レイフ・オヴェ・アンスネス ピアノ・リサイタル


北欧の深淵が育んだ、音の美学― レイフ・オヴェ・アンスネスが今秋来日!

レイフ・オヴェ・アンスネス ピアノ・リサイタル 2025年日本公演

レイフ・オヴェ・アンスネス ピアノ・リサイタル 2025年日本公演
公演によせて

 今回のリサイタルでは、2つの側面から成るプログラムをお届けします。前半は、精神の慰めや超越を感じられる世界観です。リストの作品からは、彼が宗教的な信念のもと、精神的なメッセージを捜し求めていたことが読み取れます。特に<コンソレーション>は、そのような精神世界との密接な繋がりを持っており、まるで演奏者と聴き手による美しい会話のようです。それと同時に、本作品における空間や息遣いも魅惑的です。
<パレストリーナによるミゼレーレ>は、敬虔さとロマン派の激しさが融合した、リスト特有の恍惚とした雰囲気が感じられます。
ベートーヴェンのソナタ作品111は、私が知っている中で最も魅力的な作品のひとつです。人間の葛藤や弱さ、疑念を表現しつつ、それと同時に強さ、光への渇望、そして至福とその超越の瞬間をも内包しています。
プログラムの後半はまったく対照的で、謝肉祭を訪れるという色彩豊かで演劇的な世界観を用いて、私たちを社会や日常へと引き戻します。シューマンの初期ピアノ作品は、最もユニークな標題音楽曲のひとつで、作品を通してショパンやパガニーニ、クララ・シューマンをはじめとした友人や音楽仲間、そして彼が想像するさまざまな登場人物が描き出されています。とても陽気な曲で、生命力や人生への若々しい意欲に満ちており、ピアノの作風は多様なテクニックや技巧、豊かな色彩が大きな魅力です。


レイフ・オヴェ・アンスネス


■プログラム
リスト:詩的で宗教的な調べ S. 173より 第8曲パレストリーナによるミゼレーレ
リスト:コンソレーション S. 172
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第32番ハ短調 Op. 111
* * *
シューマン:謝肉祭 Op. 9


公演期間
2025/10/30(木) ・ 2025/11/3(月・祝)
会場
東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル (東京都)
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール (兵庫県)
注意事項
未就学児童は入場不可。