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チケットぴあインタビュー

山瀬功治・坂田大輔

山瀬功治・坂田大輔
2004年以来となる王者奪還を目指す横浜F・マリノスは、リーグ中断前にシステムを変更した。4-3-3という、攻撃により重きを置いたスタイルにシフトチェンジし、リーグ戦再開後の躍進を狙う。スピードを持ち味にゴールを狙う坂田大輔と、ドリブルで果敢な突破を図る山瀬功治。1列目で攻撃の起点となり、またはゴールという結果で勝利に貢献する2人のキーマンが、再開後の決意を語ってくれた。

——リーグ開幕から13試合を経過して横浜F・マリノスは、13位に着けています。2人はこの状況をどう捉えていますか?

山瀬功治(以下山瀬)「順位が順位なので、間違いなく満足はできないですよね。チームとしては、リーグ戦の中断前にフォーメーションを少し変えて、新しい部分にチャレンジしています。そういう良い部分もあれば、まだ改善しなければならない点もある。ただ、だからこそまだチームとして、伸びしろはあると思います。これから先、どうチームが進歩していくか楽しみでもありますよね」

坂田大輔(以下坂田)「功治と一緒ですね。結果がすべての世界なので、あきらかに今の順位では良くないのは分かっている。FWなので、自分の得点数という部分を含めても数字として結果を残せていない。まだ先はあるので、一歩ずつ前に進んでいければと思っています」

——山瀬選手の話にもありましたが、開幕当初は3-4-3だったシステムを4-3-3に変更しました。このシステム変更に関して、木村浩吉監督からはどのような話があったのですか?

山瀬「連戦が続いていて、それが一息ついて、といってもそんなに時間はなかったんですが、1週間ほど試合の間隔が空いたので、そのタイミングで準備ができるという話がありました。僕はそう解釈しているのですが、もしかしたら監督にはいろいろな考えがあるので、他の理由かもしれませんが…」

坂田「システムを変えて、いきなり抜群に良くなるわけではないので、今はまだ何とも言えない。ただ、現代サッカーの主流は4バック。世界的に見てもそうですよね? それを考えたら、このシステム変更はプラスだと思います。まだまだ改善の余地はあるので、どこまで伸びるかは分からないですが、このシステムをモノにしていきたいと思います」

——システムが4-3-3に変更されたことで、横浜FMのサッカーはどのように変化していくのでしょうか?

山瀬「3バックのときは、ボランチが2枚で、前線が3枚、両サイドのワイドに2枚という形でした。このシステムだと最終的にゴール前に入っていくのは3枚ということが多かった。だけど、今の4-3-3システムは、中盤の底にアンカーが1人いるので、場合によっては中盤の2人ともゴール前に飛び込むことができる。僕ら前線の3人に、どちらかのサイド、さらに中盤の2人を加えると4〜5人はゴール前に入っていけるので、かなり攻撃的になります。もちろん、そういった意図でプレーしているし、バランスは考えなければいけないですが、かなり攻撃的になっていると思いますよ」

坂田「両サイドの運動量も関係してきますが、両サイドがイケイケになって、攻め上がれば上がるほど、攻撃に厚みは出てくる。その分、守備に関しては不安要素もありますが、面白いサッカーになると思いますよ」

——システムが変更されたことで、1列目でプレーする2人の関係はどのように変化していきますか?

坂田「ポジション的に見ると、僕と功治は近い距離でプレーすることがなくなっているんですよね」

山瀬「そうなんですよね。一番最初にこのシステムでプレーしたときは、逆にみんなが中央に集まりすぎてしまって、サイドを高い位置で使うことができなかった。それでサカティ(坂田)とは、サイドの高い位置に攻撃のポイントを作れるよう、ワイドに開いて起点を作ろうという話をした。そうすると、今度は、お互いの距離に関しては遠くなってしまうので、なかなか絡んでプレーするというのは少なくなりましたね」

坂田「プレーする距離は遠くなりましたが、その分、お互いが、お互いの場所で、攻撃の起点が作れればいいなあと思っています」

——ナビスコカップはありますが、リーグ戦は一時中断になりました。6月21日のホームの浦和戦で再開されますが、再開後をどう捉えていますか?

