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チケットぴあインタビュー

fade

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今年4月にリリースしたシングル「One Reason」は、人気アニメ『デッドマン・ワンダーランド』のオープニングテーマに抜擢。最新ミニアルバム『Kings of Dawn』では、アンダーグラフの真戸原直人から提供された初の日本語詞曲「コミカリズム」など音楽的新境地に挑戦。さらに、メンバーのJonはYELLOW FRIED CHICKENzであのGacktとツイン・ボーカルを担当、etc……。
活動のスケールを着実に広げながら、日本国内はもちろん、世界のミュージック・シーンへも飛翔していきそうなポテンシャルをこのfadeは確かに感じさせてくれる。12月に待望のワンマンツアーを開催する注目のバンドからJon、kansei、ruiの3人に登場してもらったこのインタビューで、まさに“世界標準”の実力を持った注目バンドの存在をあらためて知っていただけたら幸いだ。

――fadeの活動は、皆さんが元々住んでいたアメリカだったり、アジアツアーも行ったり、世界をまたにかけた規模で行われていますね。楽曲的にもこれまでの作品は歌詞が全て英語でしたが、それはやっぱり海外での活動も見据えてのことだったんですか?


Jon「じつは、最初のころは日本語もやってみたんだけど、俺の歌が全然ダメで(笑)。だったら、自分達の表現においてのリアルさはどこにあるのかを考えるとやっぱり英語だったから歌詞を書くときも英語になったっていう、まぁ自然な感じだったとは思うんだけど。でも、活動的には日本がベースだけど、アメリカはもちろん他の色んな国に向けてもインターナショナルな感じでいければいいなっていうのはあったかもしれないですね」

rui「それは、時代性もあるとは思うんだけどね。数年前にMyspaceとかが出てきて俺らもそれを使ってたり、今はFacebookみたいなSNSが出てきてユーザー数がすごく増えて。ああいうところに自分達の曲を乗っけたりプロモーションが出来る、色んな世界からのリアルな声を聞くことが出来るっていうのは、今の時代ならではかもしれない。SNS経由でこっちから「どういう曲が好き?」って問いかけたりとかも出来るし。そういうところで海外のファンとも距離は縮まってるかなとは思うし、色んな反応をもらえたことで自分達は海外でもいけるはずだっていう自信はあらためて実感できた気もするし」

kansei「「この人は何人?」って疑問を英語で書き込みしてくれたり、面白いよね」

Jon「(笑)メンバーは帰国子女で、ボーカルはひとり白人っていう構成に興味を持ってもらったりね。しかも、白人が日本語を歌うのが刺激的で面白いよっていう声をもらえたり」


――fadeとして初めて日本語の歌詞に挑戦したのは、『Kings of Dawn』収録曲の「コミカリズム」ですね。その日本語の楽曲に挑戦するまでになったfadeの音楽的なスタイルの流れを、ご自身ではどんなふうに振り返りますか?


rui「ある意味、スタイルは守ってないよね?」

kansei「(笑)かもしれない。今のスタイルに行き着くまでには3段階ぐらいあるんじゃないかな、みたいな。1枚目(2003年リリース作『fade』)から2枚目(2005年リリース作『A Moment of Truth』に行く時期は、特にガラッと変わったんじゃないかな。曲は基本的にはruiが書いてるんですけど、その曲自体のスタイルがハードになったり、逆にソフトなものになったり、激しい曲からバラード系まで……。そういう細かい変化はあると思うけど、基本的には、“fadeの曲”で“fadeのスタイル”っていう感覚の中にどれも当てはまるというか。ruiが作ってきた曲を基本軸に、その中にどうバラエティさがあるサウンドをつけていくかっていう感覚かな、とは思うんですけど」


――前にインタビューさせてもらったときは、UKロックっぽいテイストの曲をやっていた時期もあったっていう話をしてくれましたよね?


rui「あぁ、そうですね。Jonが入る前は、アメリカのロックに飽きちゃってイギリスのロックをよく聴いてた時期があって。Radioheadの『OK Computer』がちょうど出てきて、この知的で、イカレてる感じは何なんだろうなって。そういうのが好きだった時期もあり、アメリカでも例えばスマパン(The Smashing Pumpkins)みたいなオルタナティブなバンドは俺もkanseiも好きで。曲が8番ぐらいまであったりするけどそれが普通に聴けちゃったりするのが、スマパンのBilly Corganはスゴいと思うんだけど。そういうのが好きだったり、Sigur RosとかMogwaiみたいなポストロック系とか……。当時のボーカルはファルセットがキレイだったんでそういうテイストに流れてたこともあったけど、Jonが入って、ボーカルスタイルが全然違うからバンドとしてのスタイルも自然に変わって」

Jon「俺達がロックばっかり聴いてると、作る曲の幅も一色になっちゃうんじゃない? その幅を広げるためには、例えばR&Bとかソウルを聴いてます、じゃあその感覚をそのまま取り入れますっていってもそう簡単にできないとは思うけど……。でも、そういうふうに色々な音楽を聴くことで、そこから感じたものをスパイスとして自分達の曲に入れてみたり、色んなバランスで曲が作たりするんじゃないかなって気がする」


――JonさんはYELLOW FRIED CHICKENzのメンバーとしても活動されていますが、その活動からfadeへフィードバックできそうなものもあったりしましたか?


