チケットのことならチケットぴあチケットぴあ

こんにちは、ゲストさん。会員登録はこちら

チケットぴあインタビュー

ミュージカル「マルグリット」 藤原紀香

ミュージカル「マルグリット」 藤原紀香
『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』を世に送り出したクリエイターたちによる最新ミュージカル『マルグリット』が、09年の日本初演に続き、来年3月に再演される。身分違いの悲恋を描く『椿姫』を第二次世界大戦下に置き換えた物語でタイトルロールを演じるのは、これがミュージカル3作目となる藤原紀香。映画音楽の巨匠ミシェル・ルグランが手掛けた、精巧な旋律に早くも向き合っている藤原に話を聞いた。

――出演を決めるにあたって、演出のジョナサン・ケントに会いにニューヨークへ行ったそうですね。



「まず、私にオファーをしてくれたこのご縁に感謝しますと。そして、自分を犠牲にしてまで真実の愛を貫くマルグリットという情熱的な女性をぜひ演じたい。だけどあまりにも楽曲がハイレベルで、あんな声は出したことがない、そう正直に伝えたら、『今まで芝居ベースでやってきたキャリアを生かして、脚本からNORIKAなりのマルグリット像を作り上げる、そのNORIKAの声で歌ってほしい』とジョナサンに言われたんです。それでロンドン版や日本初演のようにという気負いが、フッと抜けた。思えば芝居でも何でも、いつも、今の自分には少し高いハードルかもしれない、という仕事を選んで、未来への好奇心と、一歩先にいる成長した自分を想像することで、不安や恐れに打ち勝ち、ここまでやってきました。今は来年4月の千秋楽に素晴らしい共演者のみなさんと共に喜びを分かち合っている姿をイメージして、体が前へと動いている感覚です」



――マルグリットという女性を、どんなふうに捉えていますか?



「初ミュージカルだった『ドロウジー・シャペロン』のジャネットが〝陽〟、2作目の『キャバレー』のサリーが〝陰〟と〝陽〟両方を持った人だとしたら、マルグリットは思いきり〝陰〟の魅力の人。繊細ではかなくて、かつ情熱的で、こんな役は初めてかもしれません。彼女があの時代を生きるためには、ナチスの軍人であるオットーの愛人になるという選択しかなかったのでしょうね。それが、若い夢や希望を胸に抱き、自分をひたすら求めてくれるアルマンと出会って、打算のない愛を捧げてくれるそのひたむきすぎるほどの彼に戸惑いながらも、忘れていた本当の自分を取り戻していきます。きっと彼と過ごすときは、夢の中にいるような感覚で、でも生きている実感が持てたのでしょうね」



――オットー役の西城秀樹さん、アルマン役の田代万里生さんとの初共演も楽しみですね。



「ポスター撮りの秀樹さんはただならぬオーラを発していて、立ち振る舞いから雰囲気から、もうオットーにしか見えなかったです! 後で聞いたら、歌もセリフもすでにマスターされていたそうです。私も同じように役に入り込むタイプなのでうれしかったですし、お芝居でこれから作りあげていくのが本当に楽しみで。そして、万里生くんの素晴らしい歌声をステージ上で聞けるのも待ち遠しいです。彼は初演にも出ていますから、すごく頼れる存在です。」



――ミュージカルや舞台の魅力を、どこに感じていますか?



「CGに頼らない、人間のナマの力が出せるところですね。そしてお客さまからすれば、そのエナジーを吸い取れるところ(笑)。だから目一杯感じてもらいたいです。一期一会のお客さまに毎日100%のものをお届けできるよう、心身ともにコンディション作りへの日々の緊張感も半端ないです。実はこないだ北京で3泊4日の漢方の講義+人間ドッグなるものを受けて来ました。これで体調管理は万全です(笑)」




取材・文:山上裕子 撮影:源賀津己


▼ミュージカル「マルグリット」
3月11日(金) ~ 28日(月) 赤坂ACTシアター(東京都)
4月6日(水) ~ 10日(日) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪府)
[出演]藤原紀香 / 田代万里生 / 山崎裕太 / 松原剛志 / 飯野めぐみ / 横内正 / 西城秀樹 / 他
□発売中