――インターネットで自分の名前を検索することを、“エゴ・サーチ”と言うんですね。
鴻上「たぶん誰もが一度はやっていることですよね。インターネットは良きにつけ悪しきにつけ、現代の一つの象徴。これとどう付き合っていけるのかってことを、“エゴ・サーチ”という切り口からを描いてみたいと思ったんです」
――客演の古河さんは、前作に引き続きの参加です。
古河「鴻上さんの演出って、すごく甘酸っぱいんですよ。僕ら世代の甘酸っぱさをいまだに持っていらっしゃるし、さらにそれを作品に描き込んでいるのがすごいなと。何よりこのバラエティ豊かなチームをまとめていること自体、すごいですよね(笑)」
全員「ハハハハ!」
高橋「虚構の劇団のメンバーって、それぞれみんなすごく色があるんですよ。そこに古河くんが入ることで、さらに色が濃くなったような」
小野川「劇団に新しい風が吹きましたね。自分の中にもまた一つ、違ったものが見つけられた気がして」
山崎「古河さんと僕は同年代であり、もちろんライバル。いい意味での闘いが出来たらと思いますし、そこからまたいいものが生まれていけばいいなと思います」
――ちなみにエゴ・サーチはされたことありますか?
大杉「たまにやります。ただ自分の名前なのに、パソコンの画面に映った途端、何か自分から離れてしまった感じがして。それはすごく怖いなって思いますね」
小沢「僕もありますね。中にはもちろん批判もあるんですが、次の舞台を頑張るための、いい踏み台にもなっていて」
大久保「自分にとっての課題が目に見えて分かりますからね。そういった意味では、便利だなと思う部分もあります」
三上「僕は結構な頻度でやってますね。言ってしまえば僕、エゴ・サーチャーです」
全員「ハハハハ!」
――では最後に、読者へのメッセージをお願いします!
鴻上「まぁ騙されたと思って観に来てください(笑)。決して騙しはしない、面白い作品になると思いますから」
取材・文:野上瑠美子 撮影:源賀津己
▼虚構の劇団「エゴ・サーチ」
9月10日(金) ~ 19日(日) 紀伊國屋ホール (東京)
[劇作・脚本・演出]鴻上尚史
[出演]大久保綾乃 / 大杉さほり / 小沢道成 / 小野川晶 / 杉浦一輝 / 高橋奈津季 / 三上陽永 / 山崎雄介 / 渡辺芳博 / 古河耕史
鴻上尚史
左から山﨑雄介、古河耕史、大久保綾乃、大杉さほり
左から三上陽永、小沢道成、小野川晶、高橋奈津季