Jon「うん! それはすごくある。YELLOW FRIED CHICKENzでツイン・ボーカルでどうパフォーマンスするかっていうのは、今までfadeでやってきたものと全然違うわけで。ほとんどの曲を英語と日本語のミックスでやってることとかも、毎日本当に勉強になるし。そういう色んな影響が、意識はしてなくてもfadeの作品を作るときに何かしら反映できるんじゃないかっていうのは、やっぱりあると思う。色んな化学反応が起きるか起きないかっていうのは、毎回結構楽しみなんですよ」

rui「うん。俺とかkanseiは元々80年代のロックとかも通ってるからそういうルーツが見える曲があったりもするし、UK系の静かな曲をやってるのも良いんだけど、そういうのをちょっと続けてると俺はもっと「ウワァーッ!」みたいな燃える曲がやりたくなったり。ライブでやっても自分に気合いが入るような曲をね。そういう感じで今はハードな曲をもっと増やそうよとか、自分達の嗜好とかルーツに無理なく、作品ごとにトランジッション(移行、変遷、変化)できてるというか」


――今も次の作品の制作に取りかかっている最中のようですけど、その“色んな化学反応”から生まれた新曲は12月のワンマンツアーで聴かせてもらえそうですか?


rui「たぶんやれると思います。最近の曲作りは、例えばシングルになるようなポップなものを作るときと、それとはまったく真逆のハードなものがやりたくなって、またそれに飽きたらバラードをやってみたりっていう感じで、それぞれ全然違うブロックに分けて曲を作ってるんですよ。で、それをどういうバランスで日本で出すのか、アメリカで出すのか、ヨーロッパで出すのかはまだ分からないですけど……。俺達が一番通ってるルーツの音楽は、やっぱり自分達の近くにあった海外の音楽なんだけど、海外のものをそのまま日本に持ってきてウケるかっていったら難しい部分がすごくありますよね。その感覚を自分達の音楽に置き換えると、一例は日本語の歌詞にすることかもしれないし、アメリカではたぶんダサいだろうけど日本ならこれが良いよねっていうような感覚のメロディを考えてみたり。そういう感じで、今までの曲ともまたちょっと違う要素が入ってくるかもしれないので楽しみにしてて欲しいですね」


――ライブの話題だと、前回のツアーは震災の直後だったことが印象に残っているんですが……。そういう状況だったからこそ色々な思いを抱いたんじゃないですか?


Jon「あのときは、音楽よりも、食べ物とか水とか生活面のほうにコンセントレート(集中する、専念する)したほうが良いんじゃないかって思ったりもしたし。このツアー自体をやっていいかどうかとか、タイミング的なこともすごく考えた。でも、やって良かったって思えたのは、そういう中でちょっとだけでも元気づけることだったり……。希望でも、勇気でも、楽しみでもなんでもいいけど、苦しかったりしている中でちょっとだけでも嫌なものを、重たいものをぶっ飛ばせるような時間をシェアできてすごく嬉しかった」

kansei「うん。震災直後で、自分もどういう気持ちでプレイしたらいいか最初は分からなかったけど……。実際始まったら、仙台のお客さんとかもものすごく良い笑顔で、自分達も良いプレイが出来て、ミュージシャンとして本当に嬉しかったし。あと、あのときは「スケールを大きくしていこう」みたいな意識をみんなが持ってツアーを回っていたんですけど、ライブを重ねていく中で自分達の身体にそういう感覚が入っていったというか。そういう意味では良いステップアップになったんじゃないかなと思うし、バンドとしての成長の過程においてはすごく良かったですね」

rui「俺達の日本語の曲を初めて聴くお客さんの反応とか、今までやってきた英語の楽曲を支持してくれてた人達が評価してくれるんだろうっていうのは、すごく自分自身興味があったんだけど……。英語だから/日本語だからっていう部分も、俺は全然気にならなかったというか。俺達の日本語の曲を一緒に歌ってくれる人達が増えたり、自分達の言いたいこと、伝えたいことを日本語にすることもありなんだなっていうのも、ライブだとリアルに感じられたんですよね。そこから得たものは、これから本格的に制作に取りかかる次の作品のアイデアになりそうな感じがすごくあります」



取材・文:道明 利友