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チケットぴあインタビュー

福田正博

福田正博
かつて浦和レッズのFWとして活躍した福田正博氏のインタビューが到着。古巣がアジア王者として出場する本大会の、優勝争いや注目選手、観戦のポイントを“ミスターレッズ”が語ってくれた。

——ついに出場チームが出揃った『TOYOTA プレゼンツ FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2007』(以下FCWC)ですが、改めてこの大会の魅力は何だと思いますか?

「この大会の前身だったトヨタカップは南米と欧州だけの大会でした。それが6大陸王者の争いになったことで、日本のファンが各大陸のサッカーの特徴やレベルを知る機会ができました。これまでは漠然と『アジアのレベルは低いんじゃないか』と言われてきましたが、各大陸のチームがどんなサッカーをして、どのぐらいの力を持っているのか比較できるようになった。特に今大会は浦和レッズが出場するため、日本のレベル、Jリーグのレベルが測れる。これは非常に大きなことだと思いますね」

——今大会最大の注目はやはり欧州王者のACミランということになりますが、戦力的な部分でのACミランの印象を聞かせてください。

「まず最注目選手がカカであることは間違いないんですが、もう一人注目してほしいのがACミランの生命線であるアンドレア・ピルロですね。また、チーム全体を見ても非常に成熟したチームで、最近採用しているツリー型(4-3-2-1)の布陣も非常にバランスがいいですよね」

——具体的にピルロのプレーの特長を教えていただけますか?

「以前からピルロには注目していたんですが、今年5月のUEFAチャンピオンズリーグ決勝を現地で観戦し、改めて能力の高さを感じました。視野の確保の仕方、ボールの受け方、パスの狙い所など、『この選手はちょっと違うぞ』という印象を受けましたね。ピルロは普通では気付かないような部分でも“違い”を感じさせる選手だと思います。例えば、ワンタッチで簡単にボールをさばいているため、ノールックでパスを出しているように見えますが、実はボールを受ける前に周囲の状況を確認しておいて、ボールが来た瞬間に判断できるようプレーしている。テレビ画面では分からない能力を備えている選手だと思いますね」

——今大会はアジア代表として浦和レッズが参戦します。初戦に勝利すれば準決勝でACミランと戦うことになりますね。

「タイトルが懸かったFIFA主催の世界大会ですから、当然ACミランは真剣に戦ってくるはずです。本気のACミランを相手に浦和がどのぐらいやれるのか非常に楽しみですね。最近はバルセロナやマンチェスター・ユナイテッドといった欧州の強豪クラブが毎年のように来日していますが、あれはあくまでも親善試合です。本気のACミランと戦うことで世界との差を感じることができる。『それほど差はない』と感じる部分もあるかもしれないし、『やっぱり差があるな』という部分もあると思います」

——今大会において浦和のキーマンとなりそうなのは誰でしょうか?

「攻守両面にわたって闘莉王になるんじゃないでしょうか。彼が持ち前の高さと強さを生かしてDFとしてどのぐらいやれるのか。またセットプレーの場面で力を発揮できるのか。闘莉王が世界大会でどこまで通用するのか楽しみですね。それからポンテにも期待したい。彼はUEFAチャンピオンズリーグも経験している選手で、Jリーグの中では飛び抜けた存在です。エースのワシントンが厳しくマークされることを考えれば、攻撃ではポンテのプレーがカギを握るでしょう」

——優勝争いに目を向けると、やはりACミランとボカ・ジュニアーズの争いになると思うのですが、ボカ・ジュニアーズについての印象はいかがですか?

「ボカ・ジュニアーズに限らずアルゼンチンのチームには、試合運びがうまく、とてもしたたかな印象を受けますね。状況によってはファウルをしてでも相手を止めにくるなど、同じ南米でもブラジルのチームとは違ったずる賢さのようなものを感じます。そう簡単に勝たせてくれるチームではないと思いますよ」

——ACミランとも互角以上に戦えるということでしょうか?

「ボカ・ジュニアーズは南米屈指の名門ですし、タレントの面でも昨年のインテルナシオナルよりはるかにネームバリューがあります。FWにはトヨタカップ時代にMVPを獲得したマルティン・パレルモがいるし、中盤のネリ・カルドソなど若く才能ある選手がたくさんいます。何かアクシデントでもない限り、決勝まで勝ち上がってくる力はあると思いますね」

——そのボカ・ジュニアーズと準決勝で対戦する可能性のあるパチューカ、エトワール・サヘルについてはどうでしょうか?

「パチューカにはボカ・ジュニアーズと似たような試合運びのうまさを感じます。エトワール・サヘルもアフリカを勝ち抜いてきたチームだし、かなり力はあると思いますよ。こちらのブロックの3チームの実力は本当に紙一重で、パチューカやエトワール・サヘルにもボカ・ジュニアーズを破るチャンスはある。ただ、最終的には経験の差がモノをいう大会ですから、やはり決勝に進むのはボカ・ジュニアーズなのかなという気もします。過去2大会で南米のチームが優勝できたのは、まさにその点の強みがあったからではないでしょうか」

——浦和が出場することで大会は例年以上に盛り上がりをみせるはずです。

「これまでよりも大会に活気が出てくることは間違いないだろうし、そうあってほしいですね。埼玉スタジアムのような雰囲気とまではいかないにしても、浦和戦では多くのファンの後押しがあるはずです。当然、ACミランやボカ・ジュニアーズのファンの方もいるとは思いますが、できればアジアの代表である浦和を応援してほしい。浦和がホームアドバンテージの中でACミランと戦ったらどうなるのかを見てみたいですからね。それに、浦和は初戦に勝てば、3試合(決勝、または3位決定戦があるため)できますよね。1試合で終わるのか、3試合できるのか、その違いは大きい。選手たちもいろいろなタイプのチームとやりたいと思っているはずですし、初戦は重要になりますね」

——最後にFCWCを観戦する日本のファンに、ぜひここを見て欲しいというポイントを教えてください。

「人それぞれ、いろいろな見方があっていいと思います。ひいきの選手を追いかけていく見方もあると思うし、ちょっと玄人的にはなりますが、各チームの試合の進め方などに注目するのも面白いでしょう。昨年、一昨年の決勝がそうだったように、大会では駆け引きが詰まった試合が展開されるはずです。相手と実力差がある場合に各チームがどのように戦っていくのか。そういう点に注目するのも面白いと思いますね。もちろん、アフリカや北中米のチームがどの程度のレベルにあるのか見ておくこともお薦めします。日本がクラブレベルで世界との違いを知る術は、この大会しかないわけですからね。もしかすると意外な発見があるかもしれない。いずれにしても楽しめる大会になることは間違いありません」



取材・文:国井洋之 写真:津久井輝明

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