——まずは、これまでの戦いを振り返ってみていかがですか?
「シーズンインの仕方があまり良くなかったですよね。しっかり準備をして、という形ができませんでした。天皇杯で優勝してシーズンを終え、そこから準備する時間がなかったかなという気がします。監督が代わったことに加え、開幕前にオーストリアで行われたブルズカップに参加した影響もあると思います。本来とは違った形の準備だったので、最初の頃は、チームとして戸惑ったというか、手探り状態での試合が続いていました。でも、前半戦の半分を過ぎて、だいぶ選手同士がやろうとすることを理解して、チームとしてすごくまとまってきた手応えはあります」
——リーグ戦は2位で折り返すことになりました。この結果については?
「順位は最終的にどうなっているかが重要なので、現時点では特に……。ただ、勝ち点を取り損ねた試合もあって、それはちょっともったいなかったかなとは思っています」
——ホルガー・オジェック監督が就任してから、戦術的に何か変わった部分はありますか?
「ギド(ブッフバルト前監督)のときは、基本的にピッチ上のことはすべて選手たちに任されていました。でもオジェック監督は、多少の決まり事というか、具体的な規則をチームにもたらしてくれました。調子がいいときは自由なサッカーでもいいと思うんですけど、悪くなったときにどうすればいいのか、そこを助けてくれますね。流れが悪いとみんな足元にパスして終わり。どんどん中途半端になって、しまいにはパスをかっさらわれてカウンターを食らう場面がありました。でも、そこである程度の形を作ることによって変わりましたね。なんかおかしいなと思ったら、じゃあこうすればいいんだって。方向性をしっかり定めて、整理された印象はあります」
——それでも当初は、メンバーの入れ替えや4バックから3バックに変更したりと、試行錯誤が続いたように映りました。
「本当は試合が始まる前の時点でしっかりとクリアにしておくべきことなのでしょうが、それだけの時間がなかったというか……。チーム全体をコントロールするまでがなかなか難しかったですね」
——ただ、中断前の数試合は戦い方が安定し、チームとしてすごく良くなってきたように感じます。
「そうですね。清水戦(第17節・6月23日)なんかは素晴らしい内容だったと思います。残念ながら僕は試合に出られずベンチで見ていましたけど、すごくバランスがいいし、流れが止まらなかったですよね。その中でチャンスがあれば仕掛けていく動きもありましたし、攻撃が変に途切れる時間もなくて良くなってきたと思います」
——今シーズン、浦和レッズはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)も同時に戦っていますが、アジアのチームと戦ってみての印象はいかがですか?
「ホームでの試合はJリーグとそれほど変わらない気もしますけど、アウェイは環境の悪さだったり、移動もあったりと大変ですよね。週末にJリーグを戦って、次の日には海外に出発して、また帰ってきてJリーグと、体力的な厳しさは感じました」
——ACLを戦うことで、チームが成長したという実感は?
「そういう経験を積むことはチームにとってすごくプラスになっていると思います。ACLもそうですけど、A3チャンピオンズカップ(日中韓のリーグ王者などによる大会(6月7日〜13日)で強いチームと戦えたことが大きかったですね。Jリーグに戻ってきて良い意味で楽に、余裕を持ってプレーできるってみんなで言っていました。やっぱり海外はプレッシャーやフィジカルの強さが違いますから」
——ACL準々決勝(9月19日・26日)は前回王者・全北現代と戦います。韓国のチームにはどんなイメージを持ってますか?
「自分が戦ってみて思うのは、体の強さ、フィジカルの強さですね。これはすごく感じます」
——8月11日からはいよいよリーグ戦が再開します。優勝を争う意味でも、ここから大事な試合が続きます。
「どこのチームも中断期間に立て直してきますし、いい状況を作ってくると思います。厳しい戦いが続きますが、その中でどんな相手にもしっかり勝っていければと思います」
——前半戦で戦った中で、ここは強いなと思ったチームありますか?
「ここって思うチームは特にありませんね。逆にやりやすいチームもないですね。各チームにそれぞれのやりにくさがありますね」
——首位を走るガンバ大阪は?
「ガンバは戦う側からすれば嫌なチームだと思います。ボールを支配される時間が長く、自分たちの良さをなかなか出せないので。それを乗り越えて、自分たちのサッカーがどこまでできるかでしょうね」
——最近は出場機会も限られていますが、その中で自分の役割をどう考えていますか?
「試合に出られないからといって、自分の気持ちが離れることは当然ありません。途中出場というのは、みんなが苦しい時間帯に入ってチームを助けるもの。状況に合わせ、自分は何ができるのか、何をしなければいけないのかを考えています。その中でしっかり結果を出せるようにしておく。それが自分の役割だと思います」
——これからもタイトなスケジュールが続きます。後半戦を乗り切るために必要なことは?
「まずは各自がコンディションを整えることですね。それができなければ話にならならないですから。そしてピッチに立ったら疑わないこと。自分たちのプレーを信じて、いい方向に向かっていると勇気を持って続けていくことが大切だと思います」
——最後に、サポーターに向けて後半戦への意気込みをお願いします。
「ちょっとベンチで休んでいる時間が長かったので、まずは戦えるように自分自身をしっかり調整していきたいと思います。これからも厳しい戦いが続くので、引き続き僕らを後押ししてください」
取材・文:今成裕 撮影:鈴木俊介
永井雄一郎
永井雄一郎
'79年2月14日、東京都新宿区生まれ。184cm、75kg。浦和レッズ所属/FW/背番号9。'97年、三菱養和から浦和に加入。'98年から1年間、ドイツのカールスルーエに留学した経験を持つJ屈指のドリブラー。'03年には日本代表に選出されている(4試合1得点)。