――気さくな人柄で人々から愛されたエドワード8世は、霧矢さんにも重なる部分があると思われますが、どのように捉えられていますか?
「自由奔放で、気さくでオシャレで遊び人で……、少年がそのまま大人になってしまったような人物ですよね。離婚歴のあるアメリカ人国籍の女性と結婚したいと言うような人だけど、なぜか憎めない。奔放な部分というのは自分の明るめのキャラクターを生かせると思うので、その中にあるナイーブさをいかに出して、お客様に想像していただくかを大事にしたいと思っています」
――オシャレな人ということで、その着こなしも楽しみです。
「流行の発信源になっていたくらいオシャレな人なので、カリスマ性も感じていただけるように演じたいですね。私自身、もし男性に生まれていたら英国紳士になりたいくらい、英国紳士が大好きなんです。スーツがすごくカッコイイ時代のお話なので、最後に究極の英国人男性を目指したいと思っています」
――退位してまで愛したアメリカ人女性、ウォリス。そのどこに惹かれたかが気になります。
「そうですね。どのようにふたりが結びついたかというところが見どころになると思います。史実のエピソードが宝塚らしく脚色され、ドラマチックな作品になると思いますので、楽しみにしていただきたいですね」
――ショーの『Misty Station』は、霧の終着駅というサブタイトルがついていますね。
「人生の半分以上は宝塚におりますので、卒業することは自分にとって大きなターニングポイントになると思います。そういう意味では終着駅であるとは思いますが、自分としても月組としても、そこからまた新たな旅が始まりますので、終わりではなく、旅立ちというイメージを持って観ていただけたらと思います」
――ラストステージに挑む心境はいかがですか?
「いつも通りの自分が見せられるように、敢えて気負わないようにしていますね。もちろん、宝塚歌劇で今までやってこられたことや、この立場で卒業できる喜びや幸せ、感謝の気持ちはありますし、唯一無二ですごく愛情に満ち溢れた世界だということを実感しながら過ごしています。だからこそ、変に気負わずに最後までやり抜きたいと思います」
▼宝塚歌劇月組『エドワード8世』-王冠を賭けた恋-/『Misty Station』-霧の終着駅-
2月3日(金) ~ 3月5日(月) 宝塚大劇場(兵庫県)
3月23日(金) ~ 4月22日(日) 東京宝塚劇場(東京都)
■発売中