チケットのことならチケットぴあチケットぴあ

こんにちは、ゲストさん。会員登録はこちら

チケットぴあインタビュー

泉谷しげる

泉谷しげる
荒ぶる魂・泉谷しげる。ソロアーティストでありながら音楽評論の執筆やプロデュース活動も並行する和久井光司。あの『20世紀少年』で知られる漫画家の浦沢直樹。アナーキーのギタリストとしてデビュー以来多くのセッションを重ねてきた藤沼伸一。この曲者どもが集うライヴが決定。若者の街渋谷のど真ん中、ギャルの聖地109のお隣のマウントレーニアホールで催されるこのライヴ。何が起こるか予測不可能、予定調和拒否のガチンコ勝負になりそうだ。

──10月1日に開催されるライヴ・アット渋谷道玄坂『天才か人災か』は、どのような内容になりそうですか。


和久井:「5月に発売になった泉谷さんのベストアルバム(1971年から2009年までの代表曲を網羅)と同じタイトルですから、このイベントのプロデューサーとしては、その収録曲をたっぷりやりたいと思っています。だって、泉谷さんの作品は30年以上も前のものでも、今なお古びていませんからね。」


泉谷:「歌というものは普遍的であるべきだと思って作ってきたからね。今この不景気な時代には『春のからっ風』みたいな曲が案外合ったりもする。ただ、その反面、70年代に作った俺の歌が古びてないことへの苛立ちもある。本当は“泉谷の歌なんか古臭い!”と思ってくれないと、世の中が進化したことにはならないから。俺がベスト盤を出せるような、堂々めぐりしているような、時代のほうが問題なんじゃないか!?」


和久井:「泉谷さんの中では音楽は社会的なことなんですよ。ライヴのリハのときも、バンドだけで練習していると“それじゃ軽音楽だ!”“俺が目指してるのは音楽以上のものだ!”と怒鳴ったりする。」


泉谷:「音楽だけやっててもね、高が知れてるというか。俺がミュージシャンに言いたいのは、バック・バンドのつもりでいるなってこと。なぜここに自分がいるのかをもっと意識しろ、と。それで初めて音楽以上のものが生まれる下地ができる。音楽だけなら、うまいやつらはいくらでもいるわけであって、ソイツである必要はない。だろ?別にクラシックみたいに全音を譜面どおりに弾くような演奏を目指しちゃいねーし。むしろ間違いから別の何かが生まれるものなんだよ。


──泉谷さん・和久井バンド・藤沼さん・浦沢さんは、この夏のイベント『きちじょうじのなつやすみ』のフリー・ストリートライヴでも共演されましたね。その第二弾ということになりますか。


泉谷:第二弾というより、吉祥寺の初日のリベンジなんだよ。ケジメっていうかさ。あのときは武蔵野市側の仕切りがあまりにも無責任で、みなさんに大変な迷惑をかけちゃったので、追加公演を、というところから始まってるんですよ。それと“たまには有料ライヴもやれ!”って声もあったし。普通は逆だよね(笑)。“たまには無料でやれ!”って言われるものだろう?」


和久井:泉谷さんいわく“街を活性化するとは、まず人を活性化することだ”と。そういう思いが強いからこそ、生半可な仕切りが我慢できなかったんでしょうね。だから、僕がプロデューサーとなって、ライヴ・アット渋谷道玄坂の話を泉谷さんに持ちかけたんですよ。吉祥寺のリベンジだと。」


──泉谷さんと和久井さんは古くから親交があったんですか?


和久井:「いえ、2年くらいですよ。僕が取材する側でお会いしたのが最初でした。そのとき、僕の本やCDを渡したら、すごく面白がってくれて。それがきっかけで『エレック唄の市2009』の音楽監督を任されることになった。それ以来たびたび一緒にやるようになってますね。」


泉谷:「使えるか使えないか、その人の匂いでだいたいわかるよね。もちろんハズす場合もあるけど、和久井さんは想像以上の人だった。」


和久井:で、僕が浦沢さんの1stアルバム『半世紀の男』をプロデュースしたこともあって、泉谷さんに紹介したんです。もともと浦沢さんは、泉谷さんの大ファンでしたから、“会いたい”と常々言ってたし。


──泉谷さんのライヴは、予定調和なし、何が起こるかわからない緊張感がありますが。


和久井:「一緒にステージに立ってる僕らでさえ、この人が本番で何をやらかすのかわからないですから。この前だって、ちゃんと演奏する曲順を決めたのに、本番が始まったらいきなり2曲目から歌い出しちゃうし。」


泉谷:「Ustreamで中継したライヴでも、そのカメラに水をぶっかけちゃって、システムがダウンして、苦情殺到だったらしい。一応は謝ってみたけど、ただで観てやがるくせにガタガタ言ってんじゃねーよな。ちゃんとライヴ会場に来てるやつが一番偉いんだから。難癖つけたいならライヴの現場に来いってんだよ。それはテレビも同じ。お茶の間の人のためには俺は唄えないね。だから、いつもイチからお客さんを集める意識でやってるんですよ。目に見える客がすべて。俺のライヴは、昔の縁日のガマの油売りや見世物小屋みたいなもんですから。ちょっと危険だし、ちょっと怪しいけど、だから楽しい。ま、そのくせ客の安全とイベントの仕切りにはうるさいんだけどね。安全というものがベーシックにないと、危ない事すらできないから。」


取材・文:藤井 徹貫