――佐々木さんにとってTeam申はどんな存在ですか?
「本当は佐藤隆太くんとやった『時には父のない子のように』1回限りの、それで終わりの予定だったんですよ。すべてはTeam申という場を通して、いろんな方々との出会いをさせていただいたことが力になって続いていると言ってもいいんじゃないでしょうか。だって僕、いつごろやりましょうかから始まって、毎回、自分ではほとんど何も決めていませんもん。そして何よりも、お客様から「次はいつやるんですか?」と言っていただいたことが大きかったです。「次は??」だなんて言っていただけるとは思っていませんでしたから、やってもいいんだ、それならやらせていただこうかと。
Team申とは? 仕事やけど、仲間と芝居を純粋に楽しむ場、ですかね。楽しむといってもサークルではないし、絶対に妥協したくない。かかわっているみんながプロフェッショナルで、ふだんの仕事ではなかなか言えないことでも、「こうしたらどうやねん」ということも、作品をよくするために言い合える環境なんです。もちろん僕も意見を言いますし、作品が楽しく面白くなっていく方向へ乗っかっていくようにしています。すごく風通しがよい、僕にとっては贅沢な遊び場なんです。」
――今回「Room No.002」と副題がついての再演となりますが、前川さんとは何かお話しをされていますか?
「そうですね。まず、 仲村トオルさんとやった初演は赤坂RED/THEATERさんという小劇場でしたが、今回はパルコ劇場さんですから、全く空間も違うので装置をはじめすべてが新たなアイデアによるパルコ仕様になっています。初演を観てくださったお客様も全く新しい作品として楽しんでいただけると思います。 いちばん違うのは、今回は相手役が大杉漣さんになりますから。『抜け穴の会議室』という作品は、相手役の方が変わることで、いろんな関係性のバージョンができると思うんです。『抜け穴~』は、二人の男が、いろんな時代をいろんな関係性で、さまざまな因縁とともに生きてきた、という物語ですが、大杉さんは僕よりもずっと年上ですし、多くのキャリアも積んでいらっしゃる方なので、同世代の仲村さんとやったときとはまた違った濃い関係性が生まれてくるでしょう。そのへんは台本も変わっていく予定ですし、稽古場でも全く違った練り上げ方をしようと思っています。 」
――共演の大杉漣さんの印象やエピソードなどをお聞かせください。
「大杉さんとは僕が初めて出演した映画で実は親子役をやったことがあるんです。その後も映像の仕事ではいろいろとご一緒させていただいています。お客様は渋くてカッコイイ役者さんだというイメージだと思うんですけど、普段はとってもお茶目で、何かやらかしたろっていう感じなんですよ。そういう部分を、『抜け穴の会議室』のなかで皆さんにお見せできたら面白いと思っています。大杉さんくらいのベテランになると、新たなことに挑戦しないで、イメージ通りでいることもできるはず。でも今回は相当アホなこともやってくれそう(笑)。あと、しゃべくり倒して、動き回っていただきますよ。太田省吾さんの作品をやっていたころのイメージはまるでないと思います!」
――@チケットぴあをご覧のみなさまへのコメントをお願いします。
「緊張してご覧ください! テレビや映画と違って、生の舞台ってお客様がいないと成立しないものだと僕は思うんです。そしてお客様と一緒にその作品をつくっているという思いがあるので、ぜひ皆さんも参加している気持ちで観ていただけたらうれしいです。知らず知らずのうちに前のめりで観ていただけるような作品になるよう頑張ります。」
TEXT:いちこ米 PHOTO:HIRAROCK
▼「抜け穴の会議室 -Room No.002-」
12月18日(土) ~ 31日(金) PARCO劇場(東京都)
2011年1月5日(水) キャナルシティ劇場(福岡県)
2011年1月10日(月・祝) 新潟市民芸術文化会館 劇場(新潟県)
2011年1月12日(水) 北陸電力会館 本多の森ホール(石川県)
2011年1月14日(金) ~ 16日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ(大阪府)
[出演]大杉漣 / 佐々木蔵之介
□一般発売:
東京=発売中
福岡・石川=11月13日(土) 10:00
新潟・大阪=11月21日(日) 10:00