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チケットぴあインタビュー

神戸JAZZ2008(カルロス菅野×竹上勲)

神戸JAZZ2008(カルロス菅野×竹上勲)
神戸大震災復興10年を記念して始まった、音楽を通し中高生を対象に行う職業体験プログラム“神戸JAZZ”。4回目となる'08年はサルサバンド「オルケスタ・デ・ラ・ルス」を世界屈指のサルサバンドへと導いたカルロス菅野氏を再びイベントプロデューサーに迎え開催される。カルロス菅野氏自身「楽しい」と語る、中高生ビックバンドとプロビックバンドのコラボレーション・イベントの魅力を語ってもらった。

──まず、神戸JAZZに携わることとなったきっかけを教えてください。

カルロス菅野「ミュージシャンとして長年舞台から音楽を発してきて、そろそろ若手を育てるというか、音楽の裾野を広げたいと考えてたところに、竹上氏から話をもらったんだよね。プレーヤーとしてだけでなく、いままでの経験を伝えて若手の成長で肌で感じることができる素晴らしい企画だと思ったんだ」

──すでに第1回目のワークショップを終えられたということですが。

カルロス菅野「今年のバンドは、すごくチャレンジしてるなって思う」

竹上「方向性180度変えてきたりしてるビックバンドがあって驚いたよね」

カルロス菅野「初年度のワークショップは一方的に音楽のレクチャーを行ったんだけど、2年目は彼らの音楽を聴いて手直しをしたんだ。彼らの音楽に対する固定観念をとっぱらって違った解釈を手助けすると、びっくりするほど“音”が変わるんだよね。ほんの少しの手直しで大きく変わったんだよ!だから3年目は+αで、ちょっと刺激を与えたんだ。彼らの視野を広げる刺激をね」

竹上「あの変化は見てるだけでも楽しいよね」

カルロス菅野「経験値は低いけど、吸収する力がすごいね。プロと違って成長の幅が広いんだよ」

──新生・神戸JAZZオーケストラが今回の公演でお披露目となりますが。

竹上「今回のメンバーの半数近くが、過去のワークショップ卒業生。彼らの成長が見れてうれしい。地元・神戸の協力を得て、活動の幅を広げていきたいし、もちろん、このチャンスを生かして彼れにはもっと成長してほしい。今後も、メンバーは3年ごとに入れ替えて常に若手が育つような活動をしていきます」

──ワークショップには「バックステージ・ワークショップ」というのがありますが。

カルロス菅野「全国でもいろんなワークショップが行われているけど、バックステージ(=コンサート運営)のワークショップを行ってるところを神戸以外でしらないな」

竹上「僕が裏方だから(笑) 職業体験としてやっても面白いかと思って始めたんです。今回は新しい試みとして『ラテンミュージック・ワークショップ』も開催するんです」

──なぜ“ラテンミュージック”なんですか?

竹上「初めは、中高生だけでなく、もっと市民の人たちも参加できるワークショップができないかという話があって、神戸には60、70代の方々でもラテンダンスをされてる人が多いということで“ラテン”にしたんです」

カルロス菅野「ラテン音楽もカリブあたりにいくと、その地域ごとにリズムがあるほど多いんですよ。ワークショップでは2、3個を紹介しようと思ってます。厳格なルールがあってリズムを解体して簡単にわかりやすく説明するので、経験がなくても、興味だけで参加してほしい」

──二部ではオーディション通過者との演奏がありますが。

カルロス菅野「オーディションは演奏のレベルが許す限り、一人でも多くの人に出てもらえるようにしてます。各セクションごとに選ぶから最終的には100人ぐらい選ぶんですよ。2、3組を選ぶオーディションなら簡単なんだけどね。とはいえ、アマチュアだかと侮るなかれ。ハイレベルなビックバンドばかりなんだよ!」

──“神戸JAZZ”の魅力は何でしょう。

カルロス菅野「みんな真面目なんですよ。これは僕らが音楽始めた時とは違って、音楽が文化として生活の中に浸透してるってことなんだろうけど、ほんと真面目に取り組むんだ。でも、最後に舞台に立つとプロに挑戦してくるんだよね。技術では勝てないけど、若いエネルギーをプロにぶつけてくるんだよ。するとプロも彼らのレベルに合わそうとなんてしないんだ。本気になって向かい合って演奏してる。真剣勝負なんだよね」

竹上「そのエネルギーが、楽しさが、そのまま客席まで伝わる。それぐらい会場が一体化する参加型のイベントなんですよ」

──今後の“神戸JAZZ”の目標は?

竹上「目標はプロミュージシャンが出てくれることだけど、もう少し時間がかかるね」

カルロス菅野「でも、'06年にパーカッションをしていた子が東京出てきて、プロを目指してたりっていう成果はあるよね。いつかどこかで『実はオレ“神戸JAZZ”に出てたんですよ!』ってプロになって現われてほしいね」

竹上「あとは彼らの夢へのきっかけになってほしい」

カルロス菅野「そうだね。プロのミュージシャンや音楽関係の仕事に就くために専門学校へいくとか、夢へ一歩踏み出すための勇気になってくれればね」

竹上「イベントとしての目標は、ジャズ教育関係を中心に様々なプログラムを行ってきたアメリカのIAJE(*(1))みたいなイベントになること」

カルロス菅野「日本はアメリカみたいに構成がしっかりしているわけじゃないからIAJEまでもっていくことは難しいかもしれないけど、映画『スウィングガールズ』の流行りが消えずに、全国に広がっている。これが渦になって大きな流れになることを期待してる」

──最後に、一言お願いします。

カルロス菅野「ショーとしてドラマが自然とできていて、最後には大きな波のように感動が押し寄せてきます。ぜひ、ジャズの次世代を担う彼らの熱い思いを感じてください」


*(1)International Association for Jazz Educatorsの略。
ジャズ界の指導者、学校関係者が中心となり、音楽を通して、さまざまな企業ワークショップ、コンファレンスを行うアメリカン・ジャズのビッグ・イベント。


取材・文:櫛谷真弓(ぴあ関西)

神戸JAZZ2008(カルロス菅野×竹上勲)

カルロス菅野×竹上勲

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