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チケットぴあインタビュー

前園真聖

前園真聖
10月17日、アウェイでのカタール戦で逆転負けを喫し、グループ首位の座を明け渡したU-22日本代表。カタールの戦況にもよるが、11月17日(土)・アウェイでのベトナム戦、21日(水)・国立競技場でのサウジアラビア戦は、絶対勝利が求められる。2戦必勝の試合を前にした反町ジャパンの光明と課題を、アトランタ五輪の代表チームでキャプテンを務めた前園真聖が明らかにする。

——U-22日本代表の弱点のひとつと言われるリーダー不在について、前園さんはどう見ていますか?

「僕は最初からリーダーがいないことに不安を感じていました。オリンピック予選のような厳しいゲームでは、苦しい時にチームを引っ張る存在が出てこないとやっぱり厳しくなる。リーダー不在の脆さが、アウェイのカタール戦という一番大事なゲームで出てしまった」

——前園さんはキャプテンタイプではなかったと思うのですが、アトランタ五輪に臨んだチームを引っ張っていただけに、やはり物足りなく見えるのでしょうか?

「はい、僕はやりたくなかった(笑)。西野(朗)監督に『キャプテンをやってくれ』と言われた時、一度断ろうとしたんです。できれば自分のプレーだけに専念したかったし、マイペースにやる方が性格的にも合っていたので。それでも西野監督に『プレーで引っ張ってくれればいい』と言われ、キャプテンを引き受けたんです。ただ僕らの時は城(彰二)がいて、ヒデ(中田英寿)がいて、(川口)能活がいて、各ポジションにリーダーシップを持った選手がいた。自分たちはこういうサッカーをやるんだというのがポジションごとにあり、まとまっていたんです。まあ、意見がぶつかった時は大変でしたけど(笑)、大事な試合の時にはひとつになっていた。それがいい結果につながったのだと思います」

——キャプテンをやることによって、前園さんの中で変化はありましたか?

「そうですね、やはり責任感が生まれました。試合になれば自然と叱咤激励するし、叫びながら試合をしていましたね。それに、嫌いだった守備もしましたし(笑)」

——28年ぶりに五輪出場を決めたアトランタ五輪予選も、難しい戦いでしたよね。

「スゴイ苦しい戦いでした。最終予選の前に、チームを引っ張ってもらう存在だったオグ(小倉隆史)がケガでチームから抜けて、それによってフォーメーションが変わったり、五輪出場のかかったサウジアラビア戦で初めて4バックを試したり……」

——苦しい状況を克服できたのは、何が要因だったのでしょう。

「選手個々が自覚を持っていました。ここが大事だということを選手全員が理解していた。僕らで言う、準決勝のサウジアラビア戦。あそこで負けていたら、3位決定戦まで持たないと思っていました。どの試合に照準を絞るのか、監督も選手も知っていた。アウェイのカタール戦に臨んだ今回の代表と一緒です。僕らはサウジ戦で先制して2点目を取りに行って取れた。そして2点目を取って逃げ切るしかない、と思っていました。3点目は取れないと思っていた。チームとして2点を守り抜くという戦術がハッキリしていました」

——逆に今回の代表チームは同点に追いつかれてから……。

「ハッキリしなかったですね。アウェイで同点にされた状況で、勝ち点3を狙いに行くのか、勝ち点1でいいのか。選手たちは判断できなかったと感じましたね」

——そういう意味では、残り2試合はやるべきことがハッキリしていますね。

「そうです。絶対に勝たなきゃいけない2試合ですし、勝つためには点を取らないといけない」

——点を取るため、勝つためにキーマンは誰になるでしょう。

「まずは平山(相太)選手ですね。ポテンシャルはホントに高いものを持っているし、ここ最近はベンチで試合を見ていて、色んな思いをしているはずです。高さという部分でもベトナム相手に効きます。彼にとって、色々言われたことを覆すチャンスです。僕だったら、残り2試合をチャンスだと思う。平山選手には『俺を出せば勝てる』というところを見せてほしいですね。彼が点を取ればチームも乗るんですから。前回のアテネを知っているのも平山選手だけですし」

——他にも前園さんが期待する選手はいますか?

「柏木(陽介)選手。カタール戦のパフォーマンスも悪くはなかったけど、彼ならもっとできると思います。ゲームメイクだけではなく、ゴールに絡むプレーを出してほしいですね。彼の特徴である、ボールによく絡んで決定的なパスを出して、さらに自らも飛び出してゴールに絡む。柏木選手は守備もできるけど、残り2試合は100のうち60、70は攻撃を考えてほしい。それで1点を取れればいいじゃないですか。あとは新しい選手、個人で打開できる梅崎(司)選手にも期待したいですね」

——では、最後に聞きます。ズバリ、日本は北京五輪に行けるでしょうか?

「絶対に行かないといけない。あと2試合勝たないと、北京はないんです。彼らが戦ってきた結果でピンチを招いているんだから、自分たちでケリをつけてほしいですね。世界に出て戦うのと、予選で終わるのでは全然違います。自分たちの力を出せれば、正直、ベトナムもサウジアラビアも負ける相手だとは思いません。でも、それは彼らが自分たちの力で勝ち取るしかないんです」

——最後に勝敗を決めるのは、やはり気持ちですね。

「そうです。僕らの時も、上の世代の方に『サッカーは気持ちが大事だ』と言われたんですが、最終予選の前は『サッカーは技術で勝負だろ』と思っていたんです。でも最終予選を戦う中で、大事になってくるのは気持ちなんだと痛感させられましたから(笑)」



取材・構成:碧山緒里摩(ぴあ編集部) 撮影:スエイシナオヨシ

前園真聖

前園真聖

前園真聖

前園真聖

プロフィール

1973年、鹿児島県生まれ。'92年、鹿児島実業高校を経て、横浜フリューゲルス入り。'97年にヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ1969)に移籍し、'98年シーズン途中にブラジルの名門・サントスFCに移り、翌年は同じブラジルのゴイアスECへ。その後、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ1969、韓国の安養LGチータース、同じ韓国の仁川ユナイテッドと渡り歩き、'05年5月に引退を表明。代表では28年ぶりに五輪出場を決め、アトランタ五輪でブラジルを破る“マイアミの奇跡”を実現し、主将としてチームを牽引した。A代表としても20試合に出場し4ゴールをマーク。現在はサッカー解説者やJFAアンバサダーとして活躍している。