――ニューアルバム『folklore』を聴いて、このバンドは本当に音楽を愛してるなと感じましたね。これだけ幅広いタイプの音楽を、4人のロックバンドが鳴らせるということに感動しました。
岩崎「本当にいろんな音楽が好きなんですよ。一つに絞ってやるのも大事なことですけど、それだとどうしても飽きちゃう。だったらいろんなことをやりながら、ちゃんと自分のフィルターを通っていればすべてがオリジナルになると思うので、そこは素直にやろうと思ってます。そんなに器用なタイプではないし、どうせロックンロールしか鳴らせないんですけど、その中でもいろんな音楽を尊敬しながらやっていこうじゃないかというスタイルですね」
――しかも基本、人力でしょう。ヒップホップやダンスミュージック系の曲でも、生々しく人間っぽいグルーヴがありますし。
岩崎「前作と前々作で、音楽をどこまで掘り下げられるか、いろいろ試したんですよ。ハウスやエレクトロニカの手法も使ったんですけど、やっぱりバンドだから生で鳴らせてナンボなので。今回は、ライブでより映えるようなサウンドを作ってますね。たとえば「猿の惑星」という曲は、最初に僕が打ち込みで作ったんですけど、BPM130ぐらいで、エイトビートの中に16分音符が入っているので、言うなればBPM260のエイトビートみたいなものなんですよ(笑)。メンバーには「こんなもんできるか!」って言われましたけど(笑)。でも「いやいや、こんな殺伐とした時代に、こういうスポーティーなことをやってお客さんを楽しませようよ」と。みなさんすごく練習していただいて、うまくいったと思います」
――「今の時代の中でセカイイチは何をやるべきか」とか、そういうことは考えたりします?
岩崎「もちろんその時代の流行はわかっているんですけど、どうもそこまで利口になれないというか…。僕はタイムレスで聴ける音楽が好きで、いわゆるグッド・ミュージックがすごい好きなんですよ。だからジャンルレスで聴くし、時代も選ばないし、グッド・リリック、グッド・メロディがあれば、どんな時代でもずっと愛してもらえる音楽ができると思うので、それをやりたいなと思ってます。その中でいろんなジャンルという洋服があるという感じですね。セカイイチのアルバムはクローゼットみたいなもので、今日はどの服にしようか、という感じですね。作品が増えて行けば行くほどクローゼットの中身も充実していくので、面白いなぁと思います。いろんなことができるバンドなので、飽きないんですよ」
――4月には大阪、名古屋、東京でワンマンツアーを行いますね。どんなライブにしたいですか?
岩崎「ワンマンは久しぶりなので、楽しみですね。僕らはいつも、オーディエンスの反応を見てアルバムの手応えを判断するので、「なるほど、こういうアルバムだったんだ」ということがそこでわかると思うし、それもすごく楽しみです。いろんなことをやりたいですね。キャリアが長くなればなるほどできることもあると思うので、そういう楽しみ方をしていこうかなと思います。そのぶんオーディエンスにも楽しんでほしいし、チケットを取って来てくれた人を一番楽しませたいし、喜怒哀楽のすべてを与えたいと思います」
――セカイイチのライブの一番の特長というか、自信を持っているところはどこだと思ってますか?
岩崎「オーディエンスのみんなが「僕たちがこのライブを作ってる一人なんだ」と感じてもらえることだと思います。僕らはそれぐらいみんなとの呼吸を大切にしているし、間合いや、熱量や、そういうものを汲み取って、時には蹴散らして、それでライブというエンタテインメントを作っていくので。オーディエンス、演者、スタッフ、全員で作ってるんだなという感覚を持ってもらえるんじゃないかな。参加することの楽しみを感じてもらえるライブ、それがセカイイチのライブだと思います。ライブが終わったあとにすごい充実した気持ちで帰っていただけるのでは、と思いますよ」