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チケットぴあインタビュー

『叔母との旅』段田安則×浅野和之×高橋克実×鈴木浩介

『叔母との旅』段田安則×浅野和之×高橋克実×鈴木浩介
静かな余生を過ごす初老の男性が、数十年ぶりに再会した叔母に連れられて旅に出る。行く先々で出会うのは、常識ハズレな人や怪しい事件ばかり。やがて旅の日々は彼自身も変えていき……。ユーモアとさりげない色気が漂う長編小説を、4人の男優が演じきる。1990年代半ばに演劇集団円で2回上演され、日本にもファンの多い『叔母との旅』が、新たなキャストで蘇る。人間の不思議、人生のおかしさを、演劇ならではの軽やかな魔法で写し取るチャーミングな作品について、キャストの4人が語り合う。

段田安則 最初は僕が、浅野和之という素晴らしい役者と一緒に舞台をやりたくてですね、「何かいい本ないかな」と言ってたら、プロデューサーが提案してくれたのがこの『叔母との旅』なんです。読んでみたら、僕の好きな、ちょっと乾いた感じで最後にククッと来る。この感じ……うまく伝わりませんか(笑)。台本を読んだ浅野さんも「おもしろいけど、やるのはきっと難しいぞ」と言ってましたよね。



浅野和之 手法は面白いと思ったんです。主人公のヘンリーを4人で演じて、他の登場人物もみんなで交代で次々と演じていく。役者の手腕が試される芝居なんじゃないかと。おそらく装置もほとんど使わないだろうし、衣装も変えずに何人も演じ分ける。“捨て身の芝居”というか。でも、だからこそ素敵な作品なんだと思うけど。役が変わる度にカツラ乗せたり衣装変えたりだとコメディになっちゃう可能性もある。笑える部分ももちろんあるけど、人生、恋愛、親子とか、人間のそういう深いものも描いてますよね。それとこの叔母さん、高齢だけど生々しいじゃないですか。男が演じるとそれが少し薄まることで、逆にいろいろ見えてくると思います。



高橋克実 僕は円のバージョンを拝見していて、ものすごく印象に残っているんです。内容も何も知らないで観に行ったら、舞台の上に椅子が4つ置いてあって、役者さんはみんな普通のスーツで、上着をちょっと脱いだり腕まくりするくらい。それでいろんな役柄やシーンを演じ分けてた。それまで観たことのない面白さで、そのあとしばらく興奮して、いろんな人に話しまくってたなぁ。つい最近も「今度、『叔母との旅』でしょ? 期待してるよ!」と言われることが多くて、かなりプレッシャー(汗)。



鈴木浩介 実は僕、シス・カンパニー所属なのにシスが制作する公演は初参加なんです。だから嬉しくて「せりふ少ないけど大丈夫?」と聞かれて「大丈夫っす!」と答えていたんですけど、本当に少ない……。脚本を延々読んでも自分の役が出て来なかった(笑)。



高橋 いや、でも、僕の記憶では舞台上にはほとんど出っぱなしだったよ。



鈴木 えーっ!? マジっすか? 今回は出番が少ないみたいだから先輩たちの芝居をじっくりと観て学ぼうと思ってたんですよ。稽古から何から、皆さんがどういう感じでやってるのか。でもずっと舞台上に出てるのか……。自分のことに精一杯でじっくり観てる余裕がないかもしれませんね。



段田 とにかく、これは演出し甲斐のある戯曲ですよね。演出でしょうね、カギは。あとはお客さんの想像力(笑)。



浅野 丸投げかよっ(笑)。



段田 いやいや、もちろん僕らが全力を尽くすのは当然。日頃から息の合ったメンバーですからね。




原稿:徳永京子 撮影:源賀津己


▼「叔母との旅」
8月20日(金) ~ 9月19日(日) 青山円形劇場 (東京)
[原案・原作]グレアム・グリーン
[劇作・脚本]ジャイルズ・ハヴァガル(劇化) [翻訳]小田島恒志 [演出]松村武
[出演]段田安則 / 浅野和之 / 高橋克実 / 鈴木浩介

『叔母との旅』段田安則×浅野和之×高橋克実×鈴木浩介

『叔母との旅』段田安則×浅野和之×高橋克実×鈴木浩介

段田安則

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浅野和之

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高橋克実

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鈴木浩介