――出演ダンサーは皆さん、それぞれの分野で輝かしい活躍をされてきた方々ですね。
新上「4年に一度のオリンピックでも集まらない(笑)、と思うほど素晴らしいメンバーです。こんなふうに一流だと、ジャンルの違いなどいとも簡単に飛び越える。今回は増田君、青木君、吉本君──JAZZ、コンテンポラリー、バレエと異なる背景を持つ3人と一緒に振付をしていますが、稽古場では、僕では想像できない、その先のものが面白いほどたくさん生まれています」
――皆さん、どのような方向性で振付に取り組んでいるのですか。
増田「各々のダンサーがどう見えて、どう混じり合うか。そこで生じる面白さを、僕は見たいですね。公演チラシのビジュアルは、こちらに脚を上げたバレエダンサー、あちらに跳んでいるJAZZの人、と一見雑多で盛りだくさんですが、よくよく見ると一人ひとりが凄い。まさにこの世界! このチラシを"いいな"と感じてくれたなら、必ず楽しんでいただける舞台です」
――音楽は、増田俊郎さんによるオリジナルだそうですが。
青木「素晴らしいんですよ。ダンサーの前に立って音を聴けば、"ここは右手から"と自然と振りが出てくる。」
増田「既存の音楽には何かしら既存のイメージが付いてまわるけれど、この音楽は僕らの振付が最初のイメージとなるのだから、振付しがいがあります」 吉本「この音楽に包まれていると、あっという間に時間が過ぎて、気づくと振りができている。楽しんでやっています。それに、今回のメンバーは皆、ハートがいい。それはお客さんに必ず伝わるはずで、子どもも大人も、きっと心に響くものがあると思います 」
――この作品で一番伝えたいことはどんなことですか。
新上「僕のフィルターを通した『ヘンゼルとグレーテル』の物語、その現実と幻想が入り交じる混沌とした世界を、全力で創り上げています。一流の人の身体表現は、誰が観てもわかるもの。普段バレエやダンスを観ていない方も含め、どんな方でも楽しめる舞台になるでしょう」
取材・文:加藤智子 撮影:星野洋介
▼GQ Gentleman Quality …紳士の品格… ~Chocolat ヘンゼルとグレーテルより~
2011年2月10日(木) ~ 13日(日) サンシャイン劇場(東京都)
[音楽]増田俊郎
[出演・演出・振付]新上裕也
[出演・振付]増田哲治
[出演]佐々木大 / 法村圭緒 / 中島周 / 吉本真悟 / 横関雄一郎 / 福原大介 / 風間無限 / 大場進一 / 蔡暁強 / 青木尚哉 / 鈴木陽平 / 大貫勇輔 / 背戸田勝敏 / 大野幸人 / 長澤風海 / 加賀谷一肇 / 廻修平 / 永野亮比己 / 宮垣祐也 / Joey Beni / 村田永路 / 他
□発売中
新上裕也
増田哲治
青木尚哉
吉本真悟