山瀬「今まで話してきましたが、うちのチームは、最近、フォーメーションを変更したこともあって、毎日の練習とナビスコカップの試合で、このサッカーの質をどれだけ高めていけるかが重要になってくる。この間にサッカーの完成度を高め、2回目の開幕じゃないですけど、リーグ再開後に臨みたいですね」

坂田「1試合に変わりはないので、いつも通りやるだけです。ただ、リーグ再開までにナビスコカップの試合があるので、そこで悪い流れを作らないようにしたい。ナビスコカップを大事に戦いながら、代表で抜けているボンバー(中澤佑二)が戻ってきたときに、うまく入ってもらえる環境を作っておきたい」

——リーグ戦再開後は、6月21日に浦和、28日にG大阪と、ホームでの2連戦でスタートします。ともに強豪との試合になりますが、意気込みは?

山瀬「2チームとも自分たちより順位が上のチームですが、受け身になることなく、攻撃も守備も積極的に仕掛けていていければと思います」

坂田「浦和だけでなくG大阪との試合でも、選手はもちろん、サポーターの戦いも魅力的な要素の一つじゃないですか。浦和には今シーズン、ナビスコカップで負けているので、リーグ戦では、その借りを返したい。ホームなので、浦和のサポーターをシーンと静まらせるような試合をして、うちのサポーターに恩返しをしたいですね」

——このホーム2連戦では、どういう試合を見せてくれますか? また期待していいですか?

坂田「2チームとも攻撃的なサッカーをしてくるチームなので、僕らとしては引いて守ってくるチームよりはやりやすい。だから、お互いに攻め合って、点の奪い合いをして、それで最終的にうちが勝利できればと思う」

山瀬「そうですね。過去の対戦を思い出してみても、この2チームとの対戦では膠着する時間帯が少ないので、攻撃的な試合を見せられると思います。僕らも含めて、積極的にゴールを奪いに行くサッカーをするので、スピーディーな展開になるはずです。ゴールがたくさん生まれるかどうかは別問題ですけど、見に来てくれた人を退屈させないというか、ワクワクするような試合を見せられると思います」

——話は変わりますが、せっかく2人がそろっているので、お互いのプレーについて聞かせてください。お互い、相手のプレーの「すごい」と思う部分を教えてください。

坂田「それはやっぱりゴリブルじゃないですか(笑)」

山瀬「えっ?」

坂田「ゴリブルでしょう!(笑)」

山瀬「なんだよ、それ。全然褒めてないじゃん(笑)」

坂田「じゃあ、真面目に(笑)。功治のすごいところは、すべてのプレーのスタートがドリブルから始まっているところですかね。シュートも、パスもそうですが、その前に前提としてドリブルがある。チームにとっても、功治がドリブルするから局面が崩れて、いい流れになる。攻撃のアクセントになるんです」

——チームメートとして山瀬選手のドリブルは頼りになると?

坂田「見てて面白いです(笑)」

山瀬「面白いって、どういうことだよ(笑)」

坂田「スペースにドリブルっていう感じじゃないんですよね。功治のドリブルは、人と競り合うドリブルなんですよね。まるで身体で相手を投げ飛ばしながら進んでる感じです(笑)」

山瀬「投げ倒してはないでしょ?」

坂田「とにかくパワフルなんです」

——では、山瀬選手から見た坂田選手の特長というのは?

