――ネタものならではの楽しさ、大変さは?
いのうえ「"ネタもの"は僕たちのルーツですし、"核"。でも、疲れる割りに実りが少ないというか(笑)。全勢力をかけて大人たちがお楽しみ会を作ってるようなもの」
橋本「個人個人が毎ステージ鮮度を保って過ごせるか、が大事で体にも心にも最もハードです」
古田「"大声大会"みたいなものなんです。基本的に声が大きい奴が勝ち(笑)。やっぱり消耗しますね」
高田「ネタものは個人的に楽しみにしてました。この公演があるから頑張ろう、と思えるものですね」
――現在さまざまな場所でご活躍されている皆さんにとって、劇団公演とは。
いのうえ「ネタものはこの面子、劇団じゃないと無理です。外部やプロデュース公演じゃできないですよ。ちょっと特殊な空気ですから」
橋本「これだけ続けてこられてるのは幸運。僕にとって新感線=幸運です」
古田「おいら的には劇団入って三年目ぐらいからコント集団にしたかったので、劇団にいる理由がネタものなんですよ。これをやり続けたことは役者・古田新太にすごく役に立ってます」
高田「劇団公演は、他ではできないから大事にしたいもの。他でやっても"新感線みたいなこと"になってしまうと思うんです。"みたいなこと"では意味がないので」
――『鋼鉄番長』にかける意気込みをお願いします!
いのうえ「オーバー40であえて学生服、セーラー服というのも面白いかな、と。体力の限界に挑戦します。この先3年に1度できるかどうかわからないので(笑)、見届けていただきたい」
橋本「今までもネタものはやってきましたが今更初挑戦のような気分です。自分の中ではチャレンジですね」
古田「"無駄"しかやらない舞台です。普通のコントは5~10分、笑いって言うのは基本的には短距離走。それを2時間半やる舞台です(笑)」
高田「ネタものの場合"対お客さん"というより、"対共演者、いのうえさん"に面白いことをやってやろうと役者同士が仕掛けあいます。"戦い度"も上がるので、今から楽しみです(笑)」
取材・文:川口有紀
▼劇団☆新感線『鋼鉄番長』
10月4日(月)~11月7日(日) サンシャイン劇場(東京都)
[劇作・脚本・演出]いのうえひでのり
[出演]橋本じゅん/坂井真紀/池田成志/高田聖子/粟根まこと/田辺誠一/古田新太/他
□東京:7月31日(土) 10:00 一般発売
『直撃!ドラゴンロック~轟天~』('97)
『古田新太之丞・東海道五十三次地獄旅~踊れ!いんど屋敷』('00)
『レッツゴー!忍法帖』('03)