多いですよね、『アベンジャーズ』とか。『三匹のおっさん』は、素性を隠して活躍するあたりは、『スーパーマン』に近いかもしれない。『スーパーマン』や『アイアンマン』みたいなスーパーキャラをイメージさせる部分も、くすぐりますよね」

――“おっさん”たちの場合、3人揃って初めて力を発揮します。

西郷「本来ならば『暴れん坊将軍』がひとりでやればいいことですよね(笑)。事件を解決するのに、3人も必要ないんですよ。僕らはお庭番かなんか、将軍に証拠の品を差し出す役だったりしてね(笑)。でもやっぱり今回は、健ちゃん演じるキヨひとりじゃ何もできないっていうところがね、すごく素敵ですよね」

――今回は、小説、テレビドラマで多くの方に親しまれている『三匹のおっさん』を、芝居として演じることになるわけですが、皆さんは、舞台のどこに魅力を感じていますか。

松平「ひとつの空間の中でお客さんと同じ空気を吸えることですね。やれば帰ってくるというのは、俳優にとってやっぱり最高の喜びですよね」
梅雀「ええ、やっぱり生の反応ですね舞台は。それから、共演者との生の会話がフッと予定調和じゃないところにいく時が最高に楽しいですよね。僕は毎日同じことするのが耐えられないので、常に変えるんです。(松平、西郷に)スミマセン(笑)。同じセリフでもぜんぜん違うように言ったり、アドリブ入れちゃったりとか、しょっちゅう」
西郷「舞台はやっぱりそれですよ。真剣勝負だからね。初日が開いたらそんなにしょっちゅう打ち合わせもしないだろうし、さあ今日はどうやってやろうかっていうね」
梅雀「本番でいきなりぶつけ合うところに、面白さがありますよね。“おっ、来たな”って思ったりしますよね」
西郷「今回は、3人の個性がまったく違っていて、その個性をそれぞれに活かせるのがいいですよね。チームワークがすごく大事だと思うし、その空気感は観ている方にそのまま伝わると思います」
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――今回の舞台に取り組むにあたって、特に課題として取り組まれる点は?

松平「私はもうテンポです。時代劇だと結構ゆっくりなんで、そこは大きな違いだと思いますね。キャッチボールですよね、相手の人との。そこはやっぱり、いろいろ工夫しながらやらなきゃいけないなと思います」
梅雀「なんか近所の家をのぞいているような感覚で観られる舞台だったら面白いなと思います。そのナマ感プラス“飛ぶときは飛ぶぞ”っていうアクションの派手な気持ち良さ。そういうメリハリのきいた舞台になるとすごくいいなと思うし、千秋楽にどんな感じに変化してるかなっていうのも楽しみです。リピーターが増えるとうれしいですね」
西郷「シゲという特徴のある人物と、本来の僕をどういう風にミックスしていくか。せっかくこういう役をいただいたんで、自分なりに新しいキャラクターを作っていきたいですね。それができれば、来年以降新しい展開が待っているかな、なんて目論んだりしてます(笑)」

取材・文/三重竜太郎 撮影/源賀津己

公演日程・チケット情報

中日劇場(愛知県) 2015/10/1(木) 〜 2015/10/8(木)
新歌舞伎座(大阪府) 2015/10/17(土) 〜 2015/10/31(土)
博多座(福岡県) 2015/11/5(木) 〜 2015/11/26(木)
はつかいち文化ホール(広島県) 2015/11/28(土) 〜 2015/11/29(日)
アルファあなぶきホール(香川県) 2015/12/1(火)

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