山瀬「一瞬の鋭さですよね。スピードがあるのはみんな分かっていると思うんですが、サカティは、そのスピードを生かす術を知っているんです。相手にしてみたら、まるでナイフで急所を刺されるような感じがするスピードなんですよね」

坂田「すごい例え(笑)」

山瀬「何回も切るんじゃなくて、ひと突きで急所にとどめを刺すようなスピードがある。例えば、ボールをもらうときにスペースに入っていく、スペースに抜けていく動きに切れ味があるんです。僕もサカティにラストパスを出すことがありますが、僕の技術の問題もありますが、サカティが走る場所にパスを通すことさえできれば、確実に1点。そんなスピードがあるんです。ただ単に速い選手ってたくさんいると思うけど、鋭いスピードっていうんですかね。そういう選手ってあまりいない。本当にナイフみたいな男なんです(笑)」

坂田「ジャックナイフですか(笑)」

山瀬「切れ味鋭い男ですね(笑)」

坂田「自分にはそんな例えできないですね」

山瀬「あっ。あとはイケメン。これ重要です(笑)」

——最後にタイトルについても聞かせてください。2003年、04年のリーグ連覇後、横浜FMはタイトルから遠ざかっています。再びタイトルを獲得するチームになるためには、何が必要だと思いますか?

山瀬「チームとしてサッカーに対するしっかりとしたビジョンを持つということ、またそれをゲームで100%発揮できるだけの戦術理解や完成度が必要なのは間違いない。でも、技術的なものを完璧にしたらタイトルが獲れるかっていったらそうじゃないと思うんです。長いシーズンではいろんな苦しい状況があって、そういった状況においても、自分たちのサッカーを貫く信念が必要なのかなって思う。揺るぎない信念とでも言えばいいんですかね。言葉には表しにくいんですが、ブレない強さを持っているチームが強いんだと思います」

坂田「ベースとなるチーム力を上げることも大事だけど、勝ち運というか、運も必要だと思う。優勝したシーズンは、例えば85分に0-1で負けていても、『同点に追いつく』じゃなくて、『ここから2点取れる』って思ってた。負けるってことを想像しなかったんですよね。今、鹿島の選手たちが『負ける気がしない』ってコメントしていますけど、まさにそれ。自信のあるチームにはおのずと勝利がついてくる。その勝負運を引き寄せるためには、日頃の練習が大切で、常に手を抜かずにやることによって、試合でそういった運を味方につけることができるような気がするんですよね」

——サポーターに向けて、リーグ再開後、こんなサッカーを見せるというアピールをお願いします。

山瀬「4バックにシステム変更したのは、攻撃的に行くという意図が強いんです。こんなことを言ったら守備の選手たちに申し訳ないけど、毎試合攻撃的で、2点取られたら3点取るじゃないですが、取られた分、取り返すくらいの攻撃的なサッカーを見せたい。そういうアグレッシブなサッカーができればと思っています」

坂田「功治と基本的には一緒の思いです。点を取られなければ負けないけど、取らなければ勝てない。だから、勝利するために必要な1点を決めるために、全力を尽くしたい。個人的には、攻撃的にというテーマに比重をおいて、戦っていきたいですね」



取材・構成:原田大輔 撮影:佐野美樹

山瀬功治・坂田大輔

山瀬功治・坂田大輔

山瀬功治・坂田大輔

山瀬功治

山瀬功治・坂田大輔

坂田大輔

プロフィール

●山瀬功治

1981年9月22日生まれ。北海道出身。173cm/70kg。MF。99年に札幌に加入し、03年に浦和へ移籍。その後、05年より横浜FMに加入した。攻撃的MFとしてゴール、アシストで勝利に貢献する。得意のドリブルでゴール前に侵入し、数多くの決定機を演出する。


●坂田大輔

1983年1月16日生まれ。神奈川県出身。174cm/70kg。FW。横浜FMユース出身の生え抜きで、01年にトップチームに昇格。自慢の俊足を生かしてどん欲にゴールを狙う生粋のストライカー。プロ9年目となる今季、リーグ戦200試合出場を達成した。