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チケットぴあインタビュー

北澤豪

北澤豪
サッカー解説者として活躍する北澤豪氏が、「TOYOTA プレゼンツ FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2007」の見どころのほか、今大会最大の注目チーム・ACミランの注目プレーヤー、開催国枠について語ってくれた。

——6大陸王者が集結するという現行の形になって3回目を迎えるわけですが、クラブワールドカップ(以下FCWC)の魅力とはなんでしょうか?

「まだ3回目ということもあり、世界的にどこまで定着しているかは分かりませんが、それなりの成果は出ていると思います。これまで各大陸の争いでしかなかったものが、世界一のクラブを決めるという状況になったわけですからね。特に身近なところではアジア。浦和レッズや川崎フロンターレの取り組みを見ても、アジアナンバーワンに対する価値は変わってきました。最強のクラブを決める大会に出られる、世界につながっている、という認識が日本国内でも高まってきたように思います。ワールドカップ以外で世界一を争える大会はFCWC以外にないわけで、そこがこの大会の最大の魅力でもあります」

——昨年は南米王者SC インテルナシオナルが欧州王者FC バルセロナを下して優勝しました。改めて前回大会を振り返っていただけますか。

「トーナメントを戦う上では、いかに90分間安定感を保ちながらプレーできるかというのが重要になります。戦略をしっかりと固めて、自分たちがどう戦うのかを明確にする。SC インテルナシオナルが勝てたのはそれができていたからだと思います。単にラインを下げて守りきったわけではなく、とにかく相手にスペースを与えない。そして相手を抑えた後、どう攻撃すれば効果的かというところまで完璧にプランされていた。これによりFC バルセロナは本来の力を出せなかった。自分たちのスタイルを崩さずに戦うやり方もありますが、少し力が落ちるチームは自分たちのスタイルを残しつつも、勝つためにどういう戦略をとるかで勝つ確率は変わってくる。そういう意味では、必ずしも能力が上のチームが勝つとは限らないというサッカーの醍醐味を見せてもらいましたね」

——今大会最大の注目は、やはりスター選手がそろうACミランということになります。ACミランについての印象は?

「ACミランは今シーズン、ここまであまり調子が良くないですよね。もちろん、セリエAのタイトルはまだあきらめてないとは思いますが、FCWCに照準を絞ってくることも十分に考えられます。ACミランにはトヨタカップ時代の豊富な経験があるし、彼らの大会に対する意気込みはかなりのものです。というのも、チーム内にはキャプテンのマルディーニがまだ獲得してないタイトルをみんなで取ろうという雰囲気がありますからね。このチームにはそういった団結力がある。普通はこれだけビッグネームが集まるとそうはなりにくいんですけどね。昨シーズン、欧州王者のタイトルを獲得できたのも結束の力だと思います。この結束力は他のチームにとって脅威になりますよね」

——ACミランの中で特に注目すべきプレーヤーを挙げるとすれば?

「やはりカカはすごいですね。スピードがあって視野も広い。ドリブルの間合いも独特だし、別次元のプレーを見せてくれます。ぜひとも見たい選手の一人ですね。それからピルロ。驚くようなところにパスが出てくるし、無回転のFKも必見です。ピルロのような“ファンタジスタ”はイタリアサッカーの華でもあるし、その存在は大きいと思います。カカとピルロの二人は代えの効かない選手。大会には万全の体調で臨んでほしいですね」

——南米王者ボカ・ジュニアーズについてはいかがですか?

「ボカ・ジュニアーズに関しては、まず中心選手として活躍していたリケルメの穴をどのように埋めてくるかというところですよね。リベルタドーレスカップだけを見てしまうと、ボカ・ジュニアーズはリケルメのチームだったと言えます。ただ、チーム全体で見れば、若い選手が非常にいい働きをしているし、ボカ・ジュニアーズには運動量があって足元がうまい選手が多い。リケルメがあれだけ活躍できたのも、周囲が彼を生かすプレーをしていたという見方もできます。さらにパラシオとパレルモという強力な2トップの存在も大きい。特にパレルモは2000年のトヨタカップでレアル・マドリード相手に2得点を挙げた実績もあります。大柄で一見、重い感じがしますが、いいポジションに入ってくるし、ボールの受け方もうまい。ボカはこれまでトヨタカップに何度も出場して勝ってきたチームだし、調整方法も熟知している。選手の能力や戦術的な部分以外でも、勝ち方を知っているチームと言えるでしょうね」

——今大会から新たに開催国枠が導入されました。この決定には賛否両論がありますが、北澤さんはどのように考えますか?

「確かに否定的な意見も聞かれますが、開催国枠はワールドカップやユーロなど、どの世界大会でも採用されています。開催国が大会を盛り上げるというのは重要なことだし、この大会に出場できる機会を与えられたチームにとっては喜ぶべきことだと思います。世界の舞台で戦える機会というのはなかなかないわけですから」

——では、日本のチームは世界の強豪を相手にどれくらい戦えると思いますか?

「まだ、出場チームが決まっていない段階ですが、厳しい戦いになることを考えれば、浦和レッズのようなチームが出た方がいいのではないかなと思います。経験豊富な選手が多く、個人の能力も高い。そして大敗しないのがレッズだと思います。前線に攻撃を任せられる選手がいて、後ろには守備を任せられる選手がいる。攻守においてバランスが取れているんです。世界の強豪相手に戦うためには、バランスが取れていることが重要です。それを考えるとレッズが出場するのが、一番勝つ確率が高いのではないでしょうか。彼らはそれだけの取り組みをしてきたわけだし、その成果をぜひ見せてほしいですね」

——では最後に、今大会で日本のファンに注目してほしい点を教えてください。

「まずは日本のチームの応援ですね。ACミランやボカ・ジュニアーズのファンには申し訳ないですが、やはり日本人としては、日本の代表、アジアの代表として出場するチームを応援するのが自然だし、そのチームのサポーターはもちろん、それ以外の人がどれだけそこに参加できるかというのが重要だと思います。当然、決勝を楽しみにしているファンは多いと思いますが、今回は日本のチームを通して世界のサッカーを感じることができる。日本が世界のどの位置にいるのかが分かる。そういう意味でも日本のチームを応援してほしいですね」



取材・文:国井洋之 撮影:鈴木俊介

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