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チケットぴあインタビュー

鶴瓶噺 2012 笑福亭鶴瓶

鶴瓶噺 2012 笑福亭鶴瓶
2時間ノンストップ×5日間の公演を喋り倒す鶴瓶噺。語られるトピックスは、昨年の公演がはねた翌日からの1年間、笑福亭鶴瓶が出会ったノンフィクションな事象のみ。テレビとはひと味違う、笑福亭鶴瓶オリジナルの話芸と出会えるチャンスが鶴瓶噺なわけだが、素朴な疑問があった。落語とも漫談とも違う独自の話芸、そのルーツはどこにあるのか。そもそも、なぜ笑福亭鶴瓶は「おもろいノンフィクション」と出会うことができるのだろうか?

――まずは、鶴瓶噺の原点からお聞きできればと。鶴瓶さんが本当に体験したことを話すという独自の話芸、そのルーツはどこにあったのでしょうか?



「原点はラジオです。昭和50年頃、『ミッドナイト東海』という番組で3時間ぶっ続けで喋らなくてはダメで、その際、僕がこだわったのが喋りのトーンやったんです。当時、芸人のラジオは『はい、どーも!』なんてトーンをあげて喋るのが主流。でも、僕はふつうに喋る場を作りたかった。同時期に『ヤンタン』というラジオでトーンをあげる喋りはできていたこともあり、新しいことに挑戦してみたかったんです。その代わり、本当にあったおもしろい話だけをしようと決めました。当時から、“本当にあったことを喋るのが一番ウケる”という確信みたいなものが、なぜか僕にはあったんですよ」



――素朴な疑問です。「本当にあったことを喋るのが一番ウケる」を、鶴瓶さんは実践&証明し続けてきたわけですが、そもそもなぜ、鶴瓶さんは奇跡的な偶然やおもしろい出来事に遭遇できるのでしょう?



「ちゃんとする……、というのが大切かもしれません。人との接し方をふだんからちゃんとしていてないと、たとえば『家族に乾杯』の収録の時だけ、そういうことに出会えるなんてありえないですから。昨日もね、魁皇関(現・浅香山親方)と熊本県の人吉というところに行ったんです。僕は全然平気だったのに、魁皇関がめっちゃ寒がっていて。ふだんから裸で生活しているのになんでそんなに寒いねんと(笑)。それがもうおもろかったんやけど、朝から焼き鳥を焼いてるお店があったわけ。ええなぁ、食べさしてもらおうと思ったんやけど、焼くのに15分ぐらいかかるというので、近所をぶらぶらしてたんです。そしたら、ふとTシャツ一枚のおっちゃんがいてることに気づいて。そのおっちゃんを呼んで『寒くないの?』と聞いたら『寒くないです』。なのに、その横で魁皇関は『寒い寒い寒い』と震えてはって」



――ふつうのおっちゃんですら元気なのに、裸のプロがなにを寒がっているのかと(笑)。



「そうそう。そんなことをしているうちに、焼き鳥ができたから食べてたんやけど、近所で化粧品のお店をやってはる奧さんが、わざわざお茶を持ってきてくれて。あいかわらず魁皇関は寒がっていたから、そのお店にあがらしてもらったんですよ。いいご夫婦でね。立ち話をしてたんやけど、お店の中にどうも気になるものがあったんです。『あれ、なんですか?』と聞いたら『双葉山時代の板番付です』言うて。えー!? と。相撲の番付表って、いまでは紙のものしかないけど板に書かれたもの、しかも昭和の大横綱だった双葉山時代の板番付がそこにあったわけです。さらにね、そのロケの翌日が双葉山の誕生日で、そのお店のご主人も双葉山と同じ誕生日やと」



――すごい! 奇跡的な繋がりです。



「なんか出会ってしまうんですよ、そういうことに。でも、ふつうに生活していたらそういった出会いも忘れてしまうもの。だから僕はメモを取るんです。振り返れば、鶴瓶噺の原点である『ミッドナイト東海』の頃からメモを取り続けていますから。この間、今回の鶴瓶噺の準備として、1年間のメモからいけそうな噺を選んでタイトルだけを抜き書きしたんです。毎年、それをやるとすっとする。あとは本番のお客さんの空気によって『これは違うな』と感じた噺は捨てて捨てて捨てまくって鶴瓶噺はできあがっていく。だから、5日間で話す中身が変わってくる。それが鶴瓶噺なんですけど、落語を本格的にやりだしてから、そのふたつがごっちゃになってる方もいるのが嬉しい悩みなんですよ。鶴瓶噺なのに『いつになったら着物に着替えて落語しはるんやろ?』と。みなさん、鶴瓶噺では落語はやりませんので、あしからずご了承ください(笑)」




取材・文:唐澤和也 撮影:星野洋介


▼鶴瓶噺 2012
4月18日(水) ~ 22日(日) 世田谷パブリックシアター
5月9日(水) ~ 13日(日) サンケイホールブリーゼ
5月15日(火)・16日(水) 中京大学文化市民会館 プルニエホール
5月19日(土) ・ 20日(日) 仙台市民会館 大ホール
■一般発売: 3月17日(土) 10:00
宮城公演:インターネットでの取り扱